出面管理が現場で重要度を増している背景には、担い手不足があります。建設業の就業者は、2024年には55歳以上が約37%を占める一方、29歳以下は約12%にとどまり、高齢化が進んでいます(※1)。担い手不足が続くなか、限られた人員を適切に配置するためにも、日々の稼働状況を正確に把握する重要性が高まっています。
加えて2024年4月からは、建設業にも時間外労働の上限規制が罰則付きで適用されました。時間外労働は原則として月45時間・年360時間が限度とされており、建設業でもこれを踏まえた労働時間管理が求められています(※2)。日々の出面や作業時間を適切に記録し、会社の勤怠管理とあわせて労働時間を把握することが、これまで以上に重要になっています。
こうした状況のなかで、手書きやExcelによる出面管理には、いくつかの課題が生じやすくなります。出面表にまつわる作業を「記録・転記・集計・共有」の4つの工程に分けると、それぞれで手間の所在が見えてきます。
記録の工程では、現場で紙に書いた内容を、あとから別の帳票やExcelに書き写す二重入力が発生しがちです。転記の工程では、人数や時間の写し間違いが起こることがあります。集計の工程では、人工や労務費を手作業で計算するため、関数の設定ミスや入力ミスが集計値のずれにつながることがあります。共有の工程では、紙やExcelのファイルを現場と事務所でやり取りするため、最新の情報がすぐに伝わらないことがあります。
こうした手間は、月末にまとめて集計する運用をとっている現場ほど大きくなりがちです。日々の記録が別々の書類やファイルに分散していると、月末に一気に転記・集計する必要が生じ、確認作業も重なって特定の担当者に負担が集中しやすくなります。人数や人工の合計が実行予算と合わないときには、原因を特定するための作業に時間を取られることもあります。日々の記録と集計を切り離さず、こまめに積み上げられる仕組みがあると、こうした負担を抑えやすくなります。
紙による管理は、その場で手軽に書ける一方で、集計や共有には手間がかかります。書いた紙を事務所へ持ち帰る、あるいは撮影して送る必要があるうえ、保管した紙から過去の記録を探すのにも時間を要します。字が読み取りにくく、あとから確認しづらいといった声も聞かれます。
Excelによる管理は、計算や集計を自動化できる点で紙より利便性が高いですが、注意点もあります。Excelで出面を管理する場合、数式が壊れて集計値が合わなくなる、担当者以外には運用がわかりにくく属人化しがちといった問題があります。また、ファイルの保存・共有方法によっては、複数の版が生まれて最新データが分かりにくくなることがあります。現場で入力しにくい運用をしている場合は、紙に記録した内容をあとからExcelへ転記する手間も生じます。これらは、出面表の作成そのものよりも、記録から集計・共有までの流れに手間が集中していることを示しています。