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複数工事のスケジュール管理を一元化する方法|
クラウドツールで全体最適を実現

複数の現場を同時に動かしていると、工程表は現場ごとにバラバラ、進捗の連絡は電話とメールに分散し、気づけば「どの現場が今どうなっているのか」を誰も即答できない状態に陥りがちです。これは管理者の能力の問題ではなく、情報が一か所に集まっていないという構造の問題です。

この記事では、複数現場のスケジュールを一元管理する方法を、よくある失敗の構造から整理します。そのうえで、一般的な一元化の選択肢と選び方を示し、独自の視点として「工程表の一元化」と「現場情報の一元化」を分けて考える設計の考え方を解説します。最後に、施工管理アプリ「eYACHO」を例に、現場情報の一元化と工程反映の具体像を紹介します。

複数工事のスケジュール管理を一元化する方法|クラウドツールで全体最適を実現

複数現場のスケジュール管理で起きやすい3つの問題

複数現場の管理がうまくいかないとき、原因はおおむね次の3つに集約されます。まずは自社の状況がどれに当てはまるかを確認してみてください。

たとえば、3つの現場を1人で見ている監督を想像してみてください。朝はA現場の工程表をホワイトボードで確認し、移動中の車内でB現場の遅れをメールで知り、夕方にはC現場の写真整理を事務所で行う。情報がそれぞれ別の場所にあるため、頭の中で全体を組み立て直す作業に多くの時間が奪われます。これが複数現場特有の負荷であり、以下の3つの問題として表面化します。

1つ目は、情報の分散です。現場ごとにExcelの工程表やホワイトボードが独立して存在すると、全体を俯瞰する一覧がどこにもありません。結果として、ある現場の遅れが別の現場の人員や資機材の手配に与える影響に気づくのが遅れます。各現場の情報を集めるために、その都度電話やメールで問い合わせる手間も積み重なります。

2つ目は、変更共有の遅れです。工程は天候や資材の都合で日々変わります。個別管理では、変更のたびに各現場の担当者へ電話やメールで連絡することになり、伝達漏れや認識のズレが生まれます。最新版がどれなのか分からなくなるのも、この段階で起きる典型的なトラブルです。とくに紙やExcelでは、更新したつもりの版が手元にしかなく、現場には古い版が残り続けるという事態が起こりがちです。

3つ目は、リソースの重複と空きです。人員や重機を現場ごとに最適化しても、全現場をまたいだ視点がなければ、ある日は人手が余り、別の日は足りないという偏りが起こります。隣の現場で手の空いた職人がいても、それが見えなければ応援に回せません。全体を見渡せないことが、そのまま無駄なコストになります。

これらの根っこは共通していて、「全体を一目で見渡す場所がない」ことに尽きます。裏を返せば、全現場の情報が1か所に集まり、誰もが同じ最新版を見られる状態をつくれば、これらの問題の多くは同時にほどけていきます。だからこそ、複数現場の管理では一元化が効いてきます。

複数現場のスケジュールを一元管理する3つの方法

一元管理の手段は、大きく次の3つに分けられます。それぞれにコストと手間のバランスがあり、現場数や体制によって向き不向きが変わります。

方法 向いている規模 メリット 注意点
Excelで横断一覧表をつくる 数現場・少人数 追加コストがほぼ不要。すぐ始められる 同時編集や最新版管理に弱く、現場数が増えると破綻しやすい
クラウド型の工程管理ツール 中規模以上 複数現場の工程をクラウドで共有。変更がリアルタイムに反映される ツール導入と運用ルールづくりが必要
施工管理アプリ 中規模以上 工程に加え、帳票・写真・図面・連絡まで現場業務全体を一元化できる 現場への定着支援が成否を分ける

Excelの横断一覧表は、すべての現場の工程を1枚のシートに並べる方法です。コストをかけずに始められる反面、複数人が同時に触ると版が分かれやすく、現場が増えるほど更新が追いつかなくなります。当面の応急策としては有効ですが、恒久的な仕組みには向きません。

クラウド型の工程管理ツールは、工程表そのものをクラウド上で共有し、変更を関係者全員にリアルタイムで届けられる方法です。工程の整合性を保ちながら全体を見渡せるため、現場間の調整がしやすくなります。

施工管理アプリは、工程だけでなく、日報や検査帳票、工事写真、図面、現場間の連絡までを1つのアプリにまとめる方法です。スケジュールと現場の実態が紐づくため、「予定」と「実績」のズレに早く気づけるのが特徴です。

どの方法を選ぶかは、現場数と更新頻度で判断すると分かりやすくなります。現場が2〜3、更新も週単位であればExcelでも回りますが、現場が5を超え、日々工程が動くようになると、Excelの横断表は更新が追いつかなくなります。複数人が同時に最新情報を触る必要が出てきたら、それがクラウド型ツールや施工管理アプリへ移行するサインです。逆に、無理に高機能なツールから入ると現場が使いこなせず、結局Excelに戻るという失敗もあります。自社の今の規模から一段だけ上の手段を選ぶのが、現実的な進め方です。

実際の現場では、これらを併用しているケースも少なくありません。たとえば、全体のマスター工程はクラウド型の工程管理ツールで持ち、日々の現場記録や写真は施工管理アプリで集約する、という組み合わせです。重要なのは、どれか1つに無理にそろえることではなく、計画と実行の情報が最終的に1か所でつながっている状態をつくることです。次の章で示す「2つの層に分けて考える」という発想は、この併用を整理するうえでも役立ちます。

一元管理で得られる効果と、ツール選びで外せない視点

一元管理が機能すると、現場の動き方は目に見えて変わります。第一に、全現場の進捗が一覧で見えることで、遅れの兆候を早期に発見でき、手戻りや工期遅延を防ぎやすくなります。問題が小さいうちに手を打てるため、後工程へのしわ寄せも抑えられます。第二に、人員や重機を全体最適で配置できるようになり、重複や空きの無駄が減ります。ある現場で前倒しできた人員を、遅れ気味の別の現場に回すといった判断も、全体が見えているからこそ素早く下せます。第三に、最新情報が1か所に集まることで、電話やメールでの確認作業そのものが減り、管理者の負担が軽くなります。「あの現場どうなってる」という問い合わせの往復が消えるだけでも、1日の時間の使い方は大きく変わります。

この負担軽減は、業界全体の課題とも直結しています。建設業では2024年4月から時間外労働の上限規制が適用され、原則として月45時間・年360時間が上限となりました(※1)。施工管理者の残業の一因は、事務所に戻ってから行う書類や工程表の作成作業だといわれており、情報の一元化はこの時間を削る直接的な手段になります。日中に現場で記録を済ませ、戻ってからの作業を減らすことで、上限規制への対応と現場の生産性向上を同時に進められます。一元管理は、単なる効率化の話にとどまらず、働き方そのものを見直す取り組みでもあるのです。

ツールを選ぶときは、次の3点を外さないことをおすすめします。1つ目は、現場が無理なく使える操作性です。どれだけ高機能でも、現場が入力しなければデータは集まりません。とくに年齢層が幅広い現場では、説明書を読まなくても直感的に使えるかどうかが定着を左右します。2つ目は、協力会社や下請けまで含めて共有できるかです。情報は元請だけで完結しないため、関係者全員が同じ情報を見られる設計が欠かせません。共有相手のアカウント費用や、招待のしやすさも確認しておきたい点です。3つ目は、既存の工程管理ツールや帳票と連携できるかです。今ある工程表やExcelのひな型をそのまま活かせるほど、移行のハードルは下がり、現場の抵抗感も小さくなります。

加えて、サポート体制と無料トライアルの有無も見ておくと安心です。導入後につまずいたときに相談できる窓口があるか、本格導入の前に自社の現場で試せる期間があるかは、運用が定着するかどうかに直結します。

なお、施工管理アプリの利用は着実に広がっています。建設業全体での利用率は42%、施工管理業務が中心のゼネコンに絞ると60%に達しており(※2)、一元化のためにアプリを使うことは、もはや特別な選択ではなくなっています。

【独自視点】「工程表の一元化」と「現場情報の一元化」は分けて考える

ここで、多くの解説では一緒くたにされがちな点を分けて整理します。複数現場の一元管理は、性質の異なる2つの層に分けて設計すると、ぐっと失敗しにくくなります。

なぜ多くの解説でこの2つが混ざってしまうのかというと、どちらも「スケジュールの管理」という同じ言葉でくくられてしまうからです。しかし、工程表をきれいに引くことと、現場で起きていることをすくい上げることは、求められる道具も使う人も異なります。この違いを意識しないまま1つのツールにすべてを求めると、機能は多いのに現場が使わない、という典型的な失敗に行き着きます。

1つ目は、計画レイヤーである工程表の一元化です。各現場の工程を整合性を保ったまま束ね、変更を全体に反映させる層です。ここで主役になるのは、ネットワーク工程表やクリティカルパスを扱える工程管理ツールです。

2つ目は、実行レイヤーである現場情報の一元化です。日々の作業記録、日報、写真、図面、現場間の連絡といった「現場で実際に起きていること」を集約する層です。ここで効くのは、現場で手早く入力でき、リアルタイムに共有できる仕組みです。

この2層を混同すると、「立派な工程管理ツールを入れたのに現場の実態が見えない」あるいは「現場の記録は集まるのに全体工程と連動しない」という、どちらかが欠けた状態になります。逆に言えば、計画レイヤーは工程管理ツールに任せ、実行レイヤーは現場アプリに任せて両者をつなぐ、という分担を意識すると、一元化は現実的に回り始めます。実際、後述する施工管理アプリ「eYACHO」も、工程表は工程管理ツールから取り込み、現場情報はアプリ側で共有するという、この2層をつなぐ設計になっています。

具体的に考えてみましょう。まず計画レイヤーでは、全現場のマスター工程と週間・日次の工程を、工程管理ツールで整合性を保ったまま管理します。ここで決まった工程が、各現場の「やるべきこと」の土台になります。次に実行レイヤーでは、その工程に対して現場で実際に起きたこと、つまり進捗・写真・是正事項・連絡を現場アプリに記録し、関係者全員で共有します。こうして計画と実行が同じ流れの中でつながると、「予定どおり進んでいるか」を現場と管理者が同じ画面で確認できるようになります。2層を分けて設計するとは、この2つの流れを別々に最適化したうえで、最後に紐づける、という発想です。

もう1つ、現場での一元管理に固有の落とし穴があります。それは「導入したが現場が入力しない」という定着の失敗です。どれほど優れた仕組みでも、入力が手間だと現場は使わず、データは欠けたまま全体像が描けません。ツール選定では機能の豊富さに目が向きがちですが、複数現場の一元管理では、入力負荷の低さこそが最優先の評価軸になります。

施工管理アプリ「eYACHO」による現場情報の一元化と工程反映

ここからは、実行レイヤーの一元化を担う施工管理アプリの具体例として「eYACHO」を取り上げます。「eYACHO」は、株式会社MetaMoJiが大林組と共同開発し、2015年に提供を開始した施工管理アプリです。ゼネコンでの利用シェアはNo.1(19%)、タブレットやスマートフォンなどスマートデバイスでのシェアもNo.1(21%)となっています(※2)。対応OSはiOS・iPadOS・Windows・Androidです。

まず実行レイヤーについてです。eYACHOにおいては、現場ごとに分散しがちな日報・検査帳票・工事写真・図面を、紙の野帳のような手書き感覚で入力しながらクラウドに集約できます。前述の「入力負荷の低さ」という定着の条件を、手書き入力という形で満たしている点が特徴です。集約した記録はノートをまたいで検索でき、過去の現場の情報も横断的に探すことができます。複数現場を抱えていると、「あの現場で似た不具合をどう処理したか」を後から探す場面が増えますが、横断的に検索できれば、過去の対応をそのまま次の現場に活かせます。紙の野帳では難しかった、記録の蓄積と再利用が現実的になるわけです。

複数現場で効いてくるのが、リアルタイム共有を担うShare機能です。eYACHOのShare機能では、離れた場所にいる複数のメンバーが、同じ図面やノートをリアルタイムに閲覧・編集できます。現場と事務所、あるいは複数現場の担当者が同じ最新情報を見られるため、「最新版がどれか分からない」という個別管理の悩みを解消できます。関係者がその場で現状を把握できれば、確認のために現場へ足を運ぶ回数も抑えられ、移動に費やしていた時間を別の現場の管理に振り向けられます。

協力会社やJVを含めた共有設計も用意されています。eYACHOにおいては、協力会社向けの限定ユーザー版を使うことで、下請けや専門工事会社にも情報を配布できます。ただし限定ユーザー版は単独では購入できず、ベーシック版・スタンダード版・プレミアム版を導入している企業が追加で購入する形になります。

計画レイヤーとの接続については、工程's連携が用意されています。これは、工程管理ツール「工程's」で作成した工程表のデータを「eYACHO」に取り込み、現場で確認したり、その日の作業に落とし込んだ日次の施工計画を作成したりできる連携です。工程表が更新されれば、その変更を現場側でも確認できるため、計画レイヤーと実行レイヤーをつなぐ役割を果たします。なお、工程's連携の利用にはスタンダード版以上のライセンスが必要です。

複数現場という観点で整理すると、eYACHOにおいては、各現場の記録・帳票・図面がクラウド上の同じ環境に集約され、Share機能で関係者がリアルタイムに共有でき、工程's連携で工程表の変更も現場に反映される、という流れになります。現場ごとにバラバラだった情報が同じ場所に集まることで、「どの現場が今どうなっているか」を確認する手間そのものを減らせるのが、複数現場を抱える管理者にとっての利点です。

「eYACHO」の料金(税込)

料金は次のとおりです。最小5ライセンスからの導入で、30日間の無料トライアルが用意されています(無料トライアルはベーシック版相当の内容です)。なお、ここに記載する金額は一般的な相場ではなく、「eYACHO」の料金です。

プラン 月額/人 年額/人 備考
初期導入費 330,000円(初年度のみ)
ベーシック版 3,520円 31,680円 基本機能
スタンダード版 4,620円 41,580円 工程's連携・工事写真帳 等
プレミアム版 5,720円 51,480円 外部システム連携 等
限定ユーザー版 1,320円 13,200円 協力会社向け。上記3プラン導入企業のみ購入可

一元管理を現場に定着させる進め方と、効果のイメージ

一元管理を現場に定着させる進め方と、効果のイメージ

最後に、一元管理を絵に描いた餅で終わらせないための進め方を整理します。ポイントは、いきなり全現場・全機能で始めないことです。

第一に、目的を1つに絞ります。「全現場の進捗を一覧で見たい」「協力会社との連絡を一本化したい」など、最初に解決したい課題を明確にすると、必要な機能と運用ルールが定まります。あれもこれもと欲張ると、現場は何を入力すべきか分からなくなり、かえって定着しません。第二に、入力ルールをシンプルに決めます。誰が・いつ・何を入力するかを最小限のルールにし、現場の負担を抑えることが定着の近道です。最初は1日1回の進捗入力だけ、といった具合に、続けられる量から始めるのがコツです。第三に、小さく始めて広げます。1〜2現場で試し、手応えを確認してから横展開すると、抵抗感を抑えながら定着させられます。先行した現場の担当者が使い方を周囲に伝える形にすると、社内に自然と広がっていきます。

効果のイメージとして、実際の導入事例を紹介します。いずれも、その時点で使われていた手段にもとづく効果です。

大林組では、施工管理アプリ「eYACHO」のShare機能の活用により、朝礼準備にかかっていた時間が約2時間から10〜20分に短縮されました。準備のために事務所と現場を往復していた時間が、リアルタイム共有によって圧縮された事例です。

東日本高速道路では、遠隔立会の取り組みにおいて、関係者の移動時間が約500時間から240時間へ削減されました。これは「eYACHO」のShare機能とウェアラブルカメラを組み合わせ、現場に行かなくても立会ができる体制を整えた結果によるものです。

これらはいずれも個別の現場での効果ですが、複数現場に広げて考えれば、「移動と確認の時間を減らし、その分を本来の管理業務に振り向ける」という方向性は共通します。一元管理の本質は、情報を集めること自体ではなく、集めた情報で意思決定と段取りを速くすることにあります。

導入後も、運用を一度きりで終わらせないことが大切です。月に一度でもよいので、入力ルールが現場の実態に合っているか、見たい情報がきちんと集まっているかを振り返り、必要に応じてルールを調整します。最初に決めたやり方が、現場が増えたり工種が変わったりするうちに合わなくなることはよくあります。小さく直し続けることで、一元管理の仕組みは現場に根づき、複数現場を抱えても全体を見渡せる状態を保てます。

まとめ

複数現場のスケジュールを一元管理する鍵は、ツールを入れること自体ではなく、情報が集まる構造をつくることです。そのためには、工程表という計画レイヤーと、現場の記録という実行レイヤーを分けて設計し、両者をつなぐ視点が役立ちます。

手段としては、Excelの横断一覧表、クラウド型の工程管理ツール、施工管理アプリの3つがあり、現場数と体制に応じて選び分けます。選定時は、現場が無理なく入力できる操作性、協力会社まで含めた共有、既存資産との連携を外さないことが大切です。

実行レイヤーの一元化を担う施工管理アプリとしては、ゼネコンでの利用シェアNo.1の「eYACHO」のように、手書き感覚での入力、Share機能によるリアルタイム共有、工程's連携による工程表の取り込みを備えたものが、複数現場の一元管理と相性がよいといえます。まずは自社の課題を1つに絞り、小さく試すところから始めてみてください。

出典一覧

※1 国土交通省「建設業の時間外労働の上限規制は2024年4月から!」 https://daiku-sodateru.mlit.go.jp/data/807e5605b217ca2cd09298d9a4a25c62.pdf
※2 株式会社MM総研「建設業の施工管理支援アプリの利用動向調査(2025年12月)」 https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=710
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【監修】eYACHO編集部

施工管理アプリ「eYACHO」は、タブレット1つで現場の記録・共有・管理を可能にし、施工管理から安全管理まで幅広い業務をサポートします。
本コラムでは、建設業界の課題解決やDX推進に役立つ情報や最新動向をお伝えします。

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