立会検査が終わったあと、事務所に戻って報告書を清書する。写真を整理し、計測値を転記し、押印をもらいに走る。この「後処理」に追われた経験は、現場担当者なら誰しも覚えがあるはずです。
本記事では、立会検査の報告書をリアルタイム作成し、後処理をできる限りゼロに近づける考え方と具体的な進め方を解説します。単なる効率化の一般論ではなく、現場で写真・計測値・図面・指摘・承認を1枚に集約する実務、受発注者がその場で確認・承認する方法、さらに遠隔立会への広がりまで、実際の運用と制度に沿って掘り下げます。
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立会検査が終わったあと、事務所に戻って報告書を清書する。写真を整理し、計測値を転記し、押印をもらいに走る。この「後処理」に追われた経験は、現場担当者なら誰しも覚えがあるはずです。
本記事では、立会検査の報告書をリアルタイム作成し、後処理をできる限りゼロに近づける考え方と具体的な進め方を解説します。単なる効率化の一般論ではなく、現場で写真・計測値・図面・指摘・承認を1枚に集約する実務、受発注者がその場で確認・承認する方法、さらに遠隔立会への広がりまで、実際の運用と制度に沿って掘り下げます。
立会検査とは、発注者の監督職員などが施工現場に立ち会い、施工状況や品質管理の実施状況、出来形、使用材料などが設計図書や施工計画どおりに施工されていることを確認する検査です。主に、コンクリート打設前の配筋確認や埋設前の施工確認など、後工程で確認が困難となる工程の節目で実施されます。また、発注者が現地で確認を行う「臨場」に代えて、映像などを活用した遠隔での立会が認められる場合もあります。 (※1)。
立会検査報告書は、その確認結果を記録し、関係者間で共有するための書類です。検査項目、計測した数値、現場写真、指摘事項、是正の確認、そして承認印まで、多くの要素を一枚にまとめる必要があります。後日の認識違いを防ぐ証拠でもあるため、正確さと網羅性の両方が求められます。立会いの場では、説明する人・記録する人・写真を撮る人と役割が分かれることも多く、口頭でやりとりした内容を後から正確に再現できないと、記録漏れにつながります。
問題は、この報告書づくりが「現場のあと」に集中しがちな点です。現場ではPCが使えないため、紙の野帳やメモに走り書きし、事務所に戻ってからExcelやWordに清書する流れが一般的でした。カメラから写真をPCに取り込んで台帳に貼り直し、読み上げた計測値を手入力で転記します。この現場と事務所間の往復と転記こそが「後処理」の正体であり、現場監督の残業を押し上げる大きな要因となっています。
さらに建設業では、2024年4月から時間外労働の上限規制が適用され、原則として月45時間・年360時間が上限となりました(※2)。「現場が終わってから事務所で書類を作る」という働き方を続けたままでは、この基準を守るのは容易ではありません。こうした後処理を大幅に削減し、持ち帰り作業を減らすことが、いまや経営課題になっています。
後処理ゼロを実現するポイントは、検査中に報告書を完成させることです。現場で結果を直接デジタル帳票へ入力することで、事務所に戻ってからの転記作業が不要になります。立会検査報告書をリアルタイムで作成し、事務所に戻る前に提出できる状態にしておくことで、報告業務を大幅に効率化できます。
これを実現する鍵は、立会検査特有の「写真・計測値・図面・指摘・承認」を一つの画面にまとめられるかどうかです。施工管理アプリ「eYACHO」は、紙の野帳と同じ感覚の手書き入力に加え、写真貼り付け枠と入力欄を備えた帳票を現場で扱えます。会社で長年使ってきたExcelの検査帳票を取り込み、見た目そのままのデジタル帳票として使える点も、立会検査の現場に向いています。
計測値の扱いも後処理を生む要因の一つです。eYACHOはスタンダード版以上で計測機器とのBLuE連携に対応し、レーザー距離計や温湿度計などの測定値を帳票へ直接取り込めます。読み上げた数字を手入力で転記する作業がなくなり、立会検査につきものの読み取りミス・転記ミスを抑えられます。手書きが必要な箇所は、建設・土木・設備の用語を約4万語収録した建設mazec(手書き入力システム)で、専門用語もそのまま入力できます。
eYACHOでは図面の照合も同じ画面で完結します。PDF図面に直接ペンで書き込め、指摘箇所や是正指示をその場で残せます。さらに、入力した値を他の帳票へ転記することもできるため、検査日や工事名といった共通項目を一度入力すれば、関連する書類に反映できます。図面への書き込みと転記機能により、現場でのメモ・写真・記録を一つのフォームに集約できるため、事務所での清書という工程そのものが消えていきます。
現場での立会検査報告書作成をさらに価値あるものにするのが、「リアルタイム共有」です。立会検査では、検査する側と検査される側が同じ数値・同じ写真を見られることが重要です。今まさに作成している報告書をリアルタイム共有できれば、受注者が記入した出来形の数値を、発注者側が同じ帳票上で確認し、検測した結果と突き合わせることができます。後から確認や修正が発生しにくく、報告書作成にかかる作業工数の削減につながります。
eYACHOのShare(シェア)機能は、同じノート・図面・帳票に複数人が同時に書き込めるリアルタイム共有の仕組みで、現場と事務所が同じ紙面を見ながら作業できます。気づいた点はその場で書き込み合えるため、検査後に「言った・言わない」が生じにくくなります。誰がいつ何を書いたかは記録として残るので、後追いの確認にも役立ちます。
承認まで現場で進められるのも特徴です。eYACHOでは、是正指示や検査結果を記載した帳票について、現場責任者や発注者へ承認の申請・確認を行うことができます。検査が終わってから承認印をもらいに走る、書類を送り返す、といった往復が減り、提出までの時間が短くなります。
なお、eYACHOの図面の同時編集では、書き込んだ内容がリアルタイムに反映されます。複数の担当者の指摘をレイヤーで分けて管理でき、全体指示と個別メモを切り分けられる点も、立会検査の指摘整理に向いています。同じ紙面を全員で共有するという発想が、報告書をその場で完成させる土台になっています。
立会検査はいま、現地に行かずに行う「遠隔臨場(遠隔立会)」へと広がっています。遠隔臨場とは、ウェアラブルカメラなどで撮影した映像と音声を使い、遠隔地からWeb会議システムを介して段階確認・材料確認・立会を行うことを指します(※3)。国土交通省は令和2年度の試行を経て令和4年度から本格実施へ移行し、令和6年には工事検査にも適用を広げる実施要領(案)を策定しました(※3、※4)。建設現場の生産性向上を支える取り組みとして、制度面からも普及が進められています。
eYACHOは、この遠隔臨場(遠隔立会)を支える使い方ができます。現場のタブレットやスマートフォンと事務所側をつなぎ、同じ図面・帳票を見ながら指示・確認を行えるためです。映像で現場の状況を共有するビデオ通話機能「GEMBA Talk」も、遠隔地間で現場の状況をリアルタイムに共有する用途に活用できます。
実際の効果は、eYACHOの導入事例にも表れています。東日本高速道路(NEXCO東日本)では、出来形検測などの遠隔臨場にウェアラブルカメラとeYACHOを活用しています。受注者が検測調書を事前にアップロードし、映像を見ながら結果をその場で記録、補助監督員が電子押印で承認する流れを構築しました。全立会の約半数を遠隔化した結果、従来ならトータルで500時間以上かかっていた移動時間を240時間に削減できたという結果が出ています。
注目すべきなのは、効果が単なる移動時間の削減にとどまらない点です。同社では、メールでやりとりした書類を印刷する手間がなくなり、受発注者間で書類を共有してカメラで確認した数値をその場で記録・照合し、承認までリアルタイムに完結できるようになりました。書類の作成・確認・承認までを一つの環境で完結できることが、eYACHOを活用した遠隔臨場の最大のメリットだとしています。これは立会検査報告書を現場で完成させ、限りなく後処理ゼロに抑える運用にもつながります。
通信環境への対応も、遠隔臨場を支える重要な要素です。eYACHOはiOS・iPadOS・Windows・Androidに対応しており、端末にインストールしたアプリ上で利用できますが、オフラインでも手書き・帳票入力が継続できます。電波が届く場所にもどればデータを同期できるため、山間部やトンネルなど電波の弱い現場が多い土木の立会検査でも業務を止めずに作業を進められます。au Starlink Directにも対応しているため、携帯電話の通信圏外でも、空が開けた場所であれば通信できる環境を構築できます。これらの機能により、eYACHOは遠隔臨場の適用範囲を広げることが可能です。
なお、運用上の注意点も押さえておきましょう。eYACHOでは、オフラインで作成した内容は通信回復時に自動で同期されますが、Shareノートで共有するには手動で「シェアレイヤーに移す」必要があります。遠隔臨場の現場では、検査後にこの操作を忘れないことが、受発注者の記録を確実に揃えるうえで重要です。手順をあらかじめ運用ルールとして決めておくと、立会検査の受発注者間の記録漏れや共有漏れを防げます。
立会検査の報告書は、公共工事では検査記録としての証拠性が問われます。リアルタイムに作るだけでなく、その記録が改ざんされていないことを担保できなければ、発注者の電子納品要件を満たせません。
eYACHOは、電子小黒板付き工事写真(工事写真帳)の作成に対応しており、小黒板情報連携機能および改ざん検知機能についてJ-COMSIAの認定を受けています 。電子小黒板の改ざん検知やタイムスタンプにより、撮影日時や検査箇所を含む記録の信頼性を確保でき、出来形検査や品質確認の写真をそのまま記録として活用できます。撮影した写真は工事写真自動整理機能によって、工種ごとに整理して台帳化できます。
提出時の手間も抑えられます。eYACHOでは、現場で作成した検査帳票や台帳をPDFとして一括出力でき、元請や発注者への提出資料として利用できます。なお、発注者ごとに異なる電子納品要領への対応は、一般には専用の電子納品ソフトと併用して行いますが、検査記録を現場で正確にデジタル化しておくことで、後工程の負担を大幅に軽減できます。
セキュリティや信頼性の面では、eYACHOはISO/IEC 27001(ISMS)やプライバシーマークを取得しており、NETIS VEにも登録されています。サービスは国内のAWS東京リージョンで運用されています。立会検査をはじめとした各種記録は、後日確認や説明に用いられることも多いため、信頼性の裏付けは製品選定における判断材料になります。
ここまで紹介してきた「現場で1枚に集約」「受発注者で同時確認」「遠隔臨場への対応」「記録の信頼性」を一つのアプリで満たせる点が、立会検査の報告書づくりにおけるeYACHOの強みです。施工管理アプリ「eYACHO」は大林組と共同開発し2015年に発売され、MM総研の調査ではゼネコンでの利用シェアNo.1(19%)、スマートデバイスでの利用シェアNo.1(21%)を獲得しています(※5)。導入は900社・80,000ユーザーに広がっています。
立会検査をリアルタイム作成へ移行する第一歩は、検査帳票をテンプレート化することです。eYACHOでは、これまで使用してきた出来形検測調書やチェックシートをそのまま取り込み、写真貼付欄と入力欄を備えた検査記録テンプレートとして利用できます。テンプレートは自社で作るほか、テンプレート作成サービスを利用することもできます。一度テンプレート化すれば現場ごとに複製してすぐに利用できるため、記録品質を均一化しながら入力作業も効率化できます。
協力会社向けの「限定ユーザー版」(年額13,200円/人・税込)も用意されており、ベーシック版以上を導入する元受け企業がライセンスを購入して協力会社へ提供できます(限定ユーザー版のみの単独購入はできません)。これにより、元請と協力会社が同じ帳票を共有することができるため、立会検査の前後のやりとりも一元化できます。
eYACHOでは30日間の無料トライアルを提供しているため、自社の検査帳票を使ってリアルタイム作成を試すことができます。実際の導入には初期導入費とライセンス費用が必要ですが、まずは実際の運用で後処理の工数削減効果を確認してみるといいでしょう。
※初期導入費330,000円(初年度のみ・税込)、ベーシック版が月額3,520円/人、年額31,680円/人(税込)で、最小5ライセンスから導入可
立会検査の報告書をリアルタイムに作成するポイントは、検査中に写真・計測値・図面・指摘事項を1つの帳票に集約し、その場で確認・承認まで完結させることにあります。これにより、事務所に戻ってからの転記や清書という後処理を大幅に削減できます。
遠隔臨場の普及が進み、国土交通省も制度面での後押しを進めています(※4)。当社の導入事例でも、NEXCO東日本がeYACHOを活用した遠隔臨場の導入により、移動時間を約500時間から240時間へ削減しています。施工管理アプリ「eYACHO」の検査記録テンプレートやShare機能、電子小黒板付き工事写真を活用すれば、立会検査の報告書づくりは「現場で終わる」業務へと変えられます。後処理に追われない現場を目指すなら、ぜひ自社の検査帳票でリアルタイム作成を試すところから始めてみてください。