【この記事でわかること】
- ・ 検査記録の電子化が注目されている背景
- ・ 紙ベースの検査記録管理が抱える課題
- ・ 電子化によって得られる5つのメリット
- ・ 検査記録の電子化を成功させるポイント
- ・ 電子化に適したツールの選び方
- ・ eYACHOを活用した検査記録のデジタル化方法
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【この記事でわかること】
建設現場では、品質管理や安全管理のために多くの検査が実施され、その結果を記録として残すことが求められます。これまでは紙の帳票に手書きで記録し、ファイリングして保管するという方法が主流でしたが、近年はデジタル化の流れを受け、検査記録の電子化に取り組む現場が増えています。ここでは、検査記録を電子化するメリットと、導入を成功させるためのポイントについて詳しく解説します。
建設業界では働きかいた改革やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を受け、業務効率化への取り組みが加速しています。検査記録の電子化も、その一環として注目を集めています。
建設業界では、2024年4月から時間外労働の上限規制が適用され(災害時の復旧・復興など一部特例あり)、長時間労働の是正が喫緊の課題となっています。現場作業だけでなく、書類作成などの慈雨作業にかかる時間を削減することが、労働時間短縮の鍵を握っています。
検査記録の作成は、以下のように複数の工程を経る作業です。従来の紙ベース運用では、工程ごとに手間がかかりやすい状況でした。
電子化によってこれらの作業を効率化できれば、本来の現場管理業務により多くの時間を充てられるようになります。
参考:厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制(旧時間外労働の上限規制の適用猶予事業・業務)」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/gyosyu/topics/01.html国土交通省は、建設現場の生産性向上やインフラ分野のDXの一環として、建設現場のオートメーション化に取り組む「i-Construction 2.0」を推進しています。i-Construction 2.0では、2040年度までに建設現場の省人化を少なくとも3割(生産性1.5倍)向上することを目指し、「施工のオートメーション化」「データ連携のオートメーション化」「施工管理のオートメーション化」を柱として取り組みを進めています。
公共工事においては、図面、写真等の成果品を電子データで提出する「電子納品」が進められており、国土交通省が発注する公共事業は2004年度から全ての事業が対象とされています。こうした行政側の動きに対応するためにも、検査記録についても電子データとして整理・提出できる体制づくりが重要です。
i-Construction 2.0の3本の柱と、eYACHOでの活用イメージをあわせて理解したい方は、こちらもご覧ください。
i-Construction 2.0とは?建設現場の新時代を形づくる動きを解説 https://product.metamoji.com/gemba/eyacho/topic/article/20250929D.html 参考:国土交通省「「i-Construction 2.0」の2025年度の取組予定をまとめました ~建設現場のオートメーション化による省人化(生産性向上)~(2025年4月18日)」 https://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo08_hh_001199.html 参考:国土交通省(電子納品に関する要領・基準)「電子納品の概要 | 電子納品に関する要領・基準」 https://www.cals-ed.go.jp/ed_description/建設業界では、熟練技術者の高齢化と若手人材の不足が深刻な課題となっています。限られた人員で品質を維持しながら効率よく工事を進めるためには、業務の省力化が欠かせません。
また、検査のノウハウや判断基準を組織として蓄積し、次世代に継承していくためにも、デジタルデータとして記録を残すことが有効です。電子化された検査記録は、過去の事例を検索・参照しやすく、教育資料としても活用できます。
多くの現場でまだ紙ベースの検査記録管理が行われていますが、さまざまな非効率や問題点を抱えています。これらの課題を認識することが、電子化の第一歩となります。
紙の帳票に検査結果を記入する場合、現場で手書きで記録した内容を、後から事務所でパソコンに入力し直すという二重の作業が発生することがあります。また、複数の帳票に同じ情報を記載する必要がある場合、転記ミスのリスクも高まります。検査項目が多い場合は、記入だけでも相当な時間を要し、本来の検査業務に集中できないという弊害も生じます。さらに、手書きの文字が読みにくかったり、記入漏れがあったりすると、後から確認のやり取りが発生し、さらに時間がかかることになります。
紙の検査記録は、物理的な保管スペースを必要とします。工事が長期にわたる場合や、過去の記録を一定期間保管する義務がある場合、膨大な量の書類を保管するスペースの確保が課題となります。
また、過去の記録を参照したい時に、どのファイルに綴じられているかを探し出すのに手間がかかります。特に担当者が変わった場合や、数年前の記録を探す場合には、目的の書類を見つけるまでに相当な時間を費やすことになりかねません。
紙の書類は、火災や水害、誤廃棄などによって失われるリスクがあります。一度失われた検査記録は復元が困難であり、品質保証の観点から重大な問題となります。また、長期間保管していると、紙の劣化や文字の退色によって内容が読み取りにくくなることもあります。保管場所の環境管理も必要となり、適切な温度・湿度を維持するためのコストがかかる場合もあります。
紙の検査記録は、記録を作成した人の手元にあるため、他の関係者がリアルタイムで内容を確認することができません。検査結果を関係者に共有するためには、コピーを配布するか、ファイルを持ち回りするか、あるいはデータを入力し直してメールで送信するなどの手間がかかります。
現場と事務所、元請と下請など、複数の場所・組織で情報を共有する必要がある場合、この非効率さが顕著になります。緊急に検査状況を確認したい場合にも、即座に対応することが困難です。
検査記録の電子化によって、紙ベースの管理で発生していた多くの課題を解消することができます。ここでは、電子化によって得られる主なメリットを紹介します。
電子化された帳票では、タブレットやスマートフォンから直接入力できるため、手書きとパソコン入力の二重作業が不要になります。
また、日付や工事名など、繰り返し使用する情報を自動入力したり、プルダウンから選択したりする設定にしておけば、入力の手間を大幅に削減できます。数値を入力するとグラフや判定結果が自動計算される仕組みを取り入れることで、計算ミスも防止できます。入力必須項目を設定しておけば、記入漏れを防ぐこともできます。
電子データとして保存された検査記録は、キーワード検索や条件検索によって瞬時に必要な情報を見つけることができます。工事名、日付、検査項目、担当者名など、さまざまな切り口で検索でき、過去の記録を参照したい時にも即座にアクセス可能です。類似工事の過去の検査結果を参照したり、トラブル発生時に当時の記録を確認したりする際に、大きな効果を発揮します。蓄積されたデータを分析することで、品質向上のためのヒントを得ることも期待できます。
電子化によって紙の書類を保管する必要がなくなり、保管スペースを大幅に削減できます。クラウドサービスを利用すれば、サーバーの設置場所を確保する必要もなく、ストレージ容量に応じて柔軟にデータを保管できます。
また、クラウド上にバックアップされたデータは、災害や機器の故障によって失われるリスクが低く、紙に比べて安全性が格段に向上します。アクセス権限を設定することで、機密性の高い情報の漏洩リスクも管理できます。
電子化された検査記録は、インターネットを通じてリアルタイムで関係者と共有できます。現場で入力したデータが即座に事務所のパソコンで確認できるため、紙を持ち運んだり、データを転送したりする手間がありません。
監理者や発注者への報告もスムーズになり、承認プロセスのオンライン化によって、決裁にかかる時間も短縮されます。離れた場所にいる関係者が同じ情報を同時に確認できることで、コミュニケーションの質も向上します。
電子化というと、全く新しいシステムを導入しなければならないというイメージがあるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。現在使用しているExcelやWordの帳票をベースに電子化できるツールを選べば、現場の作業員も違和感なく移行できます。帳票のレイアウトを大きく変更する必要がなく、これまでの運用ノウハウを活かしながらデジタル化を進められます。段階的に機能を追加していくことで、現場に無理なく浸透させることが可能です。
電子化のメリットを最大限に引き出すためには、導入時の計画と運用の工夫が重要です。ここでは、電子化を成功させるためのポイントを解説します。
電子化ツールの選定にあたっては、実際に使用する現場の担当者の意見を聞くことが大切です。高機能なシステムであっても、操作が複雑で現場の作業員が使いこなせなければ意味がありません。
デモ版やトライアル期間を活用して、実際の業務で使い勝手を確認してから導入を決定することをおすすめします。また、タブレットやスマートフォンでの入力に対応しているか、オフライン環境でも使用できるかなど、現場の環境に適した機能を備えているかも重要な選定基準となります。
全ての検査記録を一度に電子化しようとすると、現場の負担が大きくなり、混乱を招く可能性があります。まずは特定の検査項目や特定の現場から試験的に導入し、問題点を洗い出しながら徐々に範囲を広げていく方法が効果的です。紙と電子の併用期間を設けることで、万が一のトラブルにも対応できます。導入初期には手厚いサポート体制を整え、現場からの質問や要望に迅速に対応することが、スムーズな移行のポイントです。
電子化に伴い、入力方法、ファイル名のつけ方、保存場所、承認フローなどの運用ルールを明確に定めておく必要があります。ルールが曖昧なままだと、担当者ごとにバラバラな運用になってしまい、後からデータを整理する際に混乱が生じます。マニュアルを作成し、関係者全員に周知徹底することが大切です。定期的に運用状況を確認し、問題があればルールを見直すことで、より効率的な運用が実現できます。
電子化によってデータの安全性は向上しますが、適切なセキュリティ対策を講じていなければ、情報漏洩や不正アクセスのリスクがあります。アクセス権限の設定、パスワード管理、通信の暗号化など、基本的なセキュリティ対策を徹底することが重要です。また、定期的なバックアップを実施し、万が一のデータ消失に備えておくことも欠かせません。クラウドサービスを利用する場合は、サービス提供者のセキュリティ体制についても確認しておくことをおすすめします。
検査記録のデジタル化と現場業務の効率化を同時に実現したいなら、施工管理アプリ「eYACHO(イーヤチョウ)」の活用が効果的です。建設現場のニーズに特化した機能で、スムーズな電子化を支援します。
eYACHOの特徴は、現在現場で使用しているExcelの帳票フォーマットを、そのままタブレットやスマートフォンで入力できる形式に変換できる点です。帳票のレイアウトを大きく変更する必要がないため、現場作業員も違和感なく使い始めることができます。新しいシステムの操作を一から覚える必要がなく、教育コストを抑えながらデジタル化を進められます。
eYACHOは、キーボード入力だけでなく、タブレット上での手書き入力にも対応しています。従来の紙の帳票に書き込むような感覚で、ペンを使って直接入力できるため、スマートフォンやタブレットの操作に不慣れな方でも抵抗なく使用できます。建設業向け手書き入力アプリ「建設mazec」と連携すれば、建設用語約4万語を含む豊富な語彙をスムーズに認識し、テキストデータに変換できます。
eYACHOで作成した検査記録は、クラウド上で保管・共有でき、関係者とリアルタイムで確認できます。現場で入力したデータを事務所でも即座に確認でき、紙の書類を持ち運ぶ必要がありません。また、オンラインでの承認機能を活用すれば、決裁フローも効率化できます。データはクラウド上に安全に保管されるため、紛失や劣化のリスクからも解放されます。
検査記録の電子化による業務効率化と品質管理の向上を実現するために、eYACHOの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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