vol.01

MetaMoJiの新アプリは

システム手帳の

『超進化型』

MetaMoJiから新アプリが登場。大林組と共同で開発したeYACHO(e野帳)で培った『GEMBA(現場)コンセプト』を活かして、手帳にこだわるコンシュマー向けの『デジタル版のシステム手帳』とも言うべきアプリを開発した。

TEXT:T.MURAKAMI 村上タクタ

INFORMATION:MetaMoJi https://product.metamoji.com/gemba/gembanote/

flick! (フリック!)

枻出版社が発行するデジタルガジェット情報誌「flick! (フリック!)」で、MetaMoJi Noteの連載が掲載されています。

※このページは、2015年12月10日配信の『flick!』から抜粋しています。

仕事の『GEMBA(現場)』で実践的に使えるノートとして『GEMBA Note』を発表する浮川和宣社長。現在ベータ版で、製品版は2016年第1四半期を予定。

たとえば、あなたが紙の手帳を使っていたとして、その手帳に書いた予定をGoogleカレンダーと同期したりできるだろうか? 同じ予定を、見開き1カ月で見たり、1週間で見たり、1日を1ページに展開したり……といろいろ切り替えながら使うことができるだろうか? 手帳の出張予定のところにウェブの時刻表サイト自体を貼り付けておくというのは? 手書きメモを取っていたとして、メモを見る時、同時に音声を再生したりできるだろうか? 手帳にカタログを丸ごと何冊も貼り付けてしまうというのは? ノートのいろんなところにメモしておいたタスクを一覧で見ることはできる? ……GEMBA Noteなら、これらが全部可能なのだ。まさにタブレット時代の魔法のシステム手帳だといえるだろう。

自由度の高い手描きや、手書き文字変換、MetaMoJiクラウドによる同期などの基本機能はMetaMoJi Noteをベースとしているが、『超機能ノート』として活用できるように、根幹のコンセプトから練り直されている。

GEMBA Noteに大きな影響を与えたのが、MetaMoJi Noteをベースに、建設大手の大林組と協業して開発された『eYACHO』。これは、大林組が、建設現場で使っている『野帳』というものをデジタル化するべく開発された。『野帳』とは、耐久性に優れた小さな手帳で、現場監督は、工事現場に入る各業者のスタッフの出欠や、修正、調整すべき場所の取りまとめ……など、すべてのメモをこの手帳に取る。が、大林組では現場監督をするすべてのスタッフにiPadを渡すデジタル化がすでに進んでおり、大林組の現場で最も実用的に使われているアプリがMetaMoJi Noteだったことから、MetaMoJi Noteをさらに現場(GEMBA)のスタッフが便利な仕様に開発することになったというワケだ。

その結果、日付機能や、表計算ソフトなどの機能が非常に便利であることがわかった。

それらの機能を取り入れ、一般コンシュマーが便利に使える機能をどん欲に取り込んでいったのが、現在のGEMBAノートというわけだ。

右:建築現場で使われる『野帳』。その進化型としてeYACHOが使われるようになるためには、何が必要なのか? 徹底的に検証されたという。

左:発表はMetaMoJiの社内で、ごくわずかなジャーナリストを呼んで行われた。発表されたのはまだβ版だが、今度の進化が楽しみだ。

MetaMoJi Noteと共通の部分も多いが、右側のツールボックスなど、便利な新機能も多い。

「我々は新しい機能をどんどん追加したいんだけれども、機能が増えると複雑になる。するとベテランしか使えないアプリになってしまう。常にそのジレンマがあったんですが、今回は手帳機能をとことん使うユーザーさんのために、制限をかけずに機能を盛り込みました。」というのは、MetaMoJi代表の浮川和宜社長。

もちろん、テンプレート機能の追加などで、複雑な機能をシンプルに装備する工夫はされている。しかし、今回のGEMBA Noteは『手帳マニアの方にも満足いただくための超高機能アプリ』ということだ。

同社のノートアプリの 『手書き』がとても書き心地がいいのは、AppleやGoogleが提供するAPIで足りない部分でも、マシンに近い、深いレベルでのプログラミングが可能な技術力があるから。その同社が『本気を出した』究極のノートアプリ。現在手帳で行っていることを置き換える以上のことができるはずだ。

左:機能について説明するMetaMoJiの津田恭輔さん。手帳としてカレンダーの機能は充実しており、従来のMetaMoJi Noteとは一線を画す多機能さだ。

右:GEMBA Noteの機能を集約した1枚。使いこなせばタブレットも印象が変わるアプリケーションだ。

Point.01

日付管理が可能。iCloud、グーグルなどのカレンダーを取り込んで扱える

最大の特徴のひとつが日付連動でカレンダーを扱えるということ。しかもそのカレンダーにiCloudやGoogleカレンダーを表示できるのだ。また、このアプリから書き込んだりすることもできる。

カレンダーのフォームは、月や、週、日……のものが用意され、さらに『今日から6週間』という設定も可能だ。上から手書きで線を書き込んだりできるのも便利で、空いてるスケジュールのところにマーキングをしたり、仮予定を書き込んでおいたりと、とっても便利に使えそうだ。

1枚のノートの上に、月、週、日を呼び出すことができる。従来システム手帳だとリフィルを購入しないとできなかったようなことが、いとも簡単にできてしまう。

月のカレンダーを拡大したところ。日付の予定の中に、さらにその日のノートへのリンクを貼ることができる。

入力も可能。一般的なカレンダーアプリのように、日付、開始時間、終了時間、カレンダー……などを入力できるとのこと。

Point.02

PDFや写真などを、1枚の書類に多数貼れる

「手書きのノートの方が便利」という人が多いが、手書きノートでは絶対にできないようなことが出来てしまうのもGEMBA Noteの便利さだ。GEMBA Noteはノートの中にPDFを貼り付けることができる。まるごと表示するわけでなく、サムネールとして表示し、クリックしたら内容が展開されるようにもできるので、ノート自体がゴチャゴチャになることもない。

写真も同じ場所に複数枚を貼ることができる。まるで、4次元ポケットのようにノートの一部分に大量の写真やPDFを入れ込んで活用できる。今のMetaMoJi Noteでも、PDFや写真などの情報を盛り込んでいくことができる。カタログやスケジュールなど資料にも入力できるので、大量の資料を見やすいように整理整頓することもできてしまう。

たとえば、調査をする時に、さまざまな資料を集めるような状況。1枚のノートにさまざまな資料を貼って分類しておけばとても分かりやすい。

そのPDFをクリックしたら、中身を展開して見ることができる。普通のノートをとっても高機能なスクラップブックのように使えるわけだ。

特定のスペースに、写真をiOS側から引っ張って来て貼ることができる。狭いスペースに複数枚貼って、クリックで展開させることも可能。

Point.03

簡易な表計算機能も内蔵。そのまま書類に

エクセルのような表計算機能も内蔵している。それほど高機能なわけではないが、合計や平均など一般的な計算は可能だ。それら表組みを自由に構成できる機能を使って、誰でも書類フォーマットを作ることができる。フォームの中にウェブサイトを貼ることさえできる。

セルに、選択肢を埋め込んだりすることもでるし、ウェブサイトを貼ったりもできる。この交通費精算書類の右には、電車賃を調べられるウェブサイトが貼ってあり(緑の部分)、金額も調られる。

フォームにはチェックボックスや、数字や文字の入力フィールドの他、日時、日付、写真などのフォームが用意される。

表計算の機能としては、簡単な関数が用意され、合計や税計算、平均値を求めること……などが可能となっている。

Point.04

音声の収録も可能

メモを取りながら、録音することもできる。メモの該当部分を選択すれば、その時の音声が聞けるので、長いインタビューでも必要な場所を簡単に探すことができる。授業のノートを取ったり、議事録を取ったりする時にとっても便利な機能だ。

Point.05

書類全体のToDoも俯瞰できる

テキストや写真、表計算などすべての要素にToDoのチェックボックスを貼ることができる。このチェックボックスは書類全体を通して見ることができるので、タスクを管理するのにとっても便利な機能だ。

Point.06

多機能をツールボックス切り替えでシンプルに

どんどん増える機能を、使いやすくするための新しい提案が、画面右側に出る『ツールボックス』だ。ツールボックスの中には、5種類のペンのセットや、写真、表計算、などのフォーマットを入れておくことができる。これにより、たとえば経費精算をする時にはこの入力方法とか、イラストを描く時にはこれとか、原稿に赤字を入れる時に……とか、プリセットを選ぶことができる。

ツールボックスを編集することで自分好みのツールボックスを作ることができる。行っている作業によって切り替えると便利だ。

『ツールボックスの編集』から、ツールボックスの並び方や、選択肢の有無などを自由に選択するメニューを出すことができる。

ツールボックスはタブで自由に切り替えることができる。たとえば『出張報告書用』『企画書用』などで選択するといった具合に。