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AIが建設現場の危険を予測する仕組み!
事故データ分析と予防策の自動生成

AIによる危険予知とは、過去の事故データをAIが分析し、作業に潜むリスクと対策を予測して提示する取り組みです。建設現場の安全管理はベテランの経験や勘に支えられてきた面が少なくありませんが、近年は高齢の作業員や外国人材の増加、若手への技能の伝えにくさなどから、経験だけに頼らない安全管理の仕組みづくりが課題となっています。

この記事では、AIが事故データから危険を予測する一般的な仕組みを整理したうえで、実際の製品ではリスクや対策がどのように導き出されるのかを解説します。用語の説明にとどまらず、現場での使われ方まで踏み込みます。

AIが建設現場の危険を予測する仕組み!事故データ分析と予防策の自動生成

なぜ建設現場でAIによる危険予知が注目されるのか

まず、建設現場で危険予知にAIを取り入れる動きが広がっている背景を整理します。

厚生労働省の統計では、2024年の労働災害による死亡者数のうち、建設業は232人で、全産業の約3割を占め、業種別で最も多くなっています。前年からは9人増えており、重い事故を減らすことが引き続き大きな課題です(※1)。国の中期計画である第14次労働災害防止計画でも、建設業の死亡災害を2027年までに2022年比で15%以上減らすことが目標に掲げられ、あわせて墜落・転落に関するリスクアセスメントの実施や、DXの進展を踏まえたウェアラブル端末・VR・AIなどの活用が方針として示されています(※2)。

一方で、現場ではベテランの退職が進み、経験にもとづく危険予知のノウハウをどう引き継ぐかという課題があります。KY(危険予知)活動やリスクアセスメントは重要な取り組みですが、担当者の経験差によって着眼点にばらつきが出たり、実施すること自体が目的になって形だけになったりする場面も見られます。過去の事故データを整理して活用しにくいという声も少なくありません。

AIによる危険予知は、こうした課題を補う手段として位置づけられています。人の判断を置き換えるのではなく、経験の差を埋め、見落としを減らすための支援として使う考え方です。

AIはどのように事故データから危険を予測するのか

次に、AIが事故データをもとに危険を予測する流れを見ていきます。ここでは特定の製品に限らず、こうしたシステムに共通する考え方を整理します。

出発点となるのは、過去に起きた労働災害のデータです。「いつ」「どの作業で」「何が原因で」「どのような事故につながったか」といった情報を蓄積し、作業や状況ごとの危険の傾向を読み取ります。作業内容をテキストで入力したり、現場や重機の写真を取り込んだりすると、AIが関連する事故事例やリスクを照らし合わせ、想定される危険と対策の候補を示します。

このとき精度を左右するのが、参照するデータの質と量です。事故事例に加えて、関連する法令やガイドライン、自社に蓄積された労災報告などを組み合わせるほど、現場の実態に近いリスクを示しやすくなります。参照できるデータが偏っていたり少なかったりすると、抽出されるリスクも限られます。

もう1つ大切なのが、AIの提示をそのまま採用しない運用です。AIが挙げたリスクや対策を現場の監督者や作業員が確認し、必要に応じて取捨選択します。人の判断を組み込むことで、現場に合わない指摘を除き、実態に即した危険予知につなげやすくなります。

eYACHOの安全AIソリューションはどのように危険を予測するのか

ここからは、施工管理アプリ「eYACHO」に用意されている安全AIソリューションを例に、危険予知をどのように支援するのかを見ていきます。前の章で述べた一般的な考え方が、実際の製品ではどのような形になっているかという視点で読んでいただけます。

安全AIソリューションは、MetaMoJiが独立行政法人 労働安全衛生総合研究所および株式会社大林組と共同で研究を進め、研究から得られた労働災害対策の知識を「リスク予測知識データベース」として体系化したものです。過去の災害事例・マニュアル・法令などをもとに、AIが作業内容や現場の状況に応じたリスクと対策を提案します(※3)。個人の経験や勘に頼りがちな安全管理を、データにもとづくリスクの見える化へ近づけることを目的としています。

21種類の法令と31種類のガイドラインをもとにリスクを抽出

eYACHOの安全AIソリューションでは、21種類の安全関連法令と31種類の通達・ガイドラインをもとに、現場の状況に応じて関連度の高い事故事例・リスク・対策を抽出します。あらかじめ用意した固定のチェックリストを当てはめるのではなく、作業内容や現場の条件に合わせて必要な安全管理情報を組み立てる考え方です。作業計画書や安全衛生日報といった帳票をeYACHO上でデジタル化し、作業員や現場の情報を入力すると、AIがリスクと対策の候補を示します。法令やガイドラインを踏まえた内容が示されるため、経験の浅い監督者でも一定の水準で危険予知に取り組みやすくなります。

この仕組みは、以前の知識型から生成型へと見直されており、状況に応じてリスクと対策を導き出す方式になっています。

自動モードとインタラクティブモードの2つの使い方

安全AIソリューションには、進め方の異なる2つのモードがあります。

  • 自動モード: 作業内容などを入力すると、AIが過去の災害事例・マニュアル・法令から参照する情報を自動で選び、リスクと対策を生成します。表示された一覧から該当する項目を選び、転記の操作を行うと帳票に反映できます。
  • インタラクティブモード: 利用者自身が参照する災害事例・マニュアル・法令を選び、リスクと対策を組み立てます。現場をよく知る担当者が、自分の判断を反映しながら検討を進められます。

AIに任せて効率化する場面と、人が主体的に確認する場面を、状況に応じて使い分けられます(※3)。

公開データと自社データを統合して利用できる

安全AIソリューションでは、厚生労働省の労働災害事例などをまとめた公開データと、自社に蓄積した労災データを統合して利用できます。自社データの整備が十分でない場合は、まず公開データを使って始められるため、データがそろっていない段階でも導入に着手しやすくなっています(※3)。自社のデータが蓄積されていくにつれて、より現場に即したリスクの検討につなげられます。

安全AIを活かした現場での危険予知の進め方と事例

ここでは、安全AIソリューションが実際の現場でどのように使われているかを紹介します。取り上げる2つの事例に共通するのは、いずれも毎日のKY活動に安全AIを組み込み、現場の安全管理に定着させている点です。

株式会社湧田鉄筋では、大林組JVの現場で、毎朝のKY活動のあとに安全AIで当日の作業に合う災害事例を選び、現場監督が重要点を説明する運用を行っています。「自分ならどうするか」を問う形式を日々続けることで、作業員の当事者意識を高める取り組みです。この現場では、安全AIの活用以降、事故発生件数ゼロを継続していること、写真や図による視覚化で外国人材への安全指導がしやすくなったことが紹介されています(※3)。

大林組では、早明浦ダム再生事業の現場で、安全AIを作業手順書の作成やKY活動に活用しています。過去の事故事例を必要に応じて参照しやすくなり、作業手順書の改善やKY活動の質の向上、現場の安全意識の向上につなげています(※4)。

これらの事例に共通するのは、AIが示したリスクや対策を、現場の担当者が確認しながら日々の活動に反映している点です。AIに任せきりにするのではなく、人の判断とあわせて使うことで、危険予知の質を保ちやすくなります。

安全AIソリューションを使い始める前に確認したいこと

最後に、安全AIソリューションを使い始める際の前提を整理します。

安全AIソリューションは、施工管理アプリ「eYACHO」のスタンダード版以上で利用できます。30日間の無料トライアルはベーシック版相当のため、安全AIはトライアルだけでは利用できません(※3)。安全AIを試したい場合は、公式サイトからの相談のうえで、スタンダード版以上での利用を検討することになります。

導入を進める際は、次の順で整理すると現場に定着させやすくなります。

  • 自社の労災データの整備状況を確認する。データが十分でなければ、公開データから始める。
  • KY活動やリスクアセスメントのどの場面で安全AIを使うかを決める。
  • 1つの現場で試したうえで、運用を段階的に広げる。

まとめ

建設現場の危険予知にAIを活用する仕組みは、過去の事故データを分析し、作業ごとのリスクと対策を予測して示すことで、経験や勘に頼りがちな安全管理を補うものです。人の判断を置き換えるのではなく、見落としを減らし、経験差を埋める支援として使う点が要になります。

施工管理アプリ「eYACHO」の安全AIソリューションは、21種類の安全関連法令と31種類の通達・ガイドラインをもとに、現場の状況に応じてリスクと対策を提案します。自動モードとインタラクティブモードを使い分けられること、公開データと自社データを統合して利用できることから、データがそろっていない現場でも危険予知の高度化に取り組みやすい仕組みです。安全AIを事故データの分析と予防策づくりに役立てたい場合は、自社の運用に合わせた活用方法から検討してみてください。

施工管理アプリ「eYACHO」は、株式会社MetaMoJiが2015年に株式会社大林組と共同開発した製品で、iOS・iPadOS・Windows・Androidに対応しています。MM総研の調査(2025年12月)では、ゼネコンでの利用シェアがNo.1(19%)、スマートデバイスユーザーでの利用シェアもNo.1(21%)となっています(※5)。

eYACHOは30日間の無料トライアルを提供しています。KY活動でのリスク抽出を自社の現場でどこまで支援できるか、まずは実際の運用に近い形でお試しください。導入に関するご相談は、公式サイトのお問い合わせ窓口で受け付けています。

なお、安全AIソリューションはスタンダード版以上が対象で、無料トライアルでは利用できません。

よくある質問

  • Q. eYACHOの安全AIソリューションは無料トライアルで使えますか?

    A. 安全AIソリューションはスタンダード版以上が対象で、30日間の無料トライアル(ベーシック版相当)では利用できません。

  • Q. 安全AIソリューションは何をもとにリスクを予測しますか?

    A. 21種類の安全関連法令と31種類の通達・ガイドライン、過去の災害事例などをもとに、作業内容や現場の状況に応じたリスクと対策を提案します。公開データと自社データを統合して利用できます。

  • Q. 自社の事故データが少なくても導入できますか?

    A. まず厚生労働省の労働災害事例などをまとめた公開データから始められるため、自社データが十分でない段階でも導入に着手できます。

出典一覧

※1 厚生労働省「令和6年の労働災害発生状況を公表」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58198.html
※2 厚生労働省「労働災害防止計画について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000197308.html
※3 MetaMoJi「安全AIソリューション|eYACHO活用情報」 https://product.metamoji.com/gemba/eyacho/topic/ai_solution.html
※4 MetaMoJi「eYACHO導入事例|株式会社大林組(安全AIソリューション)」 https://product.metamoji.com/gemba/eyacho/user/obayashigumi_ai.html
※5 MetaMoJi「MetaMoJiの『eYACHO』がゼネコンで利用される施工管理アプリNo.1に」 https://metamoji.com/jp/news/20260325/
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【監修】eYACHO編集部

施工管理アプリ「eYACHO」は、タブレット1つで現場の記録・共有・管理を可能にし、施工管理から安全管理まで幅広い業務をサポートします。
本コラムでは、建設業界の課題解決やDX推進に役立つ情報や最新動向をお伝えします。

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