【第5回】デジタルガバナンス・コードが意味するもの

DXがready状態かを判定する

先月締め切られたDXセレクションには応募されましたか?今年のチャレンジが難しいようなら来年に備えてください。

今回のコラムはデジタルガバナンス・コードについて解説しよう。デジタルガバナンス・コードは、経済産業省が2020年11月に、企業のDXに関する自主的取組を促すため、デジタル技術による社会変革を踏まえた経営ビジョンの策定・公表といった経営者に求められる対応を「デジタルガバナンス・コード」として取りまとめたものである。現在は改訂を重ねて、「デジタルガバナンス・コード3.0~DX経営による企業価値向上に向けて~」(2024年9月)が最新版になっている。
デジタルガバナンス・コード3.0は、DX経営に求められる3つの視点と5つの柱で構成されている。

デジタルガバナンス・コードの全体像「DX経営に求められる3つの視点・5つの柱」

経営の3つの視点とは、経営者が意識すべき根幹の考え方である。

視点①:経営ビジョンとDX戦略の連動
DXをIT部門の課題とせず、経営戦略そのものとして捉え、事業計画と一体化させること。

視点②:As is - To be ギャップの定量把握・見直し
現状(As is)と理想(To be)の差をデータで客観的に把握し、戦略を柔軟にアップデートし続けること。

視点③:企業文化への定着
DXを一時的なプロジェクトにせず、自律的に変革し続ける組織文化(風土)として醸成すること。

5つの柱とは実践すべき項目を示していて、これらを実行することで企業価値向上に結びつけるためのガイドラインを示している。

柱➀:経営ビジョン・ビジネスモデル
社会の変化を踏まえ、デジタル技術でどう価値を生むかのビジョンを示す。経営者は価値創造への投資であることを強く認識し、コミットメントを強化する。

柱➁:DX戦略の策定
ビジョン実現に向けた具体的なロードマップを公表し、戦略を練る。

柱➂:DX戦略の推進組織づくり、デジタル人材の育成、IT・セキュリティ基盤
これら3要素を整備する。特にセキュリティに関しては、近年のサイバーアタックの悪質化を認識して、サプライチェーン全体でのセキュリティ対策や第三者監査を受ける。

柱➃:成果指標・戦略の見直し
KPIを設定し、投資対効果や進捗を自己評価して次へ活かす。

柱➄:ステークホルダーとの対話
投資家や社会に対し、DXを通じた価値創造ストーリーを透明性高く伝える。

このコードに準拠していることが「DX認定」取得の要件になっている。「DX認定」はDX Ready状態(企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するための準備が整った状態)であること認定するものであり、公的な優遇措置(税制優遇や融資など)を受けるための実質的な基準にもなっている。ぜひデジタルガバナンス・コードに従って社内の経営環境を整えて、「DX認定」を取得してもらいたい。
デジタルガバナンス・コードを読むと、経営者がDXに対して主体的に取り組むことを求めており、ビジョンも戦略も成果目標も経営者自らが策定しなければならない。必ずしもデジタルに明るくなくても良いが、経営革新や事業変革にデジタルが持っている可能性や潜在力を体感で理解することや、セキュリティリスクが看過できないことなどを理解する必要がある。

実践の手引きの使い方

デジタルガバナンス・コードには実践の手引きが用意されている。DXを具体的にどう実行すればよいかを解説した「参考書・ガイドブック」であり、特に中堅・中小企業がDXに取り組む際のハードルを下げるため作成されており、理論よりも具体的なアクションと他社の成功事例に重点が置かれている。

具体的なDXの進め方

  • ペーパーレスなど身近なところからデジタル化に取り組む
  • 社内のデータを収集したり、活用したりして業務を効率化することに取り組む
  • 顧客との接点のおデジタル化や新サービスの取り組む
  • ビジネスモデルの変革と組織全体のDXに取り組む

事例の活用とDX認定取得の準備

実際にDXで成果を上げ、DXセレクションにも選定された中小企業の事例が写真や図表とともに掲載されているので、自社に近い業種・業態で規模も似ている事例から課題の解決手段などを学び取る。
自社の実践が進んで、DX Ready状態になったら「DX認定」のための書類申請の準備を始める。経営戦略やIT戦略が社外にも公表できるレベルであることが必要である。
手引きでは、自社だけで抱え込まずに「外部の専門家(伴走支援)」を活用することを推奨している。手引きを共通言語として、商工会議所や金融機関、ITベンダーと相談の土台にすればよい。この伴走の仕組みについては次回のコラムで解説する。

デジタルガバナンス・コード3.0と実践の手引きは以下からダウンロードできるので、社内で共有して参照してもらいたい。
デジタルガバナンス・コード3.0
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dgc/dgc3.0.pdf

実践の手引き
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dx-chukenchushotebiki/dx-chukenchushotebiki_2025.pdf

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