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現場と事務所の往復をゼロに!
ビデオ通話×リアルタイム共有で移動を削減

「事務所に戻ったら今日はもう何もできない」「立会のために片道2時間かけて行ったのに、数分の確認で終わってしまった」。建設業の現場担当者であれば、誰もが一度は経験する光景ではないでしょうか。複数の現場を抱える施工管理担当者にとって、移動時間は最大の見えないコストです。

しかし、ビデオ通話ツールを単に導入するだけでは、この問題は解決しきれません。なぜなら、現場確認は「映像を見ること」だけで完結せず、書類の共有、数値の照合、承認のやり取りまで一連のフローが必要だからです。

本記事では、現場でビデオ通話を活用しても削減しきれない「隠れた移動時間」を可視化し、リアルタイム共有との組み合わせで初めて実現する真の移動時間削減について、実際の導入事例と国の制度設計をふまえて解説します。

現場と事務所の往復をゼロに!ビデオ通話×リアルタイム共有で移動を削減

なぜ建設業の移動時間は労働時間を圧迫しているのか

建設業における移動時間の問題は、単なる「現場が遠いから」という地理的な要因にとどまりません。労働人口の構造変化と法規制の強化が重なり、業界全体で看過できないテーマになっています。

国土交通省の令和7年版国土交通白書によると、2024年における建設業の55歳以上の就業者は全体の36.7%を占める一方、29歳以下はわずか11.7%です(※1)。さらに就業者数は1997年のピーク時685万人から2022年には479万人まで減少しており、約30年で200万人以上が建設現場から消えました(※2)。

加えて2024年4月からは、これまで適用が猶予されていた時間外労働の上限規制が建設業にも適用されています。原則として月45時間・年360時間、臨時的な特別の事情がある場合でも年720時間という枠が設定され、違反した使用者には6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます(※3)。

ここで問題になるのが、現場と事務所、現場間の移動です。立会のための往復、関係者との打合せ、急なトラブル対応など、現場担当者の労働時間のうち相当量が「車の中」で消えていきます。残業時間の上限が法律で厳格に区切られた以上、移動時間そのものを構造的に減らさなければ、業務量に対して労働時間が足りないという事態に陥ります。

ビデオ通話「だけ」では移動時間は削減しきれない

ここからが本題です。建設業向けのビデオ通話ツールは数多く存在しますが、現場で本当に移動時間を減らせているケースとそうでないケースには明確な差があります。

ビデオ通話だけでは、確認したい数値や図面、検査結果などの「資料」が同じ画面で扱えません。結局のところ、メールで書類をやり取りして印刷し、現場に持ち込み、確認後に承認書類を送り返すという周辺業務が残ります。映像を共有できたとしても、書類のやり取りで時間が削られていけば、トータルの業務時間は思ったほど縮まりません。

真に移動時間を減らすには、ビデオ通話と書類共有・書き込み・承認までを一つのプラットフォームで扱える状態が必要です。具体的には、現場と事務所が同じ図面や帳票を画面に映し、双方向で書き込みながら数値を照合し、その場で承認まで完了させる運用です。これが「ビデオ通話×リアルタイム共有」の組み合わせで実現する世界です。

国交省「遠隔臨場実施要領」への準拠が信頼の土台になる

公共工事に携わる事業者にとって、移動時間削減は単なる業務改善ではなく、発注者との合意形成が必要な業務プロセス変更です。ここで土台になるのが、国土交通省が令和5年に策定し令和6年に改定された「建設現場における遠隔臨場に関する実施要領」および「遠隔臨場による工事検査に関する実施要領(案)」です(※4)。

この実施要領では、ウェアラブルカメラなどの動画撮影機器とWeb会議システムを用いて、段階確認・材料確認・立会・協議といった工事プロセスを遠隔で実施することが正式に認められています。映像と音声の品質基準(画素数や通信速度)、記録の保存方法、不正撮影への監督処分など、運用上の留意点も明示されています。

また令和6年版では、検査の遠隔化に伴う情報セキュリティの確保についても新たに明記され、部外者が検査内容を聞き取れない場所での実施が求められています。

つまり、ビデオ通話×リアルタイム共有による移動時間削減は、もはや個別の企業判断によるDX施策ではなく、公共工事の正式な選択肢として制度化された業務手段です。発注者との事前協議のうえで適切に運用すれば、移動時間削減と契約上の履行管理を両立できます。

移動時間削減の「二次効果」は若手育成にまで波及する

移動時間削減の効果は、残業削減や生産性向上といった直接的な数字だけにとどまりません。阪神高速技術株式会社の事例では、削減によって生まれた時間的余裕が、若手人材の育成スタイルそのものを変えています(※本稿の参考とした同社の公開導入事例より)。

従来の育成は「現場同行」が中心でした。ベテランが若手を現場に連れて行き、現場で指導するスタイルです。しかし、ベテランの数が減り、複数現場を抱えるなかで、この方式には物理的な限界がありました。

ビデオ通話とリアルタイム共有を活用すると、若手が単独で現場に出ても、必要な瞬間に事務所のベテランとつながり、現場の状況を共有しながら判断を仰げます。結果として「つながりながら任せる」育成スタイルへ進化し、若手は自ら判断・行動する機会が増え、ベテランは事務所から複数の現場の若手を効率的に支援できるようになります。

さらに、ウェアラブルカメラと組み合わせれば、現場担当者が手を使いながら状況を共有できるため、より実践的な指導が可能になります。リモート朝礼によって朝礼会場への移動が不要になり、本来の業務時間を最大限有効に活用できる効果も生まれます。移動時間削減は単なる時短ではなく、組織全体の知の循環を加速させる仕組みでもあるのです。

導入時に押さえておきたい実務上のポイント

ビデオ通話×リアルタイム共有を建設現場に定着させるには、ツール選定だけでなく、運用設計の視点が欠かせません。導入を検討する際の実務的な留意点を整理します。

第一に、通信環境の確保です。山間部のトンネル工事、地下構造物、橋梁下部など、電波が届きにくい現場では、オフラインでの入力・閲覧が可能で電波回復時に自動同期される設計のツールが必須です。事前に通信テストを実施し、通信が途切れた際の代替フローを定めておくことが、令和6年版の遠隔臨場実施要領でも求められています。

第二に、URL発行や招待の手間を最小化するUX設計です。一般的なビデオ会議ツールは、会議URLを生成して関係者に送付し、各人がリンクをタップして参加する流れが必要です。現場ではこの数ステップがハードルになり、結局電話に戻ってしまうケースが少なくありません。施工管理アプリのノートから直接ワンボタンで通話を開始できる設計であれば、現場での運用負荷が大きく下がります。

第三に、協力会社・関係者を含めた展開設計です。元請けだけが使っていても、現場全体の移動時間は減りません。協力会社向けに低コストで配布できるライセンス体系があるか、操作が直感的で講習負担が少ないかが、定着率を左右します。

第四に、書類フォーマットの再利用性です。既存のExcelやPDF帳票をそのままテンプレート化できるツールであれば、業務フローを変えずに移行でき、現場の抵抗感を最小限に抑えられます。

まとめ

建設業における移動時間の削減は、もはや「あれば便利な業務改善」ではなく、2024年問題と人手不足という構造的課題に対応するための必須テーマです。しかしビデオ通話ツールを単に導入するだけでは、書類のやり取りや承認の周辺業務が残るため、効果は限定的になります。

真の移動時間削減を実現するには、ビデオ通話とリアルタイム共有を一体化させ、現場と事務所が同じ画面で書類確認・書き込み・承認まで完結できる運用が必要です。削減された時間は若手育成やコア業務への投資へと再配分することが出来ます。

国土交通省の遠隔臨場実施要領という制度的後ろ盾も整い、公共工事を含めて遠隔化が正式な選択肢となった今、建設業の現場担当者にとって「移動時間 削減 ビデオ通話」というテーマは、検討段階から実装段階へと移っています。自社の現場特性に合った組み合わせを見極め、まずは1〜2現場のパイロット運用から始めることをおすすめします。


現場と事務所の往復を本当に減らしたい方へ

eYACHO for Businessは、ビデオ通話機能「GEMBA Talk」とリアルタイム共有機能「Share」を一体で備えた、建設現場向けの施工管理アプリです。ノートからワンボタンで通話を開始でき、同じ図面・帳票に複数人が同時に書き込めるため、移動時間ゼロでの立会・確認・承認が実現します。30日間の無料トライアルで現場検証が可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

詳細は eYACHO 公式サイト( https://product.metamoji.com/gemba/eyacho/ )をご覧ください。


出典一覧

※1 国土交通省「令和7年版 国土交通白書」 https://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/r06/hakusho/r07/pdf/np101100.pdf
※2 国土交通省「最近の建設業を巡る状況について」(国土交通白書 第1章 直面する課題) https://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/r06/hakusho/r07/html/n1111000.html
※3 厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/gyosyu/topics/01.html
※4 国土交通省 大臣官房技術調査課「遠隔臨場による工事検査に関する実施要領(案)」(令和6年3月) https://www.mlit.go.jp/tec/content/001736204.pdf
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【監修】eYACHO編集部

施工管理アプリ「eYACHO」は、タブレット1つで現場の記録・共有・管理を可能にし、施工管理から安全管理まで幅広い業務をサポートします。
本コラムでは、建設業界の課題解決やDX推進に役立つ情報や最新動向をお伝えします。

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