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工期短縮を実現する5つの方法|
ITツール活用で手戻りと待ち時間を大幅削減

工期短縮と聞くと、「作業のスピードを上げること」を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし実際に工期が延びる大きな要因は作業そのものの遅さではなく、手戻りや待ち時間、そして事務所への持ち帰り作業といったムダにあります。本記事では、工期短縮を実現する5つの方法を紹介するとともに、こうしたムダを生む「情報共有の遅れ」に着目し、手戻り防止や業務効率化にITツールがどう役立つのかを、現場での活用例とともに解説します。

工期短縮を実現する5つの方法|ITツール活用で手戻りと待ち時間を大幅削減

工期短縮の本質|「速くする」のではなく「待ち時間と手戻り」を減らす

工期短縮を考えるとき、最初に押さえておきたいのは、工期は「作業している時間」だけで決まるわけではないという点です。実際の現場では、前工程の完了待ちや承認待ち、材料や重機の到着待ちといった待ち時間が積み重なっています。さらに、一度施工した箇所を作り直す手戻りが発生すると、その分の作業時間と確認時間も追加で必要になります。つまり工期短縮とは、作業を急がせることではなく、施工計画や工程管理、情報共有を見直しながら、これらのムダを設計段階から減らしていく取り組みです。

特に手戻りの影響は深刻です。手戻りが発生すると、再作業の人件費や材料費が増加するだけでなく、後続工程にも影響が及び、プロジェクト全体のスケジュールが遅延します。再施工のために人員を再配置すれば、別の作業の遅れにつながり、現場全体の効率が低下します。こうした連鎖を断ち切ることが、工期短縮を実現するうえで重要なポイントです。

工期短縮が求められる背景-建設業の2024年問題

工期短縮の重要性が高まっている背景には、建設業の働き方改革があります。2024年4月以降、建設業にも時間外労働の上限規制が適用され、時間外労働は原則として月45時間・年360時間以内に収める必要があります(※1)。特別の事情がある場合でも年720時間などの上限が設けられており、違反した場合には罰則も設けられています(※1)。

一方で、工期を短くするために無理な工程を組むことは認められていません。改正建設業法では、「著しく短い工期」での請負契約が禁止されており、通常必要と認められる期間と比べて極端に短い工期は勧告などの対象となる場合があります(※2)。求められているのは、安全管理や品質管理を犠牲にして作業を急ぐことではなく、業務プロセスや情報共有を見直し、待ち時間や手戻りを減らすことで実現する工期短縮です。

工期を延ばす手戻りはなぜ起きるのか|情報共有の遅れが生む3つのズレ

手戻りを防ぐためには、まず「なぜ手戻りが起きるのか」を分析することが必要です。多くの手戻りは、現場の技術力不足だけが原因ではなく、関係者の間で情報共有が適切に行われていないことが要因です。情報共有の遅れは、次の3つのズレとなって現れます。

  • 1,図面の版ズレ

    設計変更が反映された最新の図面が現場へ共有されず、古い図面のまま施工してしまうと、施工のやり直しが必要になります。誰が最新版を管理しているのか分からない状態や図面の更新漏れは、それ自体が手戻りの大きな要因になります。

  • 2.認識のズレ

    口頭やテキストだけで指示を伝えると、是正箇所や施工方法の解釈が担当者によって異なり、想定と違う仕上がりになる場合があります。写真や図面を使わずに抽象的な言葉で伝えるほど、認識の食い違いが発生しやすくなります。

  • 3.タイミングのズレ

    現場で起きた変更や確認事項が関係者に共有されるまでに時間がかかると、ある担当者は古い情報のまま作業を進め、別の担当者は新しい情報を前提に判断する、といったタイミングのズレが生じます。


こうした3つのズレを防ぐためには、関係者全員が同じ情報を、同じタイミングで確認できる環境を整えることが重要です。次章では、この考え方を踏まえ、工期短縮につながる具体的な5つの方法を紹介します。

工期短縮を実現する5つの方法

ここからは、工期短縮を実現する5つの方法を紹介します。工期短縮は、施工計画・工程管理・情報共有・帳票作成・安全管理の各工程でムダを減らすことが重要です。以下では、それぞれの具体的な取り組みを解説します。

  • 方法1:施工計画を精緻化し、段取りの抜けをなくす

    着工前には、資材・人員・重機の配置や工程間のつながりを整理し、施工計画を具体化することが重要です。施工計画が曖昧なまま現場が動き出すと、段取りの抜けが着手遅れや待ち時間につながります。資材・機械・人員の動きをあらかじめ細かく洗い出し、前工程から後工程へどうつなげるかを設計しておくことが重要です。

    施工計画書は一度作って終わりではなく、現場の状況やリソースの変化に応じて定期的に見直すことが効果的です。潜在的なリスクを事前に洗い出して対策を講じておけば、想定外の対応による手戻りを減らせます。計画段階での十分な検討が、現場での待ち時間を未然に防ぎます。

  • 方法2:工程管理をリアルタイムで可視化し、遅れを早期に発見する

    工程表を作成するだけでなく、日々の進捗を反映しながら関係者全員で共有する仕組みを整えましょう。重要なのは、遅れが発生したことをできるだけ早く把握し、迅速に手を打つことです。全体の工程を明確にした工程表を用意し、進捗を定期的に確認する仕組みを整えることが重要です。

    進捗の可視化が遅れると、問題の発見も遅れ、リカバリーに余分な時間がかかります。現場の進捗がリアルタイムで関係者に共有されていれば、遅れを早い段階で把握し、人、人員や資材の配分を調整できます。工程管理をデジタル化することで、遅れに早く気づき、迅速に対応できるようになります。

  • 方法3:情報共有をリアルタイム化し、図面・指示のズレをなくす

    手戻りを減らすには、現場にいる全員が同じ情報を見ながら作業できる環境を整えることが欠かせません。前章で紹介した「図面の版ズレ」「認識のズレ」「タイミングのズレ」は、いずれも情報が関係者に伝わるまでの時間差や、見ている情報の違いから起こります。現場と事務所、元請と協力会社が同じ図面や帳票をリアルタイムで共有できれば、こうしたズレは大幅に減らせます。

    施工管理アプリなどのITツールを使えば、現場で図面に書き込んだ是正指示をその場で関係者へ共有できます。古い図面のまま作業が進むことを防げるだけでなく、写真に丸印や矢印を書き込んで伝えれば、口頭だけでは伝わりにくい指示も一目で理解できます。情報共有を早めることは、手戻りを防ぐだけでなく、工期全体の短縮にもつながります。

  • 方法4:現場で帳票を完結させ、持ち帰り作業と移動を減らす

    工期を延ばす原因は、施工そのものだけではありません。現場で紙に記入した内容を事務所へ持ち帰って入力し直したり、図面や資料を確認するために現場と事務所を何度も往復したりする時間も、積み重なると大きなロスになります。

    こうしたムダを減らすには、帳票作成を現場で完結できる環境を整えることが重要です。スマートフォンやタブレットで入力した内容をそのまま電子帳票として保存できれば、転記や再入力は不要になります。その場で記録を共有できるため、事務所へ戻るためだけの移動も減らせます。現場で完結できる業務が増えるほど、本来時間をかけるべき施工管理や現場調整に集中しやすくなります。

  • 方法5:安全管理の抜け漏れを防ぎ、是正のやり直しを減らす

    安全管理の見落としも、工期を延ばす原因の一つです。危険予知(KY)活動でリスクを見落とせば、是正作業や工程の中断が発生し、その後の工程にも影響が及びます。さらに、安全関連の法令やガイドラインは継続的に更新されるため、最新の内容を踏まえてKY活動を行う負担も大きくなっています。

    そこで有効なのが、確認漏れを防ぐ仕組みです。作業内容に応じて想定されるリスクや必要な対策を提示する仕組みがあれば、安全確認が担当者の経験に左右されることが少なくなります。ベテランでも見落としてしまうような危険にも気づきやすくなるため、事故や手戻りを防ぎ、結果として工期の遅延も抑えられます。

ITツール(情報共有)で手戻りを防ぐ|施工管理アプリの活用ポイント

ここまで紹介した5つの方法のうち、特に「情報共有」「帳票作成」「安全管理」は、施工管理アプリの活用と相性が良い領域です。図面や帳票を関係者間で共有し、現場で記録を完結できるようにすれば、確認待ちや再入力、伝達ミスによる手戻りを減らせます。

ここでは、施工管理アプリ「eYACHO」を例に、現場でどのような使い方ができるのかを見ていきます。eYACHOは株式会社MetaMoJiが大林組と共同開発し、2015年8月に供を開始した施工管理アプリです。MM総研「建設業の施工管理支援アプリの利用動向調査(2025年12月)」では、ゼネコンでの利用シェア、スマートデバイス利用でのシェアのいずれも1位を獲得しています(※4)。

ITツール(情報共有)で手戻りを防ぐ|施工管理アプリの活用ポイント

同じ図面・帳票を複数人で同時に見ながら、指示のズレを減らす

現場で手戻りが起きる原因の一つが、関係者ごとに見ている情報が違うことです。古い図面をもとに施工してしまったり、口頭で伝えた指示の解釈が人によって分かれたりすると、あとから是正や再施工が必要になります。

eYACHOのShare機能では、同じノートや図面、帳票を複数人で共有し、同じ画面上に書き込みながら確認できます。現場監督・設計担当・協力会社が同じPDF図面を見ながら指示を入れられるため、「どの図面を見ているか」「どこを直すのか」が伝わりやすくなります。また、書き込みがいつの、誰によるものなのかを後で確認することができる点もメリットです。

写真への書き込みも、是正指示を正確に伝えるうえで有効です。現場で撮影した写真に丸囲みや矢印、コメントを書き込めば、修正箇所や対応内容を視覚的に共有できます。紙の是正指示書を清書して協力会社に送るなどの手間を減らせるだけでなく、言葉だけでは伝わりにくい細かなニュアンスも共有しやすくなります。

現場で帳票を完結させ、持ち帰り作業を減らす

紙の帳票に現場で記入し、事務所に戻ってからパソコンに入力し直す作業は、時間も手間もかかります。転記ミスが起きれば確認や修正も必要になり、結果として工期を圧迫する要因になります。

eYACHOは、紙の帳票やExcelで使っていた帳票を取り込み、タブレット上で入力できるテンプレートとして活用できます。手書き入力やテキスト入力、写真の貼り付け枠にも対応しているため、日報や検査記録などを現場で作成し、そのまま共有できます。

建設・土木・設備の専門用語に対応した手書き入力システム「建設mazec」を利用できるため、現場でスムーズに入力することが可能です。帳票間の転記を減らしたい場合は、スマートテンプレートも有効です。工事名・日付・現場情報などの共通項目を一度入力すれば、関連する帳票に転記することができます。日報の内容を週報・月報に集約する運用もできるため、同じ項目を何度も入力する手間や転記ミスを減らせます。

計測作業が多い現場では、BLuE連携により、レーザー距離計や温湿度計などの測定値を帳票に取り込むこともできます。なお、BLuE連携はスタンダード版以上、かつiOS版で利用できる機能です。

実際に大林組の現場では、朝礼準備にかかっていた時間が1~2時間から10〜20分にまで短縮された事例が紹介されています。帳票をテンプレート化したうえで、Share機能を活用して複数の担当者が同時に準備を進められるようにしたことが、時間短縮につながっています。

遠隔臨場・ビデオ通話で移動と確認待ちを減らす

段階確認や材料確認、立会のために発注者や関係者が現場へ移動する時間も、工期全体で見ると大きな負担になります。国土交通省は、ウェアラブルカメラなどで取得した映像・音声を使い、Web会議システムを介して段階確認・材料確認・立会を行う遠隔臨場を、受発注者双方の作業効率化につながる取り組みとして位置づけています(※3)。

eYACHOのGEMBA Talk(ビデオ通話機能)は、ビデオ通話をしながら同じ図面や帳票を確認できる機能です。段階確認や材料確認、立会のために発注者や関係者が現場へ移動する時間も、工期全体で見ると大きな負担になります。東日本高速道路(NEXCO東日本)の事例では、遠隔立会の試行により、移動にかかっていた時間が約500時間から240時間に削減されたと報告されています。現場との往復や立会前後の待機時間が減れば、その分の時間を別の業務に充てられます。

安全管理の見落としを防ぎ、作業中断ややり直しを防ぐ

安全管理の不備も、工期に影響します。危険予知(KY)活動でリスクを見落とすと、事故や作業中断、是正対応につながるおそれがあります。経験のある担当者でも、すべてのリスクを毎回漏れなく洗い出すのは簡単ではありません。

eYACHOの安全AIソリューションは、過去の災害事例、マニュアル、法令などをもとに、作業内容に応じたリスクや対策の検討を支援する機能です。KY活動や作業手順の確認時に活用することで、担当者の経験や勘だけに頼らず、安全対策を検討しやすくなります。

ただし、安全AIクライアントの利用はスタンダード版以上のライセンスが必要となりますので注意してください。

協力会社・夜勤昼勤の引き継ぎにおける情報の抜け漏れを減らす

協力会社が多い現場や、夜勤と昼勤で担当者が入れ替わる現場では、情報の引き継ぎ漏れが手戻りにつながりやすくなります。図面や帳票を紙で管理していると、持ち忘れや紛失、最新版が分からないといった問題も起こります。

夜勤と昼勤の引き継ぎでは、引継ノートを共有しておくことで、誰がいつ何を記録したのかを確認しやすくなります。口頭だけの引き継ぎに頼らず、図面・写真・メモを残しておけば、翌工程の担当者も状況を把握しやすくなります。

eYACHOでは、Share機能を使って同じ図面や帳票を関係者間で共有できます。協力会社向けには限定ユーザー版も用意されており、ベーシック版・スタンダード版・プレミアム版を利用している企業が、社外ユーザー向けに購入できます。限定ユーザー版は年額13,200円(税込)で、1ライセンスから利用することができます。また、トンネル坑内や山間部などの通信環境が不安定な現場でも、ノートや帳票の入力といった一部機能が利用可能です。オフライン状態で入力したデータは、電波が復帰したときに同期されるなど、現場を止めない設計がされています。

eYACHOは、iOS・iPadOS・Windows・Androidに対応しています。料金は、初期導入費用が330,000円(初年度のみ・税込)、ベーシック版が月額3,520円/人、年額31,680円/人(税込)からで、最小5ライセンスから導入できます。30日間の無料トライアルも用意されており、導入前に自社の現場で実際の運用に近い形で試すことができます。

まとめ

工期短縮は、作業を急ぐことではなく、待ち時間や手戻り、持ち帰り作業といったムダを減らすことで実現します。なかでも手戻りの多くは、古い図面での施工や認識の食い違い、情報共有の遅れなどが原因です。本記事で紹介した「施工計画の見直し」、「工程管理の可視化」、「情報共有のリアルタイム化」、「現場での帳票完結」、「安全管理の徹底」は、こうしたムダを減らし、工期を安定させるための取り組みです。

特に施工管理アプリを活用した情報共有は、手戻り防止と工期短縮の両方に効果が期待できます。現場・事務所・協力会社が同じ図面や帳票を共有できれば、確認待ちや伝達ミスを減らし、問題が大きくなる前に対応しやすくなります。2024年問題への対応が求められる今だからこそ、無理に作業スピードを上げるのではなく、業務の進め方を見直してムダを減らすことが、安全性と品質を維持しながら工期を短縮する近道です。まずは、自社の現場でどこに時間を取られているのかを整理することから始めてみてはいかがでしょうか。

施工管理アプリ「eYACHO」は、30日間の無料トライアルを用意しています。自社の業務にどのように活用できるかは、資料請求やお問い合わせからぜひご確認ください。

出典一覧

※1 厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」(時間外労働の上限規制の具体的な時間数・罰則) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/gyosyu/topics/01.html
※2 国土交通省「工期に関する基準」(著しく短い工期の禁止・建設業法第19条の5) https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/totikensangyo_const_tk1_000190.html
※3 国土交通省「建設現場における遠隔臨場に関する実施要領(案)」 https://www.mlit.go.jp/tec/content/001594449.pdf
※4 MM総研「建設業の施工管理支援アプリの利用動向調査(2025年12月)」 https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=710
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【監修】eYACHO編集部

施工管理アプリ「eYACHO」は、タブレット1つで現場の記録・共有・管理を可能にし、施工管理から安全管理まで幅広い業務をサポートします。
本コラムでは、建設業界の課題解決やDX推進に役立つ情報や最新動向をお伝えします。

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