導入事例【自治体】
青森県 弘前市役所 様
幹部会議のペーパーレス化を実現して
紙の使用量とコストを大幅に削減、情報共有やプレゼンにも活用
史跡 弘前城跡である弘前公園(青森県)は、桜の名所として全国に名を知られています。その弘前公園に隣接して建つ、レンガの美しい建物が弘前市役所です。弘前市役所では幹部会議のペーパーレス化を主目的としてMetaMoJi Share for Businessを導入しました。会議資料に使われる紙の使用量とコストの削減を実現しただけでなく、会議の質の向上、幹部会議以外での活用と、大きな成果を上げています。
タッチデバイス上で快適に手書きができるMetaMoJi製品の導入を決定
弘前市役所がペーパーレス会議の導入に動き出したのは、平成26年(2014年)の秋でした。紙の使用量の削減は大きな課題であり、ペーパーレス化をもっと推進するには紙の会議資料を減らすことが有効と考えたためです。平成27年度(2015年度)にペーパーレス会議システムを検討して予算化し、平成28年度(2016年度)にMetaMoJi Share for Business(以下、「MetaMoJi Share」)を導入しました。
ちょうどこの頃、弘前市役所では業務で使うコンピュータの更新時期を迎えていました。それを機にタッチディスプレイが使えて持ち運びにも適したデバイスにしようと、平成27年度(2015年度)以降にSurface Proの導入を進めました。そのため、ペーパーレス会議システムはSurface Proで動作することが必須条件でした。
システムの検討を進める中で、弘前市役所 財務部情報システム課 情報化推進係主事の藤田悠斗氏や同課のほかの職員は、すでに使っていたMetaMoJi NoteでPDFに手書きで快適に書き込みができることに目をとめました。MetaMoJi Noteに会議機能が付加されたMetaMoJi Shareが、資料を簡単に共有できることも決め手となり、採用されることとなったのです。
弘前市役所 財務部情報システム課 情報化推進係主事 藤田悠斗氏
簡単な操作で使えるペーパーレスの幹部会議を実現、紙の使用量を大幅に削減
平成28年度(2016年度)の導入以降、MetaMoJi Shareは主に月に2回の幹部会議で使われています。1回は約20人が出席する課長クラスの会議、もう1回は約30人が出席する市長・副市長・部長クラスの会議です。
会議の出席者は、市役所に導入済みのSurface Proをすでに使っていること、またほとんどの人が日頃スマートフォンなども使用していることから、簡単な説明を受けるだけで操作に戸惑うこともほとんどなかった模様です。タッチ操作で快適に操作できることや、細かい文字の資料を拡大して見られることなどが、出席者から喜ばれているそうです。
Shareを使った会議の様子
ペーパーレス会議の導入により会議の質も向上
幹部会議をペーパーレス化した効果はすぐに現れました。導入の翌年度である平成29年度(2017年度)には、会議資料の紙が約14,000枚、紙代とトナー代で約142,000円の削減となりました。会議資料の準備に伴う工数の減少も見逃せません。資料の集約、プリント、製本に毎回3時間程度はかかり、事務局職員が残業することも多くありましたが、その負担がほぼなくなっています。資料の修正や差し替えも簡単にできるようになりました。
ここに挙げた削減実績の数字は、幹部会議のみのものですが、実は後述するようにMetaMoJi Shareは幹部会議以外にも活用されていて、さまざまな場面で紙の使用は大幅に減っています。
弘前市役所の幹部会議では、発表者が資料のページめくりなどの操作をすると出席者全員の画面がそれに追随するモードを多用しています。このため、出席者はほとんど操作をする必要がなく、資料のどの部分について話されているかを見失うこともないので、議論の内容に集中できるようになりました。
また、幹部会議のメンバーから特に好評なのが、MetaMoJi Shareのレーザーポインタツールです。これは、一般的なプロジェクタのスクリーンをレーザーポインタで指し示すのと同じように、資料に書き込みを残すことなく画面上で該当箇所を指し示すことができるツールで、議論を効果的に進めることができます。
さらに藤田氏は、「MetaMoJi Shareの導入後は、資料の質が明らかに変わりました」と言います。以前はなるべく少ないページ数でプリントするために、箇条書きでびっしりと書かれたワープロ書類のような白黒の資料が主流でした。MetaMoJi Shareを使えばページ数を気にする必要がないので、プレゼンテーションのスライドのように1ページの文字量が少なく、効果的に色を使って、図表なども配置された、わかりやすい資料が作られるようになったそうです。これも会議の質の向上に役立っています。
情報共有やプレゼンなどにも積極的に活用
ペーパーレス会議システム導入の主な目的は幹部会議でしたが、導入後はほかにもさまざまな用途で使われています。
財政関連の部署では予算編成作業に使用するようになりました。各部署からの要求の書類をMetaMoJi Shareで開き、担当者が査定して直接手書きで金額の修正などを書き込みます。その後、査定結果を各部署に説明する際にも、MetaMoJi Shareを使います。
人材育成課では、幹部を対象とした人事異動の内示を説明する際にMetaMoJi Shareで書類を共有するようになりました。
さらに、高校生や大学生を対象としたインターンシップにも活用しています。インターンにSurface Proを渡し、MetaMoJi Shareの画面を見せながらプレゼンテーションをします。インターンの学生たちは「先進的ですごい」と驚いた様子を見せるそうです。
藤田氏は「せっかく導入したシステムですので、私たち情報システム課や、ほかにもさまざまな部署が、何かに使えないかと考えています。その結果、このようにいろいろな用途で使うようになりました」と語ります。
機密保持の上でもペーパーレス化には優位性がある
機密保持に関しても、MetaMoJi Shareの導入には利点があります。たとえば幹部会議の資料のプリントは、会議終了後は出席者各自が持ち帰って保管していたため、管理の煩雑さや紛失等のリスクがありました。人事異動の内示なども公開されるまでは機密情報であり、部外者に万一見られたりしては困ります。
MetaMoJi Share導入後は、資料はすべてサーバー上にあるため、その資料へのアクセス権のあるアカウントでログインしない限り閲覧できず、紛失のおそれもありません。所定の期間が過ぎると資料をサーバーから削除して、さらに安全を図っています。
機密情報を扱うため、MetaMoJi Shareの動作に必要なサーバーはオンプレミスで構築しています。
さらに利用シーンを広げていきたい
弘前市役所では、今後もMetaMoJi Shareの利用を広げていきたい考えです。
「庁舎内ではWi-Fiと有線LANが混在していますが、今後は庁舎全体でWi-Fiを整備し、どこにいてもMetaMoJi Shareを使った会議や打ち合わせができるようにしたいと考えています。そうすれば、ペーパーレス化や生産性の向上がさらに進むでしょう」(藤田氏)
また、弘前市役所には、本庁舎まで車で20分ほどかかる別の庁舎もあります。MetaMoJi Share上の資料は離れた庁舎ともすでに共有できるようになっているので、これをベースに今後は離れた庁舎からも会議に参加できるシステムの構築を検討していきたいとのことです。
写真左より、弘前市役所 財務部情報システム課 課長 工藤 浩氏、 同課 主幹兼情報化推進係長 伊藤 靖記氏、 同課 情報化推進係 主事 藤田 悠斗氏