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協力会社の品質管理を一元化!
報告書の共有と是正フローを標準化する方法

建設現場の品質管理は、自社の職員だけで完結することはほとんどありません。専門工事を担う協力会社が複数入り、それぞれが検査や記録、報告を行います。ここで起きやすいのが、報告書の様式や記録の粒度がそろわず、確認や是正に手戻りが生じる問題です。報告がそろわないまま工程が進むと、後工程で不具合が見つかり、是正のやり直しが発生します。

本記事では、協力会社をまたいだ品質管理を一元化する考え方を、報告書共有と是正フローの標準化という切り口で整理します。一般的な進め方を示したうえで、現場で実際に成果を上げた事例と、施工管理アプリ「eYACHO」での具体的な実現方法も紹介します。報告書づくりが特定の担当者に集中している、是正の完了確認があいまいで処置が追えないといった課題をお持ちの方に役立つ内容です。

協力会社の品質管理を一元化!報告書の共有と是正フローを標準化する方法

なぜ協力会社をまたぐと品質管理の報告がそろわないのか

報告品質がそろわない原因を、個人の力量の問題だと捉えると改善は進みません。多くの場合、原因は協力会社をまたいだ仕組みの側にあります。先に構造を見える化しておくことで、打ち手が明確になります。

第1の原因は、測定項目や判定基準が会社ごとにばらつくことです。同じ検査でも、何をどこまで記録するか、合否をどう判断するかの基準が共有されていないと、報告内容が現場ごと・協力会社ごとに変わってしまいます。

第2は、写真と測定値の記録ルールが統一されていないことです。撮影の角度や電子小黒板への記載、数値の単位がふぞろいだと、後から見て判断ができず、確認のために現場へ問い合わせる手間が発生します。第3の原因は、報告のタイミングと確認フローが固定されていないことです。いつ誰に提出し、誰が確認するかが決まっていないと、報告の遅延や確認漏れが起こります。

第3の原因は、報告のタイミングと確認フローが固定されていないことです。いつ誰に提出し、誰が確認するかが決まっていないと、報告の遅延や確認漏れが起こります。

第4に、是正の進め方が標準化されていないと、指摘した内容がどこまで対応されたのか追えなくなります。たとえば、口頭やチャットで「直しておいて」と伝えただけでは、対応の有無や完了の記録が残りません。

これら4つはいずれも、協力会社との間で事前に取り決めれば防げる性質の課題です。原因を「個人」ではなく「仕組み」に置き換えることが、品質管理を一元化する第一歩になります。

報告書共有を標準化する基準づくり

報告書共有の標準化は、フォーマットを配るだけでは進みません。出発点は、測定項目と判定基準を「共通の言葉」でそろえることです。協力会社が変わっても同じ品質で報告が上がる状態を、基準の側から設計します。

まず、工種ごとに記録すべき測定項目を一覧化し、合否の判定基準を明文化します。「この値は何を意味し、どの範囲なら合格か」を全員が同じ理解で共有できれば、報告内容の解釈ずれが減ります。配筋検査や出来形管理のように判定基準が明確な検査ほど、基準を共通化する効果は大きくなります。あわせて、写真と測定値の記録ルールを標準化します。撮影位置、電子小黒板への記載事項、数値の入力欄を統一フォーマットに落とし込むと、誰が記入しても一貫した報告書になります。

次に、報告書のテンプレートを整備します。手書きの自由記述だけに頼らず、写真貼り付け枠と入力欄をあらかじめ設計しておくと、記入漏れが起きにくくなります。チェックボックスやドロップダウンを活用すれば、入力のばらつきも抑えられます。専門用語や略語は定義を文書化し、関係者全員に周知します。用語が共通化されていないと、同じ不具合を別の言葉で報告してしまい、集計や分析が難しくなるためです。基準・記録ルール・用語の3点を先にそろえることが、協力会社をまたいだ報告書共有を一元化する土台になります。

報告タイミングと確認フローを固定し、運用として定着させる

基準が整っても、運用のタイミングが決まっていなければ報告は安定しません。報告のタイミングと確認フローを固定することが、品質管理を継続的に回すうえで欠かせません。

具体的には、提出期限と提出先、確認者を工程ごとに決めておきます。定期的な報告サイクルを設けると、協力会社との情報共有が円滑になり、問題の早期発見につながります。各ステップで誰が何を担当するかを明確にすれば、確認の責任の所在もはっきりします。そのうえで、修正依頼を減らすためのレビュー観点を共有します。レビュー側が見るポイントが毎回ばらつくと、協力会社は何を直せばよいか分からず、やり取りが増えます。品質基準を明示し、各段階で期待する水準を事前に伝えておくと、差し戻しの回数そのものを減らせます。フィードバックは「どこを、どう直すか」を具体的に示すことが、改善の速さに直結します。

そして、標準化したルールは一度決めて終わりではありません。現場で実際に運用しながら、定期的に見直して改善する仕組みが必要です。報告様式や確認フローに無理があれば現場は元の方法に戻ってしまうため、運用後の声を拾って様式を更新し続けることが定着の条件になります。協力会社を含めた関係者への教育や、新しく入った職員が迷わないための手順の共有も欠かせません。基準づくりから定着までを継続的なサイクルとして回すことで、属人化を防ぎ、品質を安定させられます。

是正フローを「指摘・対応・確認」で標準化する

品質管理で最も標準化が遅れがちなのが是正です。是正フローは「指摘」「対応」「確認」の3点を固定して初めて機能します。どれか1つでも様式から抜けていると、対応の抜け漏れが生じます。

まず指摘の段階では、何がどう契約や設計と異なるのかを、写真と位置情報を添えて具体的に記録します。抽象的な指示は認識のずれを生むため、現場で気づいた問題はその場で記録に残すことが大切です。次に対応の段階では、是正の方法と担当、期限を明確にします。誰がいつまでに何を行うかが決まっていないと、是正は先送りされがちです。そして確認の段階で、是正が完了したことを現場で確認し、その結果を記録に残します。この完了確認までを様式に組み込むことで、是正が「言いっぱなし」で終わらなくなり、再発防止のための分析もしやすくなります。

なお、建設工事における是正は、契約不適合責任という法律上の枠組みとも関係します。2020年4月施行の改正民法では、引き渡された目的物が種類・品質・数量に関して契約の内容に適合しない場合、発注者は履行の追完(修補など)を請求できると定められています(民法第562条)(※2)。つまり、契約内容と異なる施工は法的にも是正の対象となり得ます。だからこそ、是正の指摘から完了確認までを記録として残し、誰が見ても経緯を追える状態にしておくことが、トラブル防止の観点からも重要です。記録が整っていれば、発注者や協力会社との費用負担の協議の際にも、客観的な根拠として活用できます。

協力会社との品質管理をデジタルで一元化する

ここまでの基準づくり・タイミング固定・是正フローを、紙とExcelだけで協力会社全社に徹底するのは簡単ではありません。そこで活用が進んでいるのが、施工管理アプリやクラウド型の情報共有ツールです。 一般に、こうしたデジタルツールでは、報告書や図面をクラウドに集約し、現場と事務所、協力会社がリアルタイムに同じ情報を参照できます。データの更新が即時に反映されるため、最新版がどれか分からなくなる問題を避けられます。電波の届きにくい現場ではオフラインでの入力可否も重要な選定ポイントです。また、情報漏洩を防ぐための通信の暗号化やアクセス権限の管理など、セキュリティ面の整備が進んでいるツールを選ぶことも、協力会社を巻き込むうえでの前提になります。これらは特定の製品に限らず、ツール全般を評価する際の共通の観点です。

ここからは、その一例として施工管理アプリ「eYACHO」での実現方法を紹介します。eYACHOは、当社(株式会社MetaMoJi)が大林組と共同開発し、2015年に発売した施工管理アプリです。MM総研「建設業の施工管理アプリの利用動向調査(2025年12月)」では、ゼネコンでの利用シェアNo.1(19%)、タブレットやスマートフォンなどスマートデバイスでの利用シェアNo.1(21%)を獲得しました(※1)。導入は900社・80,000ユーザーにのぼり、iOS・iPadOS・Windows・Androidに対応します(※5)。手書き入力には、建設・土木・設備の用語に対応した「建設mazec」(手書き入力システム)が使えます。

協力会社との共有という観点では、eYACHOにおいては「Share(シェア)機能」が中心になります。Share機能を使うと、同じ図面や帳票に現場と事務所、協力会社が同時に書き込め、内容がリアルタイムに反映されます。指示・質疑・是正・完了といった種別をレイヤーで分けて管理することもできるため、誰がどの指示を入れたかを後から追跡しやすくなります。是正の場面では、現場で撮影した写真に丸囲みや矢印、コメントを書き込み、そのまま是正指示として共有する使い方ができます。

是正の完了確認や報告の締めについても、eYACHOでは承認の申請・確認を行うことができます。是正や作業の進捗を記載した帳票について、現場責任者や上長へ承認印押印のデジタル申請を行える仕組みです。さらに、入力した値を別の帳票へ転記したり、自社の既存Excel帳票をテンプレートとして取り込んだりすることもでき、同じ項目を繰り返し書く手間を減らせます。工事写真を工種ごとに整理する機能も備えており、報告書づくりの負担を軽減できます。

協力会社への展開で課題になりやすいコストについては、eYACHOには協力会社向けの「限定ユーザー版」が用意されています。料金は年額13,200円/人(税込)で、元請会社が購入して協力会社に配布する形で利用します。限定ユーザー版だけを単独で購入することはできない点には注意が必要です(最新の価格・条件はお問い合わせください)。なお、eYACHOは30日間の無料トライアルで試すことができます(安全AIソリューションはスタンダード版以上が対象のため、トライアルでは利用できません)。

安全管理の高度化を求める場合、eYACHOには「安全AIソリューション」もあります。これは21種類の安全関連法令と31種類の通達・ガイドラインをもとに、現場の状況に応じて関連度の高い事故事例やリスク、対策を動的に抽出する仕組みです(スタンダード版以上で利用可能)。協力会社が多く、多業種が交錯する現場のリスクアセスメントを支える用途で活用できます。

現場の実例に見る、報告書共有と是正処置の標準化

ここまでの考え方が現場でどう機能するのか、公式に公開されている導入事例から見てみます。いずれもShare機能を軸に、報告書共有と是正の標準化を実現した例です。

大林組JVが施工した千住関屋ポンプ所建設現場では、安全パトロールの報告書フォーマットを関係者で共有し、タブレットで撮影した画像を随時アップロードして、全員がどこからでもリアルタイムに整理・編集できる仕組みを構築しました。その結果、担当者が1人で報告書をまとめる作業がなくなりました。是正の完了についても、担当者が現場で確認し、チェック項目から「処置」を選択するだけで済むようになっています(※3)。報告書様式そのものを共有し、是正の完了確認まで様式に組み込んだ好例です。

同じ現場では、図面上の作業ポイントにチェックボックスを配置し、完了したポイントを色変更して進捗を視覚化する管理計画書も作成しています。設計数量と完了数量を入力すると進捗率を自動で算出でき、PDF化して発注者への定期報告にも活用しています(※3)。報告と確認を同じデータ上でつなぐことで、品質と進捗の両面を一元的に管理できることが分かります。

前田建設工業の事例では、Share機能を活用し、担当者が事務所以外の外出先や現場からも参加して、写真や図面、表を貼り付けてリアルタイムに報告できる運用を実現しています。鉄道現場の昼夜引継簿では、職員と職長の承認印欄を設けることで「誰が確認したか」が一目で分かる状態にしました(※4)。最新情報がリアルタイムに更新されるため、情報伝達の漏れが少なくなったとのことです。承認の可視化が、協力会社をまたいだ確認漏れの防止に直結することを示す事例です。

これらに共通するのは、報告様式・記録ルール・確認の流れを標準化したうえで、同じデータを全員で共有している点です。特別な機能を増やすことよりも、「指摘・対応・確認」を様式に組み込み、誰が見ても経緯を追える状態をつくることが、協力会社の品質管理を一元化する近道だと分かります。

まとめ

協力会社をまたぐ品質管理で報告書がそろわないのは、個人の力量ではなく、様式・基準・タイミング・是正の進め方が標準化されていない構造に原因があります。改善の出発点は、測定項目と判定基準を共通の言葉でそろえ、写真と測定値の記録ルールを統一することです。

そのうえで、報告のタイミングと確認フローを固定し、レビュー観点を共有すれば、修正依頼そのものを減らせます。是正は「指摘・対応・確認」の3点を様式に組み込み、完了確認まで記録に残すことが重要です。これらをクラウド型のツールで一元化し、運用しながら継続的に見直していけば、協力会社が変わっても同じ品質で報告と是正が回る体制をつくれます。施工管理アプリ「eYACHO」のShare機能や承認の申請・確認、協力会社向けの限定ユーザー版は、その実現を後押しする選択肢の一つです。まずは自社の報告書共有と是正フローを棚卸しし、標準化できる部分から着手してみてください。


施工管理アプリ「eYACHO」は30日間の無料トライアルで実際の現場業務をお試しいただけます。協力会社との連携や報告書共有の進め方については、公式サイトの問い合わせ窓口( https://product.metamoji.com/gemba/message/ )からご相談いただけます。


出典一覧

※1 株式会社MM総研「建設業の施工管理支援アプリは働き方改革関連法の適用後も導入が進み、建設業全体の利用率は4割強に上昇(2025年12月調査)」 https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=710
※2 J-Net21(独立行政法人 中小企業基盤整備機構)「民法改正による新制度(第3回)-契約不適合責任」 https://j-net21.smrj.go.jp/law/20210728.html
※3 株式会社MetaMoJi eYACHO導入事例「株式会社大林組(JV)」 https://product.metamoji.com/gemba/eyacho/user/obayasigumi_jv.html
※4 株式会社MetaMoJi eYACHO導入事例「前田建設工業株式会社」 https://product.metamoji.com/gemba/eyacho/user/maedakensetu.html
※5 株式会社MetaMoJi「施工管理アプリ eYACHO」公式サイト https://product.metamoji.com/gemba/eyacho/
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【監修】eYACHO編集部

施工管理アプリ「eYACHO」は、タブレット1つで現場の記録・共有・管理を可能にし、施工管理から安全管理まで幅広い業務をサポートします。
本コラムでは、建設業界の課題解決やDX推進に役立つ情報や最新動向をお伝えします。

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