建設DX 段取り八分、仕事二分
建設業のDXについてのコラム連載を始めるにあたって、その思いを記したい。
建設業は国の基幹産業である。インフラを整備し、国としての資産を形成している。建設業の国内総生産は約29兆で、就業者数は減少傾向にあり500万人を切っている。他産業に比べて労働時間も長いが、いわゆる2024年問題で国の施策によって労働時間が制限されて労働力不足が大きな経営課題になっている。加えて、就業者の高齢化が他産業より進んでいる。その解決手段としてデジタルが期待されるところである。
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建設業も他産業同様にDXに取り組んでいるが、効率化に始まって自動化、自動施工、遠隔施工、遠隔管理など省力と安全を目指しているものが多い。DXを進めるにあたって課題は知識やスキルのある人材の不足が叫ばれている。特に地方の会社や中堅・中小企業には顕著で、経済産業省は金融機関やITベンダーやコンサルタントなどを伴走者としてDXを推進しようと考えている。
連載コラムでは、特に中堅・中小建設会社の経営者向けにDXの本質を理解してもらって、着実に進める方法を解説し提案したいと考えている。大手企業がDXを進めても、日本経済への影響は限られている。なぜなら、会社数も就業者数も中堅。中小企業が圧倒的に多いからである。
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建設業で必要なDXは生産のDX、現場のDXである。そのためにはバックオフィスを含めて組織全体のデジタライゼーション(デジタル技術を活用して新たな価値を生み出すこと)が必要になる。DXはその先にある目標だ。
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