導入事例 02
倉敷レーザー株式会社様
営業マンの「一度持ち帰ります」を大幅削減!
移動時間減らし納期の大幅短縮を実現
倉敷レーザー株式会社(岡山県倉敷市)は、倉敷本社を中心に国内6箇所に営業拠点を持つ精密板金加工メーカー。あらゆる業種の「こういうものが欲しい、作ってもらいたい」に対応する物づくりの会社です。同社5ヶ年の中期計画の一環として、営業部門の効率アップを狙い2018年にGEMBA Note for Business(以下「GEMBA Note」)を導入、移動時間のロスを大幅削減し納期短縮に繋げています。GEMBA Note導入から2年となる同社にお話を伺います。
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営業の移動時間を 「どこでもドア」のように解消したい
2017年、倉敷レーザーでは5ヵ年の中期計画をスタートしたところでした。世間では働き方改革が叫ばれ残業が取り沙汰されていましたが、難波社長は「働き方改革で残業ゼロを目指すのではなく、新しい価値を創出しないと意味がない。新しい価値を生み出すために、チャレンジをしよう」というメッセージを社員に向けて発信したと言います。
板金加工に必要なCADデータがメーカーから提供されることはほとんどないため、商談や打ち合わせは紙ベースの図面を元に行われます。顧客の細かな要望や図面から変更する内容が技術的に可能であるかなどを技術部門に確認し、合意した仕様に基づいてCADデータ化・製造に移りますが、複雑な形状のものを扱うことも多い同社では、電話等では確認が難しく持ち帰りとなるケースが多かったと言います。片道2時間かかるような顧客も多く、営業の移動時間が大きな時間のロスになっていました。営業部門の効率を上げるには移動時間を "どこでもドア" のように解消したいと考えていたと言います。
最初は「タブレットPCなどでメモ帳を使って顧客と社員が画面を共有して打ち合わせができないか考えていた」と言います。その頃に出向いた展示会でeYACHO(※)のデモを見た難波社長は「建設業に特化されているが、やりたいことが網羅されていた。方向性は一致していたので、すぐにテスト運用を開始した」と当時を振り返ります。
※eYACHO:GEMBA Note for Businessをベースに建設現場向けに特化したMetaMoJiの建設現場向け業務アプリ
「シェア機能はもちろん、いろんなフォーマットを自分たちで作って展開できる。営業だけでなく製造現場でも使えるんじゃないか。あんなこともこんなこともできる、と頭の中で様々な分野に展開ができた。これを使っていかないと、これからの時代やっていけない」と営業部門約50人に導入。業務改善に大きな効果が出ています。
営業が戻らなくても、 GEMBA Noteで仕事は進む
同社は大きく分けて、客先から図面を預かり社内工程に繋ぐ営業部門と、図面を元に金属を加工する製造部門からなります。「営業は、お客様から図面を受け取り、細かな要望を聞き取り、正確に指示を出して社内の現場(製造工程)に繋げるのが仕事。紙には書けても物理的に無理なものになっていないかなどを現場と話し合って、お客様の要望を叶えるためにはどういう形状にするのが良いか検討・提案しながらより良いものを作っていく」(伊丹氏)
以前は、営業が客先に出向き、図面を受け取り打ち合わせをし、図面を持ち帰り社内でCAD化し製造するという流れで、打ち合わせをして「一度持ち帰ります」が当たり前だったと言います。「担当エリアには片道2時間かかる場所も多く、営業が会社に戻った時にはアシスタントや技術の人はおらず翌日に持ち越しになる。出張が1泊2泊となればその間図面を寝かせることになっていた」(大森氏)県内の業者なら図面を出して2日後納品が可能であるようなものが、遠方だと図面を持ち帰る時点で大きなロスになっていました。
GEMBA Note導入後は、顧客から受け取った図面をその場でスキャナで取り込み(営業は小型のスキャナを携帯)ヒアリング内容をその場で書き込み、GEMBA Noteでシェアします。単純な形状の部品の場合は営業はわざわざ戻らなくても、見積もりや受注、CADデータの作成から加工製造まで、アシスタントが一気に進めてくれます。
複雑な図面など社内で確認が必要な場合は、GEMBA Noteに書き込めばアシスタントが社内確認をしてフィードバックを書き込みます。なお書込時には、営業・事務所(アシスタント)・現場(開発技術・製造)でペンの色を変え、どの部門の書き込みかが見てすぐわかるように工夫して運用しています。
「紙図面を用いて離れたところで説明をしようとすると細かい部分の説明が(どこを示しているかの説明が)難しいという問題がGEMBA Noteで解決した。共有した図面は拡大もできるし、示す箇所も正確に伝わる。相互の要望をペンで書き込み、お互いに理解しながら進められるようになり、非常に効率がよくなった」(岩田氏)
「1ヶ月におよそ2万アイテムの受注があるため、扱う図面は1日100枚にも200枚にもなる。簡単な形状の切断ものはある程度の経験があれば寸法や板厚などを打ち合わせるだけでできてしまうので、GEMBA Noteを使用するのは現段階では受注全体の3割ほどだが、紙資源の削減と効率アップに繋がった」(岩田氏)
「加工範囲外(加工が不可能であるもの)をどう伝えるかという点も非常に難しく、説明のために常に大量の紙資料を持ち歩いていたが、GEMBA Note導入後(すべてGEMBA Noteに入れられるので)持ち歩く荷物も減った」(伊丹氏)
GEMBA Noteの導入により、その場で遠隔地と同じ図面に対して確認や書き込みができるようになり「一度持ち帰る」が劇的に減り、営業の移動時間を大きく削減しました。そしてあらゆる資料がデジタル化され一箇所にまとまっていることで準備にかかる時間の削減や持ち物の削減・紙コストの削減にも繋がっています。
図面の他に、チェックリストなどの帳票もGEMBA Noteに入れています。納品は切板状態か、曲げまでか、完成品か。溶接は当社か先方か。客先によって加工内容が変わるため、この図面についてはどこまですれば良いかという打ち合わせ内容を正確にチェックできるよう帳票にしています。紙ベースであったものをそのまま使用し、要望を空欄に書き込み「そのまま」営業アシスタントや現場に伝えます。また、複数の見積もりがあることも多く、すべて記録として残していると言います。
そして納品後にも有用な点として「打ち合わせしていた内容の認識に相違があった(お客様が望んでいるものではなかった)場合、以前は電話の内容だけで、"どこが不具合なのかわからないがとにかく直さないといけない" ということもあったが、今はGEMBA Noteにすべての資料がまとまって残っているので、担当営業が出ていても動き出すことができる。アシスタントが "この図面の案件が不具合が生じてますよ" と図面を入れてくれるし、図面や打ち合わせの内容はすべて確認できる。担当が客先に着いたら写真を撮影して共有、社内外が連携して原因を特定し、すぐに作り直しもできるようになった」(大森氏)点を挙げています。
「営業は外に出るのが仕事で、中の事務処理はアシスタントが担当する。営業が会社に戻らなくても社内調整が必要なことはアシスタントが繋ぐので、アシスタントの仕事をスムーズにするためにGEMBA Noteがあると言ってもいい。図面が完成すればCAD化・見積もり・受注・生産管理へもアシスタントが指示を出すようになっているので、結果として納期の短縮にも繋がっている。営業マンは出張からいちいち帰ってくることはない。いったん帰るということが減れば、明日回るはずのところに今日回れたり、違うエリアを回れたりする。営業がいちいち帰らなくてもGEMBA Noteで処理はどんどん進むからキリキリ働いて欲しい」(大森氏)
「営業は3年でやっと一人前」が 変わる
1ミリの違いで加工できる・できないが変わるため図面一件一件に対しての判断が必要であり、加工の知識が少ない新人営業には判断が難しい精密板金業界において「営業は3年でやっと一人前と言われ、"持って帰ります・現場に聞きます・上司に聞きます" が多かったが、GEMBA Noteでそれを解消できる」(難波社長)と考えています。
GEMBA Noteでのやりとりを実際に体験すると「たとえ担当が新人でも"GEMBA Noteで繋がっていれば(ベテランの)あなたと打ち合わせできる" と理解し、安心してもらえる」「会社見学の際に "GEMBA Noteを使って現場の責任者と直接打ち合わせをしていますよ” と言えばお客様の安心感が違う」と言います。
「GEMBA Noteでベテランの社員とお客さんの打ち合わせを聞き、どういう話をするのか、実際の現場のやりとりをリモートで聞いて勉強するなど、新人教育に使用している」(ひとりで営業に出ても)「"客先で行き詰まっても熟年の先輩社員と繋ぐことができる"という安心感があるので、自信を持って対応できる」「仮に行き詰まっても、GEMBA Noteでスムーズに解決できるので、お客様にも満足な結果に繋がる」ため安心して新人を現場に向かわせることができます。
「初めてGEMBA Noteを見た時は、お客様が納得して活用してもらえるか不安要素があったが、実際使ってみると使い勝手が良くお客さんとのやりとりもスムーズになった」(岩田氏)この業界には年配の方も多く、パソコンが苦手な人も多いが、(我々がGEMBA Noteを使って説明などをするのを見て)”こうなっていくのかなぁ”と最先端なもののように感じているようだ。また、間違えないように製造する、という点では、”GEMBA Noteが入ると間違いがない”という安心感に繋がっているように感じる」(伊丹氏)「新人の対応が難しいお客様の場合、お客様のところでGEMBA Noteを開いてもらって責任者が対応するといったこともできるようになった」(岩田氏)
「訪問自粛が必要なお客様には(2020年春は新型コロナウイルスによる緊急事態宣言を受け訪問自粛の会社が多数あった)ゲストユーザーでログインして利用してもらえるようにした」など、着実に活用場面を増やしています。
「GEMBA Noteの利用が進むとお互いに効率が上がるので、業界全体で利用が進むといい。しかし導入のハードルが高い業界であることも確かなので、我々がGEMBA Noteの説明をしなくてもいいくらい有名になって欲しい」(大森氏)と言います。
GEMBA Note で 変わるかは 発想力次第
「我々の業界は紙ベースの古い業界だが、例えば見積や指示書をアナログでやっているところはない。GEMBA Noteが、すでにデジタル化されている基幹システムと連動して何かができるとなれば加速度的に広まっていくだろう」とMetaMoJi・GEMBA Note へ期待を語る難波社長は、「その業界の中で我々は先行してGEMBA Noteを導入し業務改善を進めてきた。もうしばらく同業者には気付かずにいて欲しいくらいだったけど」と笑いながら続けます。
「GEMBA Noteは本当にいい。しかし使い方は発想力によるところが大きい。使い方に先入観を持たず、それぞれの企業が "これに使える、あれに使える、これをプラスしたらこんなことまでできる" と拡げていかないともったいない」
「我々の事例は効率改善に繋がっている。自身のメリットも大切だが、実際喜んでくれているお客様がいることも大切。このやり方でないとダメではなく、これまで通り訪問して Face to Face でやるのも大切だし、GEMBA Noteのようなやり方もありますよと、お客様が知らないことも提案していければと思う。生き残りをかけた時代、我々と関わるところに生き残って欲しい」と言う難波社長の言葉に、業界の変革をリードしていく力強さを感じました。
*お話を伺ったのは
倉敷レーザー株式会社
代表取締役社長 難波 慶太 様
中四国・関西エリア統括 部長 大森 文仁 様
本社営業部 営業二課 主任 岩田 義弘 様
本社営業部 営業三課 主任 伊丹 雄作 様