【第4回】DX認定取得とDXセレクションへの挑戦

DX認定制度について

前回のコラムで、中堅・中小企業等のDX推進の優良企業を表彰するDXセレクションの次年度応募要領が公開されたことをお知らせした。引き続き制度についての解説や要点などをお知らせしたい。
コラムの最初に紹介した、推進支援事業の全体像を振り返ってみよう。


DX推進の段階を示す図。中堅・中小企業向けにはDX SelectionやDX推進指標、DX認定があり、大企業向けにはDX銘柄があることを説明している。

経済産業省HPより(https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/dx/dx.html)


DXの取り組みは段階的に進めるのが良い。経営ビジョンやDX戦略が整い、デジタル環境もデジタイゼーションからデジタライゼーションに進んだら、DX認定を受けてみる時期になる。 DX認定制度は、「情報処理の促進に関する法律」に基づき、「デジタルガバナンス・コード」の基本的事項に対応していてデジタルによるビジネス変革の準備が整っているDX Readyの企業を国が認定する制度である。独立行政法人情報処理推進機構(以下、IPA)が、本制度に関わる「DX認定制度事務局」として、各種相談・問い合わせ対応及び認定審査事務を行っている。

DX認定制度の流れ

申請は年間いつでも可能であるが、申請から認定取得まではおおよそ60営業日を要することを知っておいた方がいい。
申請方法は IPAのウェブサイト(DX 推進ポータル)から申請することになるが、DX 推進ポータルの利用には、「G ビズ ID」の事前取得が必要となる。

また、認定の適用期間は 2 年間で、2 年ごとに更新申請を行う必要があることも理解しておく必要がある。 認定が承認されると、DX認定のロゴマークを使うことができ、自社のWebサイトや名刺に表示することができる。 DX認定を受けるメリットは、会社のステイタス向上とリクルートに役立つことだと多くの経営者が口にする。デジタルネイティブと呼ばれる若い人たちはデジタル化に敏感で、DX認定会社を好むことは間違いない。

DXセレクションについて

「DXセレクション」とは、デジタルガバナンス・コードに沿った取組を通じてDXによる成果を創出している、中堅・中小企業等のモデルケースとなる優良事例を経済産業省が選定するものであり、2022年より実施している。優良事例として地域内や業種内での横展開を図り、中堅・中小企業等のDX推進の取組及び各地域でのDX推進の取組を活性化することを目的としているので、さらに会社のステイタスが上がり、リクルーティングに役立つことは言うまでもない。
2026年度の申請期間は2025年12月1日から12月22日18時までとなっている。申請には自薦と他薦がある。DX認定が取得できていると自薦での応募が出来るが、未取得の場合は取得の準備をして関係期間の他薦によってのみ応募ができる。先にDX認定を受けていると申請や審査は圧倒的に有利になる。2026年度から業種が拡張され、医療法人や学校法人、財団法人、社団法人、特定非営利活動法人(NPO)にも適用されることになった。

DXセレクション応募要件

申請はDX認定と同様に、DX推進ポータルから行う。申請要領は経済産業省のDXセレクションのサイトからダウンロードができる。 ※応募要領(https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dx-selection/dxselection2026oboyoryo.pdf)

DXセレククションへの挑戦の勧め

社内のDXのレベルが進んでいないと、DX認定を受けたりDXセレクションに応募するのは少し敷居が高いかもしれない。 社内のデジタル環境が整い、経営トップがDXに取り組む経営ビジョンや戦略が出来たら、DX認定を受けることをお勧めする。DX認定にもDXセレクションの応募にも重要なポイントがある。それはデジタルガバナンス・コードをよく理解し、準拠することである。 デジタルガバナンス・コードについては次回詳しく解説するが、経済産業省が2020年11月に、企業のDXに関する自主的取組を促すため、デジタル技術による社会変革を踏まえた経営ビジョンの策定・公表といった経営者に求められる対応を「デジタルガバナンス・コード」として取りまとめたものである。改訂を重ねて、現在は「デジタルガバナンス・コード3.0~DX経営による企業価値向上に向けて~」になっている。DX認定の選定基準にもなっているので、熟読をお勧めしたい。 ポイントとなるのは3つに視点と5つの柱である。

また中小企業向けに「デジタルガバナンス・コード実践の手引き2.1」が用意されているので、取り組み事例などを参考にするとビジョンの策定や戦略を立てやすいと思う。

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