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現場所長が複数現場を同時管理するコツ!
遠隔モニタリングで巡回時間を削減

複数の現場を管理する際は、現場間の移動や情報収集が負担になることがあります。各現場の進捗や記録を離れた場所から確認できれば、現地で確認すべき業務を絞り込み、巡回の負担を抑えやすくなります。

本記事では、遠隔モニタリングや施工管理アプリを活用して複数現場の情報を把握する方法と、公共工事の段階確認・材料確認・立会などを遠隔で行う「遠隔臨場」について、実際の事例を交えて紹介します。

※主任技術者・監理技術者などの複数現場での兼任には、建設業法上の要件があります。情報通信機器を活用する場合を含め、個別工事の適用条件は最新の法令や発注者の条件をご確認ください。

現場所長が複数現場を同時管理するコツ!遠隔モニタリングで巡回時間を削減

複数現場の同時管理が難しいのはなぜ?

複数現場を同時に管理すると、現場間の移動や情報収集に時間がかかり、状況の変化を把握しにくくなることがあります。主な課題は、次の3つです。

  • 現場間の移動に時間がかかる
  • 現場ごとに情報が分散する
  • 別の現場で起きた変化やトラブルの把握が遅れやすい
  • 現場間の移動に時間がかかる

    複数の現場が離れている場合、それぞれを巡回するだけでも移動時間が発生します。移動が増えるほど、現場での確認や判断、関係者への指示などに充てられる時間が少なくなりやすくなります。

  • 現場ごとに情報が分散する

    現場ごとに情報の管理方法が異なることも、複数現場管理を難しくする要因です。

    たとえば、ある現場では進捗をホワイトボードで管理し、別の現場では申し送りを紙の野帳に記録し、工事写真はそれぞれの端末に保存しているとします。このように情報が分散していると、所長や管理者が状況を把握するために、電話やメールで確認したり、現地へ移動したりする機会が増えやすくなります。

  • 別の現場の変化を把握しにくい

    一つの現場にいる間に、別の現場で工程変更やトラブルが発生することもあります。

    現場ごとの情報がリアルタイムに共有されていなければ、管理者が状況を把握するまでに時間がかかり、判断や対応が遅れる可能性があります。

このような課題の背景にあるのは、「現場の状況を確認するために、その現場へ行く必要がある業務が多い」ことです。一方で、進捗や申し送り、写真、図面などの情報を離れた場所から確認できるようにすれば、現地へ行かなければならない業務を絞り込みやすくなります。

次の章では、複数現場の状況を遠隔から確認する方法として、「遠隔モニタリング」と「遠隔臨場」の違いを整理します。

遠隔モニタリングと遠隔臨場は何が違うのか

本記事では、現場の映像や進捗を離れた場所から確認する取り組み全般を『遠隔モニタリング』と呼びます。一方、『遠隔臨場』は、国土交通省が実施要領を定める取り組みで、動画撮影用カメラで取得した映像・音声をWeb会議システム等で共有し、公共工事の『段階確認』『材料確認』『立会』を遠隔で行うものです。『遠隔立会』と呼ばれることもありますが、本記事では正式名称の『遠隔臨場』を使用します。

両者の違いは、次のように整理できます。

項目 遠隔モニタリング 遠隔臨場
主な目的 現場の状況を離れた場所から確認する 段階確認・材料確認・立会を遠隔で行う
対象 進捗確認・防犯・安全確認など幅広い 主に公共工事の確認・検査
主な使い方 映像や記録を継続的に把握する 発注者・監督員が映像・音声を通じて段階確認・材料確認・立会を行う
位置づけ 取り組み全般を指す広い言葉 国土交通省が実施要領を定める仕組み

国土交通省が推進する「遠隔臨場」とは

遠隔臨場は、国土交通省が実施要領を定めて推進している取り組みです(※1)。ウェアラブルカメラなどで撮影した映像と音声をWeb会議システムで配信し、発注者・監督員が段階確認や立会を遠隔から行うものとされています(※1)。受発注者の作業効率化や、段階確認に伴う手待ち時間の削減、確認書類の簡素化などを目的として導入されています(※1)。

工事検査についても、遠隔臨場を適用する実施要領が整理されています(※2)。公共工事に関わる現場では、発注者ごとの要領を確認したうえで運用を決めることになります。

複数現場管理では「見る」だけでなく「記録・承認まで」が鍵

遠隔モニタリングを複数現場管理に生かすには、映像を見るだけで終わらせないことが重要になります。確認した内容をその場で記録し、必要な承認まで遠隔で済ませられれば、後から書類を作り直す手間が減り、掛け持ちでも管理が回りやすくなります。

カメラで現場を『見る』ことと、確認結果の記録や承認を同じデジタル環境上で『完結させる』ことは、分けて考える必要があります。次の章では、この考え方が実際の現場でどう形になっているかを見ていきます。

施工管理アプリ「eYACHO」における複数現場管理の考え方

ここからは、施工管理アプリ「eYACHO」を例に、複数現場管理と遠隔モニタリングがどのように支えられているかを紹介します。eYACHOは、株式会社MetaMoJiが2015年に大林組と共同開発した施工管理アプリです(※3)。建設現場で長年使われてきた紙の野帳をタブレットで扱えるようにした点が特徴で、iOS・iPadOS・Windows・Androidに対応しています(※3)。

MM総研が2025年12月に実施した調査では、eYACHOはゼネコンでの利用シェアNo.1(19%)、タブレットやスマートフォンなどスマートデバイスでの利用シェアNo.1(21%)となっています(※4)。現場でPCが使いにくい環境でも、スマホ・タブレットで完結できる点が評価されている結果と考えられます。

リアルタイム共有で情報を1か所に集める

複数現場の同時管理は、各現場の情報を離れた場所からでも把握できるかどうかが鍵になります。eYACHOでは、この情報共有の役割を「Share(シェア)」機能が担います。図面や帳票に複数人が同時に書き込み、内容をリアルタイムで共有することができる機能です(※5)。

eYACHOでは、事務所と現場など離れた場所でも、作業間の連絡調整や上長への確認事項を伝えることができます(※5)。各現場で共有するノートや帳票をそろえておけば、担当者が入力した内容を複数人でリアルタイムに共有できます。所長は離れた場所から各現場の記録を確認できるため、状況把握のためだけに現場へ移動する負担を減らしやすくなります。

複数拠点の現場をつなぐ実際の運用例

前田建設工業では、1つの現場に2か所の事務所があり、eYACHO導入前はそれぞれの事務所で終礼を行っていました(※6)。導入後は、Web会議とeYACHOを併用し、離れた2つの事務所をつないで合同で終礼を行っています(※6)。

終礼ではeYACHOのシェア機能を使い、写真や図面、表などを共有しながらリアルタイムに報告できます。担当者は事務所だけでなく、外出先や現場からも参加できます(※6)。

この事例は複数の工事現場を管理したものではありませんが、離れた拠点の情報をオンラインで共有し、移動せずに状況を確認する運用の参考になります。複数現場を管理する場合も、各現場から同じ方法で情報を共有できるようにしておくことで、状況確認のための移動を減らしやすくなります。

遠隔モニタリング・遠隔臨場を支える機能と事例

続いて、遠隔でのモニタリングや立会を、eYACHOがどう支えているかを見ていきます。ここでも見るだけでなく記録、承認までのフローを含めて設計することが重要になります。

移動時間を抑えた遠隔臨場の事例

NEXCO東日本では、事務所と現場の行き来に時間がかかることが課題の一つとなっていました(※7)。

そこで、ウェアラブルカメラとeYACHOを使った遠隔臨場を試行しています。出来形検測調書をeYACHOで共有し、現場の検測状況をウェアラブルカメラで配信。映像を確認しながら検測結果をeYACHOに記録し、電子押印まで行う運用です(※7)。

150〜160回の立会のうち約半分を遠隔で実施した結果、立会前後の待機や移動にかかる時間は、500時間以上から240時間まで削減されました(※7)。

また、書類をメールでやり取りして印刷する必要がなくなり、受発注者間で書類を共有しながら、その場で確認や承認を進められるようになった点も効果として挙げられています(※7)。

この事例では、ウェアラブルカメラとeYACHOのShare機能を使い、映像の確認と書類の記録・共有を組み合わせています。遠隔で対応できる立会を切り分けることで、現地へ出向く回数や待機時間の削減につなげた事例です。

ビデオ通話機能を使ったリモート化の事例

映像を通じたやりとりをより手軽に行いたい場面では、ビデオ通話機能「GEMBA Talk」が活用されています。GEMBA Talkは、eYACHOのシェアノートから映像と音声で現場の状況をリアルタイムに共有できる機能です(※5)。

阪神高速技術の事例では、eYACHOとGEMBA Talkを組み合わせ、リモート朝礼や遠隔検査によって移動時間を抑えるとともに、若手の育成にも生かしているそうです(※8)。阪神高速技術の事例では、若手が現場に出向き、上司は自席から複数の現場を遠隔でサポートする運用がされています(※8)。現場の状況はウェアラブルカメラで確認し、判断に迷えばGEMBA Talkでその場で上司に確認できるため、一人の管理者がより多くの現場を見ても対応しやすくなる、という考え方です(※8)。複数現場を管理するとき、こうした遠隔でのやりとりを活用すれば、現地巡回を補完し、実際に現場へ行く必要がある確認業務を絞り込みやすくなります。

離れた複数現場を一つの画面で見る事例

複数現場の同時管理という観点では、発注者側の取り組みも参考になります。ユーラスエナジーホールディングスは、風車107基・6か所の風力発電所建設を進めるにあたり、eYACHOを使って離れた現場をリモートで管理しました(※9)。

eYACHOでは、各現場のノートや帳票がクラウド(MetaMoJi Cloud)に集まるため、離れた拠点の状況も同じ環境で確認することができます(※5)。書類の書式を現場ごとにそろえておけば、複数の現場からの報告を同じ形式で見比べやすくなります。複数現場を同時に見るときは、情報を集めるだけでなく、集めた情報の形をそろえることも、把握のしやすさにつながります。

通信環境が悪い現場をどう組み込むか

複数現場の同時管理では、通信が届きにくい現場の扱いが課題になりがちです。トンネル坑内や山間部では、そもそも電波が届かず、遠隔での確認が成り立たないことがあります。

eYACHOでは、ノートや帳票、図面の閲覧・編集・手書き入力をオフラインで行うことができ、電波が復帰したときに同期する設計になっています(※10)。なお、ノートは自動で同期されますが、Shareノートとしての書き込みは、手動で「シェアレイヤーに移す」必要があります(※5)。また、eYACHOは「au Starlink Direct」に対応しています。GEMBA Talkは利用できないものの、携帯電話の通信圏外でも、空が開けた場所であれば通信できます(※10)。通信環境が悪い現場でも入力を止めずに済むため、他の現場とも同時管理を進めやすくなっています。

複数現場管理を進めるときの注意点

ここまで遠隔モニタリングの利点を中心に述べてきましたが、導入すれば自動的にうまくいくわけではありません。掛け持ち管理を無理なく回すには、いくつか押さえておきたい点があります。

まず、すべての立ち会いを遠隔に置き換えようとしないことです。NEXCO東日本の事例でも、現場試験を伴う場合など、現地での立会が必要な場面は残ると整理されています(※7)。遠隔に向く確認と、現地で行うべき確認を分けて考えることが現実的です。

次に、運用ルールを固めすぎないことも挙げられます。NEXCO東日本の事例では、受注者の意向を聞きながら運用方法を決めていくことが重要だったと振り返られています(※7)。関係者が使いながら調整していく余地を残すほうが、定着しやすくなる傾向があります。

最後に、まずは一部の現場で試しながら広げていくということです。いきなり全現場へ広げるのではなく、一つか二つの現場で試し、記録の共有や遠隔確認の運用を確かめてから広げると定着がスムーズです。

まとめ

複数現場を管理する際は、各現場の情報をまとめて確認できる環境を整えることが、巡回の効率化につながります。進捗や記録、写真、図面などを遠隔から確認できれば、現地で確認する必要がある業務と、オンラインで対応できる業務を分けやすくなります。

前田建設工業では離れた拠点間の情報共有、NEXCO東日本では遠隔臨場による待機・移動時間の削減、ユーラスエナジーでは複数拠点のリモート管理にeYACHOが活用されています。また、通信環境が不安定な現場でも、オフライン機能などを使いながら記録を続けることができます。

施工管理アプリ「eYACHO」は、リアルタイム共有やビデオ通話、オフライン対応などを通じて、複数現場の情報共有や遠隔確認を支援します。現場巡回や情報収集に負担を感じている場合は、まず遠隔で確認できる業務を整理するところから検討してみてください。

よくある質問

  • Q. 複数現場を同時に管理するには、まず何から始めればよいですか?

    A. まずは各現場の記録を1か所に集める仕組みを整えることをおすすめします。進捗や申し送り、写真、図面への指示が同じ場所で見られるようになると、巡回の目的を情報収集から必要な判断へと絞り込みやすくなります。いきなり全現場へ広げず、1つか2つの現場で試してから広げる進め方が現実的です。

  • Q. 遠隔臨場と遠隔モニタリングは同じものですか?

    A. 近い意味で使われますが、範囲が異なります。遠隔モニタリングは現場の状況を離れた場所から確認する取り組み全般を指し、遠隔臨場は公共工事の段階確認・材料確認・立会などを遠隔で行う仕組みを指します。遠隔臨場については、国土交通省が実施要領を定めて推進しています(※1)。

  • Q. eYACHOは無料で試せますか?

    A. eYACHOは30日間の無料トライアルを提供しています。ベーシック版相当の機能が対象で、BLuE連携・安全AIソリューションはトライアル対象外です。


複数現場での情報共有や遠隔確認を実際の運用に近い形で検証したい方は、無料トライアルをご利用ください。導入に関するご相談は、公式サイトのお問い合わせ窓口で受け付けています(※11)。


出典一覧

※1 国土交通省 大臣官房技術調査課「建設現場における遠隔臨場に関する実施要領(案)(2023年3月)」 https://www.mlit.go.jp/tec/content/001594449.pdf
※2 国土交通省 大臣官房技術調査課「遠隔臨場による工事検査に関する実施要領(案)(2024年3月)」 https://www.mlit.go.jp/tec/content/001736204.pdf
※3 株式会社MetaMoJi「施工管理アプリ『eYACHO』新機能提供開始のお知らせ」 https://metamoji.com/jp/news/20260316/
※4 株式会社MetaMoJi「MetaMoJiの『eYACHO』がゼネコンで利用される施工管理アプリNo.1に」 https://metamoji.com/jp/news/20260325/
※5 株式会社MetaMoJi「eYACHO 特長機能」 https://product.metamoji.com/gemba/eyacho/feature/
※6 株式会社MetaMoJi「eYACHO導入事例|前田建設工業株式会社」 https://product.metamoji.com/gemba/eyacho/user/maedakensetu.html
※7 株式会社MetaMoJi「eYACHO導入事例|東日本高速道路株式会社」 https://product.metamoji.com/gemba/eyacho/user/e-nexco.html
※8 株式会社MetaMoJi「eYACHO導入事例|阪神高速技術株式会社」 https://product.metamoji.com/gemba/eyacho/user/hkg.html
※9 建設ITワールド「風車107基、6カ所の風力発電所建設をリモート管理 発注者、ユーラスエナジーHDのeYACHO活用術」 https://ken-it.world/success/2021/05/eyacho-in-eurus-energy.html
※10 株式会社MetaMoJi「eYACHO 活用情報/au Starlink Direct 連携」 https://product.metamoji.com/gemba/eyacho/topic/starlink-direct.html
※11 株式会社MetaMoJi「eYACHO お問い合わせ・導入相談」 https://product.metamoji.com/gemba/message/
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【監修】eYACHO編集部

施工管理アプリ「eYACHO」は、タブレット1つで現場の記録・共有・管理を可能にし、施工管理から安全管理まで幅広い業務をサポートします。
本コラムでは、建設業界の課題解決やDX推進に役立つ情報や最新動向をお伝えします。

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