2026年度の選定会社からの学び

2026年度のDXセレクションでは、グランプリ1社、準グランプリ2社、優良事例8社の計11社が選定された。今回はグランプリを受賞したプーラビダ株式会社と準グランプリを受賞した三行合成樹脂株式会社を取り上げてみる。

2026年度のDXセレクション選定事業者一覧

プーラビダ株式会社は北九州市で訪問介護ステーションを運営し、フランチャイズで訪問介護ビジネスを展開している。従業員は26名である。DXの取り組む前は、経営は1200万円の赤字、離職率83.3%という深刻な危機状況にあった。

業界には特有の3つの壁があるという。一つは人材で1ステーションに少なくとの2.5 人は看護師がいなければならないので看護師獲得の壁がある。二つ目は業界が競争激化でレッドオーシャンになっているため、差別化やブランディングが必要であること。3つ目は報酬単価が国によって決められているので、利益を拡大するために必要なのは圧倒的な効率化であって、これらがDXに取り組みきっかけとなった。

Google WorkspaceとGeminiを使って社内ポータルの「ぽぽたくん」を自社開発し、看護師が月末の報告書作成と主治医への報告に3時間を要していた作業を8分で終わるように効率化した。

給与システム、勤怠管理などを自動処理できるようにし、経営情報を可視化して案件ごとのお利益管理を看護師全員と共有したり、社労士と共有したりすることが出来るようにした。

また、ストレングスファインダーを導入して、社員の強み・弱みを共有しボトムアップで組織が動く文化を醸成していった。

経営者の積極的な関与

その結果、離職率が劇的に減り2年間で一人の退職者しかでなかった。利益も毎年10%以上確保できるようになり、社員たちに臨時賞与も支給できている。何よりも大きかったのは看護師たちがデジタルに目覚めて、介護従事者向けに自主的に「Google活用講座」を開催するとか、自社開発してAIシフトアプリを医療関係機関に展開するなど業界の業務改善にも取り組んでいる。

プーラビダ株式会社(医療・福祉業)

準グランプリを受賞した三行合成樹脂株式会社は、新潟県見附市に工場を持つプラスティック製造業で従業員は110名の規模であるが、スマートファクリトリーを目指して生産現場の見える化や自動化に取り組んでいる。

品質が人依存であることに気づき、品質の改善と自前主義による内製化に取り組む業務DXから進めた。全社の業務システムを「GMICS」に一元化し、端末は自社開発、属人化した工程を分析して業務の標準化を進めた。

生産プロセス管理は専務が中心になって自社開発のPLCでデジタル化し、工場内に管制室を設けて、不良発生の早期対応や常時監視による歩留まり改善などを図った。

dxの取組プロジェクト―生産現場の見える化と工場管理の自動化

その結果として、現場担当者の若返りや、クレーム件数の減少などによる顧客満足度の向上、生産品質の向上によって要求の厳しい半導体や医療など新分野の顧客拡大に結びついている。

生産工場ではどこでも5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)を掲げているが、三行合成樹脂の工場を見学すると、金型の整理・整頓や工場の至るところの清掃が徹底していて、実に綺麗で気持ちがいい。

社長と専務が二人三脚で進めるDX改革は、工場全体に行き渡っているようだ。

三行合成樹脂株式会社(製造業)
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