ここまで紹介した対策を、1つのアプリでまとめて実践する方法として、施工管理アプリ「eYACHO」の活用例を紹介します。eYACHOは、株式会社MetaMoJiが大林組と共同開発した施工管理アプリで、2015年8月に製品提供を開始しました。MM総研の調査(2025年12月)では、ゼネコンでの利用シェアNo.1(19%)を獲得しています(※2)。
eYACHOでは、図面上の任意の位置にピンを立て、工事写真や指摘記録などの詳細を記載したページとリンクさせることができます。撮影予定の箇所を図面にピンで示しておき、撮った写真を該当のピンに紐付けていく運用ができるため、前章で述べた「図面と写真のひも付けによる撮り漏れの見える化」を、そのまま現場で実践しやすくなります。
撮影から整理までを現場で完結できる点も、撮り忘れ対策として活用できます。eYACHOの「工事写真管理」機能では、電子小黒板を使った工事写真の撮影や黒板情報の入力、工事写真帳の作成を行えます。さらに、撮影した写真を工種ごとに自動で整理できるため、現場で撮影した内容をその場で確認・整理しやすくなります。撮影計画や図面上の撮影予定箇所と照らし合わせて確認することで、未撮影の箇所にも早い段階で気づくことが可能になります。
注:「工事写真管理」機能は、スタンダード版以上のiOS/Windows版で利用できます。
撮影状況をチームで共有したい場面では、Share機能が役立ちます。eYACHOのShare機能は、同じノートや図面、帳票に複数人が同時に書き込み、リアルタイムに共有できる仕組みです。現場と事務所、あるいは複数の担当者が同じ図面を見ながら撮影状況を確認できるため、一人で抱え込む必要がなくなり撮り漏れを補い合いやすくなります。
通信環境が不安定な現場への対応も、撮り忘れ防止の実務では見落とせません。eYACHOはiOS・iPadOS・Windows・Androidに対応したアプリで、オフラインでも図面や帳票、写真を扱うことができ、電波が届く場所に戻ると自動で同期します。トンネル坑内や山間部のように電波が届きにくい現場でも、撮影や記録の作業が止まりにくくなります。
手書きでの入力を重視する現場では、建設mazec(手書き入力システム)を使うことで、建設・土木・設備の用語を端末上に手書きで入力できます。紙への筆記に近い感覚で扱えるため、キーボード操作に慣れていない方でもタブレットへの記録をスムーズに始められる設計になっています。