建設業のDXを進めるうえで、ITと施工管理の両方が分かる「ブリッジ人材」の不足に悩む建設会社は少なくありません。優秀なIT人材を外部から採用しようとしても、獲得競争は激しく、採用できても現場のことが分からなければ変革は前に進みません。
そこで本記事では、外部採用だけに頼らず、現場の知見を持つ人材を育ててブリッジ人材にする「現場発」の育成法を、一次情報をもとに解説します。あわせて、施工管理アプリ「eYACHO」が育成の観点でどう寄与できるかも、一般論と区別し、主語を明確にして紹介します。
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建設業のDXを進めるうえで、ITと施工管理の両方が分かる「ブリッジ人材」の不足に悩む建設会社は少なくありません。優秀なIT人材を外部から採用しようとしても、獲得競争は激しく、採用できても現場のことが分からなければ変革は前に進みません。
そこで本記事では、外部採用だけに頼らず、現場の知見を持つ人材を育ててブリッジ人材にする「現場発」の育成法を、一次情報をもとに解説します。あわせて、施工管理アプリ「eYACHO」が育成の観点でどう寄与できるかも、一般論と区別し、主語を明確にして紹介します。
まず、用語を整理します。DX人材とは、デジタル技術と業務知識の両方を持ち、企業の変革を推進する人材の総称です。その中でもブリッジ人材とは、経営や現場とIT部門の間を「橋渡し」する役割を担う人材を指します。建設会社では、施工現場の業務とデジタル技術をつなぎ、現場の課題をシステムやツールの活用へ翻訳できる人が、これにあたります。
この人材が不足する背景には、複数の要因があります。経済産業省は「2025年の崖」として、IT人材が2025年には約43万人不足すると警鐘を鳴らしています(※1)。建設業界ではさらに、技能労働者の高齢化と若手不足が重なり、ベテランの知見をどう次世代へ引き継ぐかが大きな課題です。
加えて、2024年4月からは建設業にも時間外労働の上限規制(原則 月45時間・年360時間)が適用されました(※2)。残業を減らすには、現場の書類作成や移動といった非効率な業務をデジタル化する必要があり、その推進役としてブリッジ人材が欠かせません。
ツール自体は普及が進んでいます。MM総研の調査(2025年12月)によると、施工管理アプリの利用率は建設業全体で42%、ゼネコンでは60%に達しました(※3)。一方で、ツールを使いこなして社内の変革を主導できる人材の育成は、多くの建設会社で道半ばといえます。
ブリッジ人材を育てようとしても、うまくいかないケースには共通点があります。代表的な3つの理由を押さえておきましょう。
1つ目は、IT知識への偏りです。プログラミングやツール操作を中心に教えた結果、「現場が分からないIT担当」が育ってしまうパターンです。ブリッジ人材に求められるのは、現場の文脈を理解したうえでデジタルを橋渡しする力であり、技術知識だけでは役割を果たせません。
2つ目は、DXの「丸投げ」です。情報システム部門や外部ベンダーに任せきりにすると、現場の実態と乖離した仕組みが生まれ、定着しません。現場とITの双方に足場を持つ人を育てることが、丸投げを防ぐ前提になります。
3つ目は、権限と裁量の不足です。せっかく育てても、現場の改善を提案・実行できる権限がなければ、ブリッジ人材は機能しません。育成と同時に、小さな改善を任せる仕組みづくりが必要です。
ブリッジ人材を生み出す方向性は、大きく2つに分かれます。1つは、IT人材に施工管理を教える方向。もう1つは、現場の人材にデジタルを身につけてもらう方向です。
建設会社では、後者の「現場発」のほうが現実的なことが多いといえます。施工管理の知見やベテランの勘どころは一朝一夕には身につかず、外部のIT人材に現場を教えるには時間がかかるためです。すでに現場知識を持つ人材がデジタルを使いこなせるようになれば、そのままブリッジ人材へと育ちます。
このとき鍵になるのが、現場人材が感じる「ITのハードル」をいかに下げるかです。普段の業務で使う道具そのものがデジタル化されていて、しかも操作が現場になじむものであれば、IT教育に多くの時間を割かなくても、現場の人がデジタルを自然に習得できます。
ここからは、施工管理アプリ「eYACHO」を例にとって考えます。eYACHOにおいては、紙の野帳と同じ手書き感覚で入力でき、これまで使ってきたExcelの帳票をそのままテンプレート化できる設計のため、ITが苦手なベテランや現場職員でも導入の負担を小さく抑えられます。業務のやり方を大きく変えずに使い始められることが、現場発のブリッジ人材育成の素地になります。
この章では、施工管理アプリ「eYACHO」が建設会社の人材育成にどう寄与できるかを、主語をeYACHOに明確にして整理します。以下はeYACHO固有の話であり、一般的なツール全般の話ではありません。
第一に、若手のOJTと遠隔育成です。阪神高速技術では、eYACHOにビデオ通話機能「GEMBA Talk」を組み合わせ、ベテランが事務所から複数の現場の若手を効率的に支援しています。従来は現場同行が中心だったOJTが、「つながりながら任せる」育成へと変わり、自ら考えて動く若手の育成につながっています。
第二に、上司と若手が同じ帳票を見ながら指導できる点です。eYACHOにおいては、Share機能によって同じ図面や帳票に書き込みながらリアルタイムに共有できるため、離れていても先輩が要点を書き添えるといったOJTに活用できます。
第三に、技術伝承です。eYACHOにおいては、ベテランが使ってきた帳票やチェック項目をテンプレートとして標準化できます。これまで個人の経験に依存していたノウハウを形式知に変え、若手が早期に一定水準へ到達しやすくなります。
第四に、安全管理の世代差を埋める仕組みです。eYACHOの安全AIソリューションは、21種類の安全関連法令と31種類の通達・ガイドラインをもとに、現場の状況に応じてリスクと対策を動的に抽出します。経験の浅い若手でも見落としを補いながら、一定水準のKY活動を行えます。なお、安全AIソリューションの利用にはスタンダード版以上が必要です。
第五に、情報共有の効率化が生む「教える時間」です。大林組(建築)では、Share機能の活用により、朝礼準備が1〜2時間から10〜20分へ短縮された事例があります。書類作成や準備に追われていた時間を、若手への指導や育成に回せるようになります。
教える側の負担を軽くする工夫もあります。eYACHOにおいては、操作の疑問にAIヘルプが回答するため、先輩が操作方法を一から教える手間を減らせます。また、手書き入力をなめらかにする建設mazec(手書き入力システム)を備えており、キーボード操作が苦手な人でも入力しやすい設計です。
料金面では、eYACHOのベーシック版が月額3,520円/人(税込)から、最小5ライセンス・初期導入費330,000円(税込)で利用できます。30日間の無料トライアルも用意しています。ただし安全AIソリューションはスタンダード版以上が対象で、無料トライアルでは利用できない点に注意が必要です。
最後に、育成を一過性で終わらせず、組織に根づかせるための進め方を整理します。ここからは特定のツールに依存しない一般的なステップです。
ステップ1は、育てたいブリッジ人材像の定義です。現場業務とITのどちらをどの程度まで身につけてほしいのかを言語化し、評価の基準を決めます。像があいまいなままでは、育成プログラムが定まりません。
ステップ2は、スモールスタートです。いきなり全社展開せず、意欲のある社員と1〜2現場を選び、ツールの活用と人材育成をセットで試します。小さく始めて成功体験を積ませることが、定着の近道です。
ステップ3は、推進担当の配置です。現場と情報システムの両方に窓口を置き、現場の声を拾える体制をつくります。
ステップ4では、育てた人材に小さな改善を任せる権限を与えます。権限委譲があってはじめて、ブリッジ人材は現場を変える力になります。
ステップ5は、効果の可視化です。残業削減時間や書類作成時間など、成果を数値で計測し、社内に共有します。手応えのある事例を横展開することで、育成の取り組みが全社へ広がっていきます。
建設会社のDX人材、とりわけブリッジ人材の育成は、IT人材を外部から採用するだけでなく、現場の知見を持つ人材を「現場発」で育てるアプローチが現実的です。そのためには、現場人材が感じるITのハードルを下げ、育てた人材に裁量を与え、効果を可視化して横展開する流れが鍵になります。
その過程で、現場で日々使う道具が育成を後押しします。施工管理アプリ「eYACHO」においては、手書き感覚での入力や既存帳票の活用で現場人材の参入障壁を下げつつ、Share機能やGEMBA Talk、安全AIソリューションによって若手のOJT・技術伝承・安全管理の世代差解消を支えられます。自社のDX推進と人材育成を両輪で進める一手として、検討する価値があるでしょう。