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ミスを隠さない現場をつくる!
建設現場の心理的安全性を高める具体的アプローチ

「これは言わないほうがいいかもしれない」。建設現場で、そんな空気を感じたことはないでしょうか。小さなミスや違和感を口に出せない現場は、危険のサインを見逃しやすくなります。本記事では、建設現場の心理的安全性とミス報告の関係を、最新の統計や建設現場を対象にした研究データから読み解きます。そのうえで、現場特有の「報告しづらさ」を乗り越え、ミスを隠さない現場をつくる具体的なアプローチを紹介します。

ミスを隠さない現場をつくる!建設現場の心理的安全性を高める具体的アプローチ

建設現場の心理的安全性とは?ミス報告が「人命」に直結する理由

心理的安全性とは、チームのなかで対人関係上のリスクをとっても安全だと、メンバーが互いに信じられている状態を指します。米ハーバード大学のエイミー・C・エドモンドソン教授が1999年に提唱した概念です。その後、Googleが約180チームを分析した社内研究「プロジェクト・アリストテレス」で、成果を出すチームに最も影響する要素として注目を集めました。

ここで誤解されやすいのが、心理的安全性は「仲が良い」「ぬるい」という意味ではない、という点です。むしろ、ミスや反対意見を率直に言い合えるからこそ、問題が早く表面化し、改善につながります。つまりミスの報告が多い職場は、危ない職場ではなく、危険に気づける健全な職場だといえます。

建設現場では、この考え方の重みが他業種と大きく異なります。一般的なオフィスでは心理的安全性は生産性やイノベーションの文脈で語られますが、建設現場では「言えなかった一言」が重大事故、ときに人命に直結するからです。厚生労働省の令和6年の労働災害発生状況(確定値)によると、労働災害による死亡者は全産業で746人、そのうち建設業が232人と業種別で最も多く、全体の約31%を占めました(※1)。建設業の就業者数は全産業の1割程度であることを考えると、この比率の高さは際立っています。

危険を感じた瞬間に「待ってください」と言えるか。ヒヤリハットを「報告しても大丈夫」と思えるか。建設現場の心理的安全性は、安全管理そのものの土台だといえます。

なぜ建設現場ではミスを報告しづらいのか|4つの不安と現場特有の壁

エドモンドソン教授は、人がチームで発言をためらう背景に「4つの不安」があると整理しています。「無知だと思われる不安」「無能だと思われる不安」「邪魔だと思われる不安」「ネガティブだと思われる不安」の4つです。質問や指摘をすると、自分の評価が下がるかもしれない。だから黙ってしまう、という心理です。

建設現場には、この4つの不安をさらに強める固有の壁があります。1つは、厳しい命令系統と職人文化です。経験や年次による上下関係がはっきりしているほど、若手が「それは違うのでは」と口にするのは難しくなります。2つめは、ベテランの「言わなくても分かるだろう」という暗黙の前提です。熟練者ほど確認を省きがちで、その思い込みが見落としを生みます。

そしてもう1つ、建設現場ならではの大きな壁が、元請けと協力会社という立場の違いです。独立行政法人 労働者健康安全機構の労働安全衛生総合研究所(過労死等防止調査研究センター)は、令和6年度に建設会社の土木現場を対象とした調査研究を行いました。大手ゼネコンの土木現場49か所で働く労働者を対象に実態を調べたものです(※2)。立場の異なる人々が1つのプロジェクトを動かす建設現場で、コミュニケーションや心理的安全性をどう保つかは、研究の対象になるほど重要なテーマなのです。

立場が違えば、感じている不安も、言いにくさの種類も異なります。元請けには元請けの、協力会社には協力会社の「言えなさ」があります。この溝を埋めない限り、現場全体の心理的安全性は高まりません。

ミスを隠さない現場をつくる5つの具体的アプローチ

ここからは、現場でミスを隠さない文化をつくるための具体的なアプローチを紹介します。いずれも特別なツールがなくても始められる、運用と姿勢の工夫です。

  • 1. 立場が上の人ほど、先に自分の弱みを見せる

    心理的安全性は、上に立つ人の振る舞いで大きく変わります。所長や職長が「自分も昔こんな失敗をした」「ここは自分も自信がない」と先に開示すると、現場全体が「ミスを話してもいい場だ」と認識します。完璧を装うリーダーの下では、誰もミスを出せません。

  • 2. ミスを「責める」から「学ぶ」へ転換する

    報告されたミスを叱責の材料にすると、次から報告は上がってこなくなります。大切なのは、起きた事実とその人の人格を切り離すことです。「なぜ起きたか」「同じことを防ぐにはどうするか」に焦点を当て、報告した行動そのものを評価する姿勢が、報告のハードルを下げます。

  • 3. ヒヤリハットや違和感を歓迎する空気をつく

    事故に至らなかった小さな違和感ほど、貴重な情報です。「気づいてくれてありがとう」と一言添えるだけで、次の報告が出やすくなります。KY活動(危険予知活動)の場を、形式的なチェックで終わらせず、誰もが気づきを出せる時間にすることが効果的です。

  • 4. 元請けと協力会社の壁を越える対話の場を持つ

    朝礼や協議の場を、元請けからの一方的な指示伝達で終わらせないことが重要です。協力会社の職長や職人が感じている懸念を、その場で拾える仕組みをつくります。立場を越えて同じ情報を見ながら話せる状態をつくることが、認識のずれを減らします。

  • 5. 「勇気」だけに頼らず、報告・共有を仕組みで支える

    文化づくりは不可欠ですが、人の勇気だけに頼ると、どうしても抜け漏れが残ります。報告や情報共有を、個人の性格や度胸に依存しない「仕組み」で支えることが、現場の心理的安全性を底上げします。次章では、その一例として施工管理アプリ「eYACHO」の活用を具体的に見ていきます。

「報告する勇気」を仕組みで支える|施工管理アプリ「eYACHO」の活用

ここからは、前章の5つめ「仕組みで支える」を、施工管理アプリ「eYACHO」を例にして掘り下げます。以降に登場する機能名・価格・実績は、すべてeYACHO固有の内容のため、一般論ではなく「eYACHOの場合」としてご参考にしてください。なお施工管理アプリ「eYACHO」は、株式会社MetaMoJiが2015年に大林組と共同開発した製品で、導入900社・80,000ユーザー、ゼネコンでの施工管理アプリ利用シェアNo.1(MM総研2025年12月調査)の実績があります。

安全AIがリスクを「人ではなくデータ」から提示する

ミスや危険の指摘が個人に依存すると、「誰が言うか」で発言の重さが変わり、心理的安全性の低い現場ほど沈黙が生まれます。eYACHOにおいては、安全AIソリューションがこの構造を変える役割を果たします。これは作業内容を入力すると、AIが潜在的なリスクと対策を提示し、KY活動を支援するものです。

eYACHOの安全AIソリューションは、21種類の安全関連法令と31種類の通達・ガイドラインをもとに、現場の状況に応じて関連度の高いリスクや対策を動的に抽出します。MetaMoJiと大林組の共同開発に、独立行政法人 労働安全衛生総合研究所との共同研究で得た知見が反映されています。リスクが「個人の指摘」ではなく「法令と事例に基づくデータ」として示されるため、ベテランの思い込みや、若手の言い出しにくさを補いやすくなります。実際に、大林組や横河ブリッジの現場では、安全AIを活用したKY活動が進められています。

なお、eYACHOの安全AIソリューションはスタンダード版以上で利用できる機能です。30日間の無料トライアル(ベーシック版相当)では試せない点に注意してください。

Share機能で、立場を越えて同じ情報を共有する

前章で触れた「元請けと協力会社の壁」に対して、eYACHOにはShare機能があります。これは、同じノートや図面、帳票に複数人が同時に書き込めるリアルタイム共有の仕組みです。元請けと協力会社が同じ図面を見ながらその場で指示やメモを書き込めるため、伝達のずれや「聞いていない」を減らせます。

協力会社への展開には、eYACHOの限定ユーザー版があります。年額13,200円/人(税込)の協力会社向けライセンスで、ベーシック版・スタンダード版・プレミアム版いずれかの導入企業が購入して配布する形になります(限定ユーザー版のみの単独購入はできません)。さらに遠隔のやり取りには、ビデオ通話機能のGEMBA Talkを使い、同じ資料を見ながら相談できます。遠隔臨場(遠隔立会)にも活用できる機能です。

朝礼・KY活動の負担を減らし、安全に向き合う時間を生む

心理的安全性を高める対話の時間を確保するには、書類作成などの負担を軽くすることも有効です。eYACHOにおいては、大林組の建築現場で、朝礼準備にかかっていた時間が約2時間から10〜20分に短縮された事例があります。これはShare機能を活用し、複数人で資料を分担・共有したことによる効果です。準備に追われる時間が減れば、その分を現場の安全確認やコミュニケーションに振り向けられます。

ツールはあくまで土台です。報告や共有のハードルを下げる仕組みを整えたうえで、「ミスを話してくれてありがとう」と言える文化を重ねていくことが、ミスを隠さない現場への近道だといえます。

まとめ

建設現場の心理的安全性は、生産性のためだけでなく、重大事故を防ぎ人命を守るための土台です。建設業の死亡災害は全産業で最も多く、ミスや違和感を言えない現場は危険のサインを見逃しやすくなります。だからこそ、4つの不安や、元請けと協力会社の立場差という現場特有の壁を理解したうえで、ミス報告を歓迎する文化づくりが欠かせません。

同時に、人の勇気だけに頼らず、報告と情報共有を仕組みで支えることも重要です。建設現場の心理的安全性とミス報告は、文化と仕組みの両輪で初めて根づきます。施工管理アプリ「eYACHO」の安全AIソリューションやShare機能は、その仕組みづくりを後押しする選択肢の1つです。まずは自社の現場で、「言えなかった一言」を生まない環境づくりから始めてみてはいかがでしょうか。


施工管理アプリ「eYACHO」は、30日間の無料トライアルで実際の現場業務をお試しいただけます(安全AIソリューションはスタンダード版以上が対象です)。導入のご相談や、自社の帳票・運用に合わせた活用については、MetaMoJiのお問い合わせ窓口(https://product.metamoji.com/gemba/message/ )からご相談いただけます。


出典一覧

※1 厚生労働省「令和6年の労働災害発生状況(確定)」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58198.html
※2 独立行政法人労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所 過労死等防止調査研究センター(RECORDs)「【令和6年度】建設会社の土木現場における現場コミュニケーションと心理的安全性に関する調査研究」 https://records.johas.go.jp/report/172
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【監修】eYACHO編集部

施工管理アプリ「eYACHO」は、タブレット1つで現場の記録・共有・管理を可能にし、施工管理から安全管理まで幅広い業務をサポートします。
本コラムでは、建設業界の課題解決やDX推進に役立つ情報や最新動向をお伝えします。

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