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書類作成をアウトソーシングできる施工管理アプリとは?
BPO対応ツールの選び方

建設業の書類作成を外部に委託できないか。そう考える現場が増えています。ただ、実際に検討を始めると疑問にぶつかります。どの書類なら外に出せるのか。建設業法との関係はどうなのか。施工管理アプリを入れているのに、なぜ外注まで必要なのか。

BPOとは、業務プロセスの一部を、手順の設計や運用まで含めて外部に委託する取り組みです。この記事は、施工管理アプリとBPO(書類作成の外注)を組み合わせるときの考え方を、建設業法と公的機関の資料をたどりながら整理します。「外注できる書類」と「社内に残すべき業務」の境界は、感覚ではなく条文から引くことができます。

書類作成をアウトソーシングできる施工管理アプリとは?BPO対応ツールの選び方

建設業で書類作成の外注が検討される背景

書類作成の外注が検討される背景には、現場に残業を許容する余地がなくなってきたことがあります。2024年4月から、建設業にも時間外労働の上限規制が適用されました。書類作成のために事務所で遅くまで残る、という従来のやり方が続けにくくなっています。具体的には、時間外労働は原則として月45時間・年360時間が上限です。特別条項付きの36協定を結んでも、年720時間、時間外労働と休日労働の合計で単月100時間未満、複数月平均80時間以内という枠を超えることはできず、月45時間を超えられるのは年6か月までです。災害時における復旧および復興の事業には一部の例外がありますが、通常の工事では原則どおりに適用されます(※1)。

書類を減らす動きは、発注者の側でも進んでいます。工事に必要な書類を作るのは受注者ですが、その量そのものを絞る取り組みが始まっているためです。国土交通省は直轄工事で、受注者、特に現場技術者を対象とした工事関係書類の削減に取り組んでいます。2024年度の積算基準等の改定では、完成工事における検査書類を44種類から10種類に限定する「書類限定検査」が原則実施とされ、書類作成にかかる経費を現場管理費に反映する見直しも行われました(※2)。

現場では、書類作成をデジタルで効率化する動きも広がっています。紙に書いたものを事務所で打ち直す手間を減らそうと、施工管理アプリを導入する現場が増えているためです。MM総研が2025年12月に実施した調査によると、施工管理アプリを利用しているユーザーは建設業全体で42%、ゼネコンに絞ると60%に達しました。2024年4月の法適用直後に実施された前回調査ではゼネコンで49%だったので、11ポイント上昇していることになります(※3)。

それでも、書類作成の負担がなくなるわけではありません。アプリで削れるのは、あくまで現場で書いたものを事務所で入力し直す工程だからです。協力会社から届いた書類の内容を確認する作業や、添付書類を突き合わせる作業、様式に沿って情報を並べ替える作業は、人手を動かさなければ進みません。この残ってしまう工数を誰が担うのかという問いが、書類作成の外注につながっています。

施工管理アプリのBPOとは何を指すのか

BPOはBusiness Process Outsourcingの略で、業務プロセスの一部を、手順の設計や運用まで含めて外部に委託する取り組みです。繁忙期だけ人手を借りる単発の事務代行とは、継続的なプロセスごと預けるという点で性格が異なります。

施工管理アプリと組み合わせるBPOには、もうひとつ特徴があります。委託先の担当者が、現場が入力したデータと同じ場所で作業できるという点です。紙やメールで原票をやり取りする場合、渡す、確認する、戻す、修正するという往復が発生します。データがクラウド上の同じ帳票に集約されていれば、この往復の一部を省ける可能性があります。

建設業法から見た、外注できる業務とできない業務

BPOを検討するとき、最初に確認しておきたいのが建設業法との関係です。ここを曖昧にしたまま委託範囲を広げると、法令違反のリスクを抱えることになります。

工事現場に配置される主任技術者と監理技術者には、法律上の職務が定められています。施工計画の作成、工程管理、品質確保その他の技術上の管理、そして施工に従事する者への技術上の指導監督です。これらを誠実に行うことが求められています(※4)。

もうひとつが、一括下請負の禁止です。請け負った工事を、実質的に関与しないまま他人に請け負わせることは建設業法で禁じられています。公共工事では全面的に禁止され、民間工事も原則として禁止です。この「実質的に関与」の中身について、国土交通省は、自ら施工計画の作成、工程管理、品質管理、安全管理、技術的指導等を行うことだと説明しています(※4)。

判断と管理そのものは元請の技術者が担う前提であり、外部に預けることはできません。一方で、判断した結果を定められた様式に落とし込む作業、そのために必要な情報を集めて突き合わせる作業は、性格が異なります。BPOで扱えるのは後者だと考えると、線引きがはっきりします。

外注を検討しやすい作業 社内に残る領域
協力会社から届いた書類の内容確認と様式への転記 どの工法・手順で施工するかの決定
施工体制台帳や作業員名簿の添付書類の突合と整理 施工計画書に記載する内容そのものの判断
検査報告書の清書、豆図の切り出し 品質・安全に関する合否の判断
工事写真の分類と台帳への貼り付け 協力会社への技術的指導

この表は業務の重要度を序列化するものではありません。左側の作業は現場技術者でなくても手が動かせる、という区別にすぎない点にご留意ください。

外注しやすい書類には共通点がある

では、実際にどの書類から外に出すのがよいのでしょうか。外注しやすい書類には、共通する特徴があります。

  • 様式が定まっている:会社ごとに書式が違う書類より、法令や発注者の要領で形が決まっている書類のほうが、委託先が迷わずに手を動かせます
  • 判断より照合と転記が中心:書き手の技術的な判断が入り込む余地が小さいほど、外部に預けたときの手戻りが起きにくくなります
  • 量が多く、繰り返し発生する:1件だけの書類を外注しても、説明のコストが上回ってしまいます

これらに当てはまる代表例が、施工体制台帳と施工体系図です。発注者から直接工事を請け負った特定建設業者は、下請契約の総額が5,000万円(建築一式工事は8,000万円)以上になる場合、施工体制台帳と施工体系図を作成しなければなりません。公共工事では、入札契約適正化法により金額にかかわらず作成が必要です。台帳には元請と下請の許可内容、健康保険等の加入状況、配置技術者の氏名と資格などを記載し、契約書の写しや資格を証明する書面を添付します(※4)。判断は少なく、突き合わせと転記が大半を占める書類だといえます。

こうした性格を持つ書類を、どこまで外に出せるのか。次の章で、施工管理アプリを選ぶときの具体的な視点に落とし込みます。

BPO対応の施工管理アプリを選ぶ5つの視点

書類作成の外注を前提に施工管理アプリを選ぶ場合、機能一覧を眺めるだけでは判断がつきにくくなります。次の5点を確認しておくと、導入後のずれが小さくなりやすいでしょう。

  • 1. 現場の入力がそのままデータとして残るか

    外注の出発点は原票です。現場が紙に書いたものを誰かが打ち直している状態では、委託先に渡す前に社内で1工程が発生します。アプリ上で帳票が完成する運用になっているかどうかが、最初の分かれ目です。

  • 2. 委託できる範囲がどこまで定義されているか

    入力代行だけなのか、テンプレートの設計や改修まで含むのか、工事写真の整理まで頼めるのか。ここが曖昧なまま契約すると、期待していた作業が範囲外だった、ということが起こりがちです。

  • 3. 外部の担当者に渡す権限を細かく設計できるか

    現場のデータには、協力会社の情報や作業員の個人情報が含まれます。閲覧できる範囲、編集できる範囲をアカウント単位で分けられるかどうかを確認しておきたいところです。

  • 4. 費用の考え方が自社の発注形態に合うか

    書類作成の代行は、対象書類の種類や数、現場数によって工数が大きく変わります。月額固定なのか、現場単位なのか、個別見積なのか。BPOサービスでは個別見積の形をとる事業者が少なくありません。

  • 5. 内製に戻せる形で資産が残るか

    委託によって帳票のつくり方が社内から失われると、契約を終えたときに元に戻れなくなります。テンプレートや運用ルールが自社に残る形かどうかは、長い目で見ると重要な論点です。

eYACHOで書類作成の外注はどう実現するか

ここまで整理してきた視点に対して、施工管理アプリ「eYACHO」がどう対応しているかを説明します。eYACHOは、大林組と共同開発し、2015年から提供を開始した施工管理アプリです。ゼネコンでの利用シェアはNo.1(19%)となっています(※3)。iOS、iPadOS、Windows、Androidに対応しています(※5)。

書類作成の外注については、「eYACHO建設BPOサービス」を用意しています。長時間労働の一因となっている書類作成業務を代行し、現場のスタッフが施工管理そのものに集中できる状態をつくることを目的としたサービスです(※6)。BPOサービスを提供する企業と協業する形をとっているのは、この作業が単なるデータ入力ではなく、建設業の書類に慣れた人手を必要とするからです。代行の対象としているのは、次の3つの領域です(※7)。

  • 施工計画に関する書類:施工体制台帳、施工体系図、作業員名簿など
  • 安全衛生に関する書類:協力会社安全衛生計画書、工事安全衛生計画書など
  • 検査報告書に関する書類:豆図の切り出しを含む検査報告書など

いずれも、様式と添付物が定まっていて、現場ごとに繰り返し発生する書類です。逆に言えば、施工計画そのものを決める作業や、検査で合否を判断する作業は対象に含めていません。建設業法上の線引きと、実務上の外注しやすさは、おおむね重なります。サービス内容の詳細と料金は、案件ごとに問い合わせのうえで案内しています(※6)。

外注時の往復を減らす土台になるのが、データの持ち方です。eYACHOでは、現場で手書き入力した内容がそのまま電子帳票として保存され、クラウド上で共有されます。Share機能を使えば、同じノートや帳票を複数の担当者が同時に開いて書き込むことができます。誰が何を書いたかはリアルタイムに反映されます。

1つの帳票を複数人で分担できると、やり取りの往復が減ります。eYACHOの導入事例では、大林組の建築現場で、Share機能を活用して朝礼準備を分担した結果、1〜2時間かかっていた準備が10〜20分に短縮したことが紹介されています(※8)。社外への委託とは場面が異なりますが、1つの帳票を複数人が同時に扱えるという構造は共通します。

協力会社の担当者に配布する場合は、限定ユーザー版を利用できます。年額13,200円/人(税込)で、ベーシック版・スタンダード版・プレミアム版のいずれかを導入している企業が購入でき、限定ユーザー版のみを単独で購入することはできません(※5)。

既存のExcelやPDFの帳票をeYACHOのテンプレートに作り替えるテンプレート作成サービスも、内容に応じた見積りで用意しています。テンプレートは社内に残る資産です。スマートテンプレートを使うと、入力した値を他の帳票に転記できるため、同じ項目を繰り返し書き写す手間を減らせます(※5)。

eYACHOの料金は次のとおりです。

エディション ベーシック版 スタンダード版 プレミアム版 限定ユーザー版
年間利用ライセンス 28,800円/人
(税込み 31,680円)
37,800円/人
(税込み 41,580円)
46,800円/人
(税込み 51,480円)
12,000円/人
(税込み 13,200円)
月額利用ライセンス 3,200円/人
(税込み 3,520円)
4,200円/人
(税込み 4,620円)
5,200円/人
(税込み 5,720円)
1,200円/人
(税込み 1,320円)
初期導入費 300,000円
(税込み 330,000円)
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限定ユーザー版は、ベーシック版・スタンダード版・プレミアム版の導入企業が購入できるライセンスで、限定ユーザー版だけを単独で購入することはできません。ベーシック版・スタンダード版・プレミアム版は最小5ライセンスから、限定ユーザー版は1ライセンスから購入できます。導入前には30日間の無料トライアルを利用可能です(ベーシック版相当の機能が対象です)(※5)。

外注を始める前に社内で決めておきたいこと

BPOは、社内が整理されていない状態で始めると、委託先とのやり取りに時間を取られることがあります。着手前に、次の点を決めておくことをおすすめします。

原票のフォーマットを揃えることが最初の作業です。同じ日報でも現場ごとに書式が違うと、委託先は現場の数だけ手順を覚えることになります。

完成物の定義と納期も明確にしておきます。「台帳を作る」ではなく、「どの添付書類まで揃った状態を完成とするか」まで言葉にしておくと、認識のずれが起きにくくなります。

機密情報の扱いも、契約前に決めておく必要があります。秘密保持契約の範囲、個人情報を含む書類の取り扱い、アカウントの発行と削除の手順を文書化しておくと安心です。

保存期間の設計も忘れがちな論点です。施工体制台帳は工事目的物を発注者に引き渡すまで工事現場ごとに備え置き、その後は一部を抜粋して帳簿の添付書類として5年間保存します。発注者と締結した新築住宅の新築工事に係るものは10年間です。完成図や施工体系図などの営業に関する図書は、引き渡しから10年間の保存が求められます(※4)。委託先に作ってもらった書類が、どこにどの形で残るのかを設計しておきましょう。

最後に、導入の際に重要なのは、いきなり全社展開を目指さないことです。1つの現場、1種類の帳票から始めて、手順が固まってから広げていく進め方のほうが、定着しやすい傾向があります。

まとめ

書類作成をアウトソーシングできる施工管理アプリを選ぶとき、判断の軸は「何を外注するか」ではなく「何を社内に残すか」から立てると整理しやすくなります。施工計画の作成、工程管理、品質管理、安全管理、技術的指導は元請の技術者が自ら行うものであり、BPOで外注できるのは、その判断を様式に落とし込む作業と、そのための情報を集める作業です。

外注に向く書類には、様式が定まっている、判断より照合と転記が中心である、量が多く繰り返す、という共通点があります。施工体制台帳や作業員名簿、安全衛生計画書、検査報告書はその代表例です。eYACHOでは、これらの書類を対象とした建設BPOサービスを用意しています。現場で入力したデータがそのままクラウド上の帳票として残り、Share機能で複数の担当者が同じ帳票を同時に扱えることが、外注時の往復を減らす土台になっています。2024年4月に始まった時間外労働の上限規制への対応として、施工管理アプリの導入と書類作成の外注を組み合わせる選択肢を、一度検討してみてはいかがでしょうか。

よくある質問

  • Q. 施工管理アプリのBPOでは、どんな書類を外注できますか?

    A. 様式が定まっていて、技術的な判断より照合と転記が中心で、量が多く繰り返し発生する書類が向いています。施工体制台帳や作業員名簿などの施工計画に関する書類、協力会社安全衛生計画書などの安全衛生に関する書類、豆図の切り出しを含む検査報告書などが代表例です。施工計画そのものを決める作業や、検査で合否を判断する作業は外注できません。

  • Q. 書類作成を外注しても、建設業法上の問題はありませんか?

    A. 施工計画の作成、工程管理、品質管理、安全管理、技術的指導といった「実質的に関与」する部分は、元請の主任技術者・監理技術者が自ら行う必要があり、外注できません。外注できるのは、その判断を様式に落とし込む作業や、必要な情報を集めて突き合わせる作業です。この線引きを守れば、書類作成の一部を外部に委託しても差し支えないと考えられます。

  • Q. eYACHOは無料で試せますか?

    A. 30日間の無料トライアルを用意しています。対象はベーシック版相当の機能です。安全AIソリューションやBLuE連携はトライアルの対象外です。

  • eYACHO建設BPOサービスのご相談

    eYACHOは30日間の無料トライアルを提供しています。施工体制台帳や安全衛生関連の書類作成を自社の現場でどこまで効率化できるか、まずは実際の運用に近い形でお試しください。導入や建設BPOサービスに関するご相談は、公式サイトのお問い合わせ窓口で受け付けています(※9)。

  • eYACHOについて

    MetaMoJiは、デジタル野帳「eYACHO」を大林組と共同開発し、2015年8月より製品を提供してきました。手書きや写真を利用した現場の記録のほか、図面や資料のペーパーレス化、リアルタイム共有機能を利用した遠隔地間でのコミュニケーション、日報・検査帳票を電子化して現場で作成できるようにするなど、従来の野帳の手軽さはそのままに、デジタルの特性を活かした管理機能によって建設業の現場での生産性向上に貢献しています(※5)。

出典一覧

※1 厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/gyosyu/topics/01.html
※2 国土交通省・国土技術政策総合研究所「令和6年度 国土交通省土木工事・業務の積算基準等の改定」 https://www.nilim.go.jp/lab/bcg/kisya/journal/kisya20240228.pdf
※3 株式会社MM総研「施工管理支援アプリは働き方改革関連法の適用後も導入が進み、建設業全体の利用率は4割強に上昇(建設業の施工管理支援アプリの利用動向調査 2025年12月)」 https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=710
※4 国土交通省 関東地方整備局「建設工事の適正な施工を確保するための建設業法(令和8.2版)」 https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000699485.pdf
※5 株式会社MetaMoJi「施工管理アプリ eYACHO(イーヤチョウ)」 https://product.metamoji.com/gemba/eyacho/
※6 株式会社MetaMoJi「eYACHO活用情報|BPOサービス」 https://product.metamoji.com/gemba/eyacho/topic/bpo.html
※7 株式会社MetaMoJi「MetaMoJi Days 2024 eYACHOセッション」 https://metamoji.com/jp/seminar-event/metamojidays2024/eyacho/
※8 株式会社MetaMoJi「eYACHO導入事例|大林組(建築)」 https://product.metamoji.com/gemba/eyacho/user/obayasigumi_kentiku.html
※9 株式会社MetaMoJi「お問い合わせ・導入相談」 https://product.metamoji.com/gemba/message/
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【監修】eYACHO編集部

施工管理アプリ「eYACHO」は、タブレット1つで現場の記録・共有・管理を可能にし、施工管理から安全管理まで幅広い業務をサポートします。
本コラムでは、建設業界の課題解決やDX推進に役立つ情報や最新動向をお伝えします。

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