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完全週休2日制の導入ステップ!
発注者との工期交渉と現場の意識改革の進め方

完全週休2日制とは、毎週2日の休日が確保される制度です。建設業では、現場を閉じる「4週8閉所」などの取り組みとあわせて進められています。時間外労働の上限規制が適用された2024年以降、休日の確保は経営課題として重みを増しています。完全週休2日制を進めるうえで課題になりやすいのが、限られた工期のなかでどう休日を増やすか、そして発注者とどう工期を交渉するかという点です。

要点は次の3点です。

  • 完全週休2日制の導入は、現状把握から効果検証までの段階を踏んで進めることが現実的です。
  • 工期交渉は、2025年12月に全面施行された改正建設業法を土台にすることで、根拠を持って進めやすくなります。
  • 休日を増やす余地は、施工以外の時間(事務・移動・確認)の圧縮から生まれることが多く、現場の意識改革と情報共有の仕組みづくりが鍵になります。
完全週休2日制の導入ステップ!発注者との工期交渉と現場の意識改革の進め方

建設業で完全週休2日制が求められる背景と現在地

完全週休2日制を検討する前に、なぜいま休日確保が急がれているのかを、制度の面から確認します。

2024年問題と時間外労働の上限規制

建設業では、これまで猶予されていた時間外労働の上限規制が、2024年4月から適用されています。時間外労働の上限は原則として月45時間・年360時間で、臨時的な特別の事情があって労使が合意した場合でも、年720時間以内、単月100時間未満(休日労働を含む)、複数月(2〜6か月)の平均80時間以内を超えることはできません。月45時間を超えられるのは年6回までとされ、違反した使用者には6か月以下の懲役または30万円以下の罰金という罰則が定められています(※1)。

この規制により、これまで長時間労働で吸収してきた業務量を、上限規制の範囲内に収めることが難しくなった現場も少なくありません。休日を確保しながら工期を守るための工夫が、以前にも増して必要になっています。

担い手不足と高齢化という構造的な課題

休日確保が急がれる背景には、担い手の確保という課題もあります。建設業就業者のうち55歳以上が約36.7%を占める一方、29歳以下は約11.7%にとどまり、全産業と比べて高齢化が進んでいます(※2)。若い世代に選ばれる産業であり続けるためには、他産業で広く定着している週休2日を実現できるかどうかが、採用や定着に影響する要因の一つとなっています。

改正建設業法の全面施行(2025年12月)

工期交渉に直接関わる制度として、改正建設業法があります。2024年6月に公布された改正法は、2025年12月12日に全面施行されました(※3)。従来、著しく短い工期での契約締結の禁止は発注者側を対象としていましたが、今回の改正で受注者側にも拡大され、双方が対象になりました。あわせて、中央建設業審議会が「工期に関する基準」や標準労務費を勧告し、著しく低い労務費での見積りや見積り依頼も禁止されています(※3)。

さらに、受注者は資材が入手困難になるといった「おそれ情報」を注文者に通知する仕組みが整えられ、通知を行うことで工期変更の協議を申し入れられるようになりました。注文者は、この協議に誠実に応ずる努力義務を負い、公共発注者の場合は義務とされています(※3)。これらは、後述する工期交渉の土台となります。

国土交通省の週休2日方針の現在地

国土交通省は、直轄工事で週休2日の取得に要する費用を計上する試行などを重ねてきました。そして2026年度からは、この試行を完了とし、多様な働き方の実現に向けた支援へ軸足を移す方針を示しています。これまでの週休2日という働き方に加え、猛暑対策を踏まえた働き方、変形労働時間制を適用した柔軟な働き方、担い手の多様化に合わせた働き方などが挙げられています(※4)。週休2日は、制度対応の段階から、自社の現場に合った休み方を設計する段階へと移りつつあります。

完全週休2日制を導入する5つのステップ

完全週休2日制は、一度に全社へ広げるよりも、段階を踏んで進める方が定着しやすくなります。ここでは基本的な導入の流れを5つのステップで整理します。

  • ステップ1:現状の休日・労働時間の把握

    はじめに、現場ごとの休日数と時間外労働の実態を把握します。4週あたりの休日数、現場閉所日数、事務所での持ち帰り作業の量などを、感覚ではなく記録で確認することが出発点になります。実態が数値で見えることで、どこに時間がかかっているかを把握しやすくなります。

  • ステップ2:課題の整理と目標設定

    次に、把握した実態から課題を整理し、目標を定めます。すぐに完全週休2日を目指すのが難しい場合は、4週8休を当面の目標に置き、段階的に休日を増やす計画を立てる進め方もあります。工期・給与・協力会社との調整のうち、どこが自社のボトルネックになっているかを見極めることが、無理のない計画につながります。

  • ステップ3:給与体系と工程・工期の見直し

    日給制の場合、休日が増えると収入が減ることへの不安が生じやすくなります。月給制への移行や手当の見直しなど、給与体系を検討する必要が出てくることがあります。あわせて、工程を前倒しで組む、天候不順に備えて余裕を持たせるなど、休日を織り込んだ工程計画へ見直すことが必要になります。

  • ステップ4:段階的な導入と協力会社との調整

    自社だけが休んでも、協力会社の作業が続いていては現場は動き続けます。週休2日は、元請と協力会社が足並みをそろえて初めて成り立つことが多く、閉所日の共有や作業計画の擦り合わせが欠かせません。まずは一部の現場から試行し、課題を洗い出しながら広げていく進め方が現実的です。

  • ステップ5:効果の検証と定着

    導入後は、休日数や時間外労働がどう変化したかを検証します。目標とのずれがあれば工程や体制を見直し、うまくいった工夫は横展開します。検証と改善を繰り返すことで、週休2日が一時的な取り組みではなく、現場の標準として定着しやすくなります。

発注者との工期交渉はどう進めればよいか?

導入ステップのなかでも、多くの企業が難しさを感じるのが発注者との工期交渉です。ここでは、制度を土台にした交渉の進め方を整理します。

改正建設業法を交渉の土台にする

改正建設業法では、著しく短い工期での契約締結が発注者・受注者の双方に禁止され、中央建設業審議会の「工期に関する基準」が判断材料の一つとされています(※3)。この基準では、休日・法定外労働時間や自然要因、関係者との調整など、工期設定にあたって考慮すべき事項が示されています。交渉の場では、こうした公的な基準を根拠として示すことで、無理な短工期を前提にしない話し合いを進めやすくなります。

週休2日を前提とした工程・労務費の根拠を示す

工期交渉では、なぜその工期が必要かを数字で説明できるかどうかが重要になります。週休2日を前提とした場合の稼働日数や、必要な労務費を積算し、根拠として提示することが、対等な協議につながります。改正法では標準労務費が勧告され、著しく低い労務費での見積りや依頼が禁止されているため、労務費の内訳を説明できる状態にしておくことが、交渉の裏付けになります(※3)。

記録を残して交渉材料にする

工期や労務費の妥当性を説明するには、日々の作業実態を記録として残しておくことが土台になります。どの工程にどれだけの時間がかかったか、天候による中断がどの程度あったかといった記録は、次の工期交渉での説得材料になります。紙の記録を後から集計するには手間がかかるため、ITツールで記録の残し方そのものを効率化しておくと、交渉の準備を進めやすくなります。

工期に余裕を生む現場の生産性向上と意識改革

工期を延ばす交渉だけでなく、限られた工期のなかで休日を捻出する取り組みも欠かせません。ここでは、平日の生産性を高めるための考え方を整理します。

施工以外の時間を短くする

休日を増やす余地は、施工そのものよりも、事務作業・移動・確認といった施工以外の時間に生まれることが少なくありません。現場で書いた内容を事務所で入力し直す、書類を探すのに時間を要する、確認のために現場と事務所を往復するといった作業は、平日の残業や休日出勤の要因になりやすい部分です。これらを短くすることが、休日を確保する現実的な手段の一つになります。

遠隔臨場を活用する

移動時間の削減に有効な手段として、遠隔臨場(遠隔立会とも呼ばれます)があります。国土交通省の実施要領では、遠隔臨場を、動画撮影用のカメラ(ウェアラブルカメラ等)で取得した映像と音声を利用し、遠隔地からWeb会議システム等を介して「段階確認」「材料確認」「立会」を行うものと定義しています(※5)。立会のたびに関係者が現場へ移動していた時間を削減できるため、平日の稼働に余裕が生まれ、結果として休日を確保しやすくなります。

現場の意識改革を進める

新しい仕組みは、導入するだけでは定着しにくいものです。とくにベテランが長年慣れた紙の運用から切り替える際には、抵抗が生じることもあります。まずは一部の帳票や現場から始め、効果を実感してもらいながら広げること、そして操作に不安のある人へのサポート体制を整えることが、定着につながります。休日を増やす目的と、そのために何を変えるのかを、現場全体で共有することが意識改革の第一歩になります。

施工管理アプリ「eYACHO」による情報共有と遠隔臨場の効率化

ここまで整理してきた施工以外の時間の圧縮や記録の効率化を支える手段として、施工管理アプリの活用があります。

eYACHOは、株式会社MetaMoJiが大林組と共同開発し、2015年から提供している施工管理アプリです。紙の野帳と同じ手書き感覚で記録できることが特徴で、MM総研「建設業の施工管理支援アプリの利用動向調査(2025年12月)」では、ゼネコンでの利用シェアNo.1(19%)、スマートデバイスでの利用シェアNo.1(21%)を獲得しています(※6、※7)。導入企業は900社、利用ユーザーは80,000にのぼります(※8)。手書き入力には、建設mazec(手書き入力システム)を利用できます。

情報共有を効率化する

eYACHOのShare機能は、同じノート・図面・帳票に複数人が同時に書き込めるリアルタイム共有の仕組みです。帳票作成を複数の担当で分担できるため、準備にかかる時間を短縮しやすくなります。大林組では、Share機能の活用により、朝礼準備が約1〜2時間から10〜20分へ短縮した事例があります(※9)。また、日付や現場名などの共通項目は、スマートテンプレートを使うことで一度の入力を各帳票へ反映でき、毎日同じ内容を作り直す手間を減らすことができます(※8)。

遠隔臨場を支える

前章で触れた遠隔臨場は、eYACHOでも活用できます。東日本高速道路(NEXCO東日本)では、Share機能とウェアラブルカメラを組み合わせた運用により、立会前後の待機や移動を含めトータルで500時間以上かかっていた移動時間を240時間に削減し、全立会の約半数を遠隔化した事例があります(※10)。立会のための移動が減ることは、平日の非施工時間の圧縮に直結します。

現場と事務所をつなぐビデオ通話には、GEMBA Talk(ビデオ通話機能)を利用できます。阪神高速技術では、GEMBA Talkを活用してリモートでの確認や若手育成に取り組んでいます(※11)。移動せずに現場の状況を確認できるため、確認のための往復を減らすことにつながります。

導入のしやすさと協力会社への展開

eYACHOは、iOS・iPadOS・Windows・Androidに対応しています。料金は、基本機能のベーシック版が月額3,520円/人・年額31,680円/人(税込)、写真管理や計測機器連携などを加えたスタンダード版が月額4,620円/人・年額41,580円/人(税込)です。初期導入費は330,000円(税込・初年度のみ)で、最小5ライセンスから導入できます。30日間の無料トライアルを利用できます(ベーシック版相当の機能が対象です)。

週休2日の実現には協力会社との足並みが欠かせませんが、協力会社向けには限定ユーザー版が用意されており、月額1,320円/人・年額13,200円/人(税込)で利用できます。限定ユーザー版はベーシック版・スタンダード版・プレミアム版の導入企業のみが購入でき、単独では購入できない点に留意が必要です(※8)。

まとめ

建設業で完全週休2日制を導入するには、現状把握から効果検証までの5つのステップを踏み、無理のない計画で進めることが現実的です。発注者との工期交渉では、2025年12月に全面施行された改正建設業法や中央建設業審議会の工期に関する基準を土台に、週休2日を前提とした工程・労務費の根拠を示すことが、対等な協議につながります。あわせて、事務・移動・確認といった施工以外の時間を圧縮し、現場の意識改革を進めることが、限られた工期のなかで休日を確保する鍵になります。記録の効率化や遠隔臨場の活用といった具体的な手段を組み合わせることで、週休2日と適正な工期の両立に近づけていくことができます。

eYACHOは30日間の無料トライアルを提供しています。記録や情報共有、遠隔臨場の効率化を自社の現場でどこまで進められるか、まずは実際の運用に近い形でお試しください。導入に関するご相談は、公式サイトのお問い合わせ窓口で受け付けています。

よくある質問

  • Q. 建設業で完全週休2日制は義務ですか?

    A. 週休2日制そのものは義務化されていません。ただし2024年4月から時間外労働の上限規制が適用され、休日の確保が実務上の課題となっています(※1)。

  • Q. 発注者に工期の見直しを求める法的な根拠はありますか?

    A. 2025年12月に全面施行された改正建設業法では、著しく短い工期での契約締結が受注者にも禁止されました。受注者は「おそれ情報」を注文者に通知することで、工期変更の協議を申し入れられます(※3)。

  • Q. eYACHOは無料で試せますか?

    A. 30日間の無料トライアルを提供しています。ベーシック版相当の機能が対象で、BLuE連携・安全AIソリューションはトライアルの対象外です(※8)。

出典一覧

※1 国土交通省「建設業の時間外労働の上限規制は2024年4月から!」 https://daiku-sodateru.mlit.go.jp/data/807e5605b217ca2cd09298d9a4a25c62.pdf
※2 国土交通省「令和6年版 国土交通白書(直面する課題)」 https://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/r06/hakusho/r07/html/n1111000.html
※3 国土交通省 報道発表「建設業の価格転嫁、ICT活用、技術者専任合理化について、新制度の導入に際して詳細を定めました(建設業法・入契法改正)」 https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo13_hh_000001_00272.html
※4 国土交通省「技術調査:週休2日の取組方針について」 https://www.mlit.go.jp/tec/tec_tk_000041.html
※5 国土交通省「建設現場における遠隔臨場に関する実施要領(案)」 https://www.mlit.go.jp/tec/content/001594449.pdf
※6 MM総研「建設業の施工管理支援アプリの利用動向調査(2025年12月)」 https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=710
※7 株式会社MetaMoJi「eYACHOがゼネコンでの施工管理アプリ利用シェアNo.1に」 https://metamoji.com/jp/news/20260325/
※8 eYACHO 公式サイト(製品・特長・料金) https://product.metamoji.com/gemba/eyacho/
※9 eYACHO 導入事例(大林組・建築) https://product.metamoji.com/gemba/eyacho/user/obayasigumi_kentiku.html
※10 eYACHO 導入事例(東日本高速道路) https://product.metamoji.com/gemba/eyacho/user/e-nexco.html
※11 eYACHO 導入事例(阪神高速技術) https://product.metamoji.com/gemba/eyacho/user/hkg.html
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【監修】eYACHO編集部

施工管理アプリ「eYACHO」は、タブレット1つで現場の記録・共有・管理を可能にし、施工管理から安全管理まで幅広い業務をサポートします。
本コラムでは、建設業界の課題解決やDX推進に役立つ情報や最新動向をお伝えします。

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