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高速道路・インフラのメンテナンス管理を
アプリで効率化する方法と導入事例

高速道路をはじめとするインフラのメンテナンスは、点検から帳票作成、立会、報告までの工程が多く、現場と事務所を往復する時間や紙の書類が大きな負担になりがちです。本記事では、高速道路・インフラのメンテナンス管理をアプリで効率化する具体的な方法を、制度や老朽化の背景とあわせて整理します。さらに、東日本高速道路(NEXCO東日本)や中日本ハイウェイ・メンテナンス中央といった実際の現場で何が変わったのかを紹介します。ツールの選び方や、現場に定着させるための進め方まで、実務の視点でお伝えします。

高速道路・インフラのメンテナンス管理をアプリで効率化する方法と導入事例

高速道路・インフラメンテナンスが抱える課題とアプリ活用の背景

日本の社会インフラは高度経済成長期に集中して整備されたため、老朽化が一斉に進んでいます。国土交通省の資料によると、建設後50年以上が経過する道路橋の割合は2040年に約75%、トンネルは約52%に達する見込みです(※1)。つまり、4本のうち3本の道路橋が「築50年以上」になる時代が目前に迫っています。

老朽化への対応として、点検の制度も強化されました。2012年の笹子トンネル天井板崩落事故を受け、道路法施行規則が改正され、橋やトンネルは近接目視を基本とした点検を5年に1回の頻度で行い、健全性を4段階に区分することが定められています(※2)。点検対象となる長さ2m以上の橋は全国で約73万橋にのぼり、限られた人員で確実に点検・記録を回し続けることが求められています。

ここで多くの現場が直面するのが、点検そのものより「点検に付随する事務」の重さです。点検結果を紙の様式に書き写し、写真を整理し、報告書にまとめ、立会では受発注者間で書類をやり取りする。こうした作業が現場の時間を奪い、人手不足に拍車をかけます。だからこそ、点検・帳票・共有を1つの流れで電子化するアプリの活用が、いまや業務改善の「静かな必須要件」になりつつあるのです。

なお、本記事で扱う「アプリ」は、現場で帳票や図面、写真を扱い、その場で記録・共有できる施工管理アプリを指します。ドローンやAI画像診断のような点検技術とは目的が異なり、点検したあとの「記録と情報共有の工程」を効率化する役割を担います。

高速道路メンテナンスをアプリで効率化する4つの方法

高速道路・インフラのメンテナンス現場でアプリが効果を発揮する場面は、大きく4つに整理できます。いずれも「移動」「紙」「事務」という現場特有の非効率に直結します。

1つ目は、点検・巡回の帳票を電子化することです。基本点検や安全パトロール、災害発生時の現場確認といった様式をアプリ上で作成すれば、現場で写真を撮ってその場で報告様式に取り込み、事務所に戻らずに記録を完了できます。手書きでもテキストでも入力でき、写真の貼り付け枠と入力欄を備えた様式をそのまま再現できる点が、紙からの移行をスムーズにします。

2つ目は、遠隔立会(遠隔臨場)を支えることです。現場のタブレットと事務所のPCをつなぎ、同じ図面や帳票を見ながら数値を確認し、その場で承認まで進められます。国土交通省が示す遠隔臨場の運用の考え方に沿った使い方ができ、立会のための長距離移動を大きく減らせます。

3つ目は、現場と事務所のリアルタイムな情報共有です。同じノートや図面に複数人が同時に書き込め、現場と事務所が同じ紙面を見ながら意思疎通できる仕組みがあれば、報告のために事務所へ戻る往復が減らせます。広範囲に現場が点在する高速道路メンテナンスでは、この「同時に書き込める」仕組みが打ち合わせや朝礼の効率を引き上げます。

4つ目は、雪氷作業のような季節業務や定型事務の集計を軽くすることです。日報の作成や撮影、データ入力、集計といった一連の作業をアプリ上で行い、入力した値を別の帳票へ転記したり、集計したりすることで、繁忙期に集中する事務負担をならせます。

これらを単独の点検アプリで部分的に行うのではなく、帳票・図面・写真・共有をまるごと電子化して一気通貫にすることが、高速道路メンテナンスでは特に効果的です。次章からは、その効果が実際に表れた現場を具体的に見ていきます。

高速道路メンテナンスをアプリで効率化

導入事例1 東日本高速道路(NEXCO東日本)の遠隔立会と道路点検

東日本高速道路株式会社(NEXCO東日本)は、関東以北から北海道までのエリアで高速道路の建設・維持管理運営を担う企業です。同社の維持管理運営を束ねる管理事業本部では、eYACHOを活用し、土木構造物や設備の点検、交通管理などの幅広い業務のICT化を進めてきました。ここでは、eYACHOの導入事例として取材した内容から、現場で何が変わったのかを紹介します。

特に成果が大きかったのが遠隔立会です。先行して試行を担当した担当者は、2つの現場で全立会150〜160回のうち約半分を遠隔で実施しました。その結果、事務所から現場への移動や複数現場間の移動、立会前後の待機、早朝・時間外の勤務が不要になり、従来の立会なら約500時間以上かかっていた移動時間を240時間に削減できたといいます。1日8時間労働の約1か月分にあたる削減です。

注目すべきは、効果が移動時間の短縮だけにとどまらない点です。カメラを使った遠隔立会自体は珍しくありませんが、そこにeYACHOを組み合わせると、書類のシェア、カメラで確認した数値の双方チェック、検測結果の記入と照合、その場での承認までが、すべてアプリ上でリアルタイムに完結します。承認・決裁書類の電子化により、A4サイズ4,488枚分に相当するファイル15冊分の事務作業も削減できました。これは2021年時点の取り組みで、Share機能とウェアラブルカメラを組み合わせた運用によるものです。

立会以外でも電子化は広がりました。社内に専任チームを設け、100件を超える要望に応えて175の様式をeYACHO化し、基本点検や工事の安全パトロール、災害発生時の現場確認・安全性チェックなどに活用しています。紙の使用量は2年前と比べて半分以下になり、机の上から書類が減ったことで仕事が整理され、印刷や配布といった作業も縮小しました。点検だけでなく、立会・会議・日常業務までを同じアプリ上で電子化したことが、効果を大きくした要因と言えるでしょう。

導入事例2 中日本ハイウェイ・メンテナンス中央のRKY・雪氷作業の効率化

中日本ハイウェイ・メンテナンス中央株式会社は、NEXCO中日本のグループ会社として、中央自動車道や長野自動車道などの補修・雪氷対策・事故復旧を担う高速道路メンテナンスの専門企業です。同社の大月事業所では、高速道路のメンテナンス業務に伴う帳票の電子化と効率化に向けて、eYACHOを試行導入しました。こちらも、eYACHOの導入事例として取材した内容から効果を紹介します。

導入で得られた効果は具体的です。リスクアセスメント危険予知活動(RKY)のシート作成時間を約50%削減し、冬期の雪氷作業に伴う日報作成・撮影・データ入力・集計の事務を効率化して、1シーズンあたり約50時間の工数を削減しました。ほぼ1日を要していた一連の事務作業が約10分にまで短縮された場面もあったといいます。

この事例で学べるのは、定着までの進め方です。現場の混乱を避けるため、まず4人の作業班による試験運用から始め、対象も使用頻度の高い「運転日報」と「RKY活動のチェックシート」の2種類に絞ってスモールスタートしました。問題なく使えることを確認したあと、約3か月後には作業所のメンバー約20人全員にライセンスを広げ、作業日報などへ対象を拡大しています。電子化に際して従来の紙帳票のレイアウトを再現し、これまでと変わらない使用感で入力できるようにした点も、現場への定着を後押ししました。

同社は検測資料を自社システムと連携させる取り組みも進めており、今後はビデオ通話機能「GEMBA Talk」の活用や安全AIソリューションを用いた安全管理など、利用範囲のさらなる拡大も検討しているとのことです。まず身近な帳票から電子化し、効果を確かめながら横へ広げていく。この現実的な進め方は、これからアプリ導入を検討する現場の参考になります。

高速道路メンテナンスでアプリを選ぶ・定着させるポイント

2つの事例から見えてくる、高速道路・インフラのメンテナンスでアプリを選ぶ際の着眼点を整理します。

第1に、現場で完結できるかどうかです。高速道路の現場は屋外が中心で、トンネル坑内や山間部、橋梁の下部など電波が届きにくい場所も少なくありません。オフラインでも手書きや帳票入力ができ、ノートは電波が届いたときに同期される仕組みであれば、作業が止まりません。スマートフォンやタブレット1台で帳票・図面・写真までを扱えることが、移動の多い現場では大きな価値になります。

第2に、立会や打ち合わせまで一気通貫にできるかどうかです。点検記録だけを電子化しても、立会の書類やり取りや承認が紙のままでは、効果は限定的です。遠隔立会(遠隔臨場)を支え、同じ図面に複数人がリアルタイムに書き込める仕組みまで含めて選ぶと、NEXCO東日本の事例のように移動と紙の双方を減らせます。

第3に、現場が無理なく使い始められるかどうかです。中日本ハイウェイ・メンテナンス中央のように、まず1〜2帳票・少人数から始め、紙帳票のレイアウトを再現して使用感を変えないことが、定着への近道です。導入時の操作講習やテンプレート作成の支援が用意されているかも、確認しておきたい点です。

なお、官公庁・自治体が関わるインフラ案件では、出来形管理や品質管理、写真管理といった土木向けの帳票テンプレートをそのまま使えるかも選定の判断材料になります。自社の様式をどこまで再現できるかを、無料トライアルで実際に試して確かめるとよいでしょう。

施工管理アプリ「eYACHO」とは

ここまで事例で取り上げた「eYACHO」について、製品の概要を整理します。eYACHO(正式名称 eYACHO for Business)は、株式会社MetaMoJiが大林組と共同開発し、2015年に提供を開始した施工管理アプリです。MetaMoJiは、ジャストシステム創業者の浮川和宣氏・初子氏が設立した会社で、培ってきた手書き入力技術を基盤にしています。対応OSはiOS・iPadOS・Windows・Androidで、紙の野帳と同じ感覚の手書き入力に加え、図面・写真・帳票・リアルタイム共有までを1つのアプリで扱えます。

eYACHOの導入は900社、利用者は80,000ユーザーにのぼり、MM総研「建設業の施工管理支援アプリの利用動向調査(2025年12月)」では、ゼネコンでの利用シェアNo.1(19%)、スマートデバイスでの利用シェアNo.1(21%)を獲得しています(※3)。屋外・通信が不安定な現場でも実運用に耐えてきた実績が、インフラ案件での採用につながっています。

eYACHOの主な機能には、同じノートや図面に複数人が同時に書き込めるShare機能、遠隔会議や遠隔立会に使えるビデオ通話機能「GEMBA Talk」、計測機器とつなぐBLuE連携、電子小黒板に対応した工事写真帳などがあります。安全面では、KY活動を支援する安全AIソリューションも用意されており、21種類の安全関連法令と31種類の通達・ガイドラインをもとに、現場の状況に応じたリスクと対策を提示します(スタンダード版以上で利用可能)。

eYACHOの料金は税込・最小5ライセンスからで、初期導入費は初年度のみ330,000円です。月額は1人あたりベーシック版3,520円、スタンダード版4,620円、プレミアム版5,720円で、協力会社向けの限定ユーザー版は月額1,320円です(限定ユーザー版は、ベーシック版・スタンダード版・プレミアム版の導入企業のみ購入できます)。30日間の無料トライアルでeYACHOの機能を試せます。なお、無料トライアルはベーシック版相当のため、BLuE連携や安全AIソリューションなどスタンダード版以上の機能は対象外です。

まとめ

高速道路・インフラのメンテナンスは、老朽化の進行と5年に1回の点検義務、そして人手不足という制約が重なる領域です。こうした現場でアプリを活用する効果は、点検帳票の電子化、遠隔立会(遠隔臨場)の支援、リアルタイムな情報共有、季節業務の事務削減という形で表れます。東日本高速道路では遠隔立会で移動時間を約500時間から240時間へ、中日本ハイウェイ・メンテナンス中央ではRKYシートの作成時間を約50%削減するなど、高速道路 インフラ メンテナンス アプリの活用は具体的な成果につながっています。まずは身近な帳票から電子化し、効果を確かめながら広げていく進め方が、現場に無理なく定着させる近道です。

高速道路・インフラのメンテナンス業務の効率化を検討されている方は、施工管理アプリ「eYACHO」の導入事例集や製品資料をダウンロードのうえ、30日間の無料トライアルで自社の様式をそのまま試してみてください。導入の進め方についての相談も受け付けています。

出典一覧

※1 国土交通省「社会資本の老朽化の現状と将来」 https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/maintenance/02research/02_01.html
※2 国土交通省「『定期点検要領』の策定について(報道発表資料)」 https://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_000429.html
※3 MM総研「建設業の施工管理支援アプリの利用動向調査(2025年12月)」 https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=710
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【監修】eYACHO編集部

施工管理アプリ「eYACHO」は、タブレット1つで現場の記録・共有・管理を可能にし、施工管理から安全管理まで幅広い業務をサポートします。
本コラムでは、建設業界の課題解決やDX推進に役立つ情報や最新動向をお伝えします。

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