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建設小町(女性技術者)が活躍できる現場づくり!
DXツールで環境を整備する方法

建設業で働く女性は「けんせつ小町」と呼ばれ、技術者・技能者・事務職・営業職と多様な分野で活躍しています。しかし、就業者数は87万人を数える一方、技術者に占める女性比率は約1割、技能者では1割未満にとどまり、入職者数に対する離職者数の割合が全産業より高い年もあるなど、定着が依然として大きな課題です(※1)(※2)。

本記事では、トイレや更衣室といった現場の物理的な整備にとどまらず、「業務そのものをどう変えるか」という観点から、女性技術者・技能者が長く活躍できる環境づくりを掘り下げます。とくに、現場業務を抜本的に変えるDX(デジタルトランスフォーメーション)ツールが、なぜ女性活躍と直結するのか、現場で実証された具体的な効果とあわせて解説します。

建設小町(女性技術者)が活躍できる現場づくり!

建設業における女性活躍の現状と「定着」の壁

日本建設業連合会の集計によると、建設業の女性就業者数は2018年以降80万人台で推移し、2024年には87万人となりました。このうち技術職は約4万人と2002年以降最高水準です(※2)。一方、国土交通省の調査では、回答企業における就業者の女性比率は事務系では38%に達するものの、技術者・技能者ではいずれも1割以下にとどまっています(※3)。

2014年策定の「もっと女性が活躍できる建設業行動計画」以降、官民一体の取り組みが続いてきましたが、国土交通省は2025年3月に新たな実行計画を策定。「トップの意識を変えて、現場が変わる」を副題に、担い手確保につなぐ環境づくりを掲げました(※1)。

あわせて、女性活躍推進法の改正により、2026年4月1日からは常時雇用する労働者が101人以上の企業に、男女間賃金差異と女性管理職比率の公表が義務付けられます(※7)。建設業もこの流れの中にあり、もはや「女性が働きやすい現場づくり」は経営課題そのものになりました。

なお、けんせつ小町とは現場で働く技術者・技能者だけを指す言葉ではありません。日本建設業連合会の定義では、土木構造物や建物の設計者、研究所で新技術を開発する研究者、お客様とプロジェクトを進める営業担当者、会社の運営を支える事務職など、活躍の舞台は多岐にわたります(※8)。だからこそ、現場環境整備の対象も「現場で働く女性」だけに限定せず、サポート部門を含めた組織全体の働き方を視野に入れる必要があります。

ただし、ここで強調したいのは、女性の定着を阻んでいるのは「力仕事」や「肉体的なきつさ」だけではない、ということです。本質はもっと別の場所にあります。

なぜ女性が定着しにくいのか?本質は「持ち帰り残業の構造」にある

国土交通省の実行計画では、女性の定着促進に向けて「働きつづけられるための環境整備」が重点課題と位置付けられました(※1)。建設業は長時間労働や休日の少なさ、現場と事務所の往復にかかる時間、家庭との両立の難しさといった構造的な課題を抱えており、これらが女性に限らず担い手の定着を妨げる要因として知られています。

建設業の年間出勤日数は調査産業計より26日、製造業より11日多い水準にあります(※2)。さらに、現場の業務が日中の作業で終わらず、事務所に戻ってからの帳票作成・写真整理・翌日の朝礼準備に時間を取られる「持ち帰り残業」が常態化しがちです。週休二日制の浸透や、2024年4月から建設業にも適用された時間外労働の上限規制(原則として月45時間・年360時間)を背景に、この構造の見直しが急務になっています(※4)。

ここで重要なのは、トイレや更衣室のハード整備をいくら進めても、「日中に終わらない仕事量」と「事務所での再入力作業」が残れば、女性の定着は進まないという点です。とくに育児や介護を担う期間には、夜遅くまでの事務所滞在や休日対応がそのまま離職要因になります。けんせつ小町が活躍できる現場づくりとは、結局のところ、業務の構造そのものを変えることに帰着するのです。

国土交通省のアンケートでは、女性活躍に向けた取組を進めていない企業の理由として「人的余裕のなさ」がもっとも多く挙げられました(※3)。つまり、現場の担当者が女性活躍推進の検討に時間を割けないほど、日常業務に追われているということです。一見「鶏と卵」のジレンマに見えますが、ここに突破口があります。日常業務の時短がそのまま女性活躍推進の余白を生む——だからこそ、DXによる業務時短は、女性活躍の入り口としてもっとも実効性が高い打ち手だと言えます。

現場環境整備で見落とされがちな「情報の働き方」という観点

日本建設業連合会の「現場環境整備マニュアル」は、女性が働きやすい設備・運営・育児支援の4本柱で構成されており、現場環境整備チェックリストとあわせて、業界標準のリファレンスとなっています(※5)。物理的な整備は引き続き重要ですが、ここに「情報の働き方」という観点を加える必要があります。

情報の働き方とは、誰が・いつ・どこで情報を入力し、共有し、承認するかという業務フローのことです。紙の野帳に書き、事務所のPCで打ち直し、メールで送り、印刷して提出する。この多重作業が残っているかぎり、「現場の人」は事務所に縛られ続けます。逆に、現場で入力した情報がそのままクラウドに保存され、関係者と即時共有され、PDF出力まで完結する仕組みがあれば、現場の人は現場で仕事を終えられます。これが、女性をはじめ多様な人材の定着につながる本質的な現場環境整備です。

実際、国土交通省の令和6年度アンケートでは、「技能者の女性で子育てが始まっても、技術者に転籍して自宅からリモートで現場のサポート(施工図の作成等)を行う」といった事例が紹介されています(※3)。この働き方は、情報を一元的にやり取りできるデジタル基盤があってこそ成立するものです。

DXツールが変える、女性が働きやすい現場の5つのポイント

ここからは、施工管理アプリeYACHOを例に、DXツールが女性活躍にもたらす具体的な変化を5つのポイントに分けて整理します。eYACHOは大林組とMetaMoJiが2015年から共同開発し、ゼネコンでの利用シェアNo.1・スマートデバイス利用シェアNo.1(MM総研2025年12月調査)を獲得している施工管理アプリです(※9)。

  • 1. 朝礼準備の劇的な時短で「日中で終わる仕事」をつくる

    eYACHOの導入事例では、大林組の建築現場で数時間かかっていた朝礼準備が10分弱に短縮されたケースが公開されています。eYACHOで作成・管理しているキープラン(現場の作業箇所一覧図)をデジタルサイネージに投影し、手元のiPadで拡大表示しながら朝礼を進める運用です。準備の中核となるキープラン編集は、Share機能で複数人が同時に書き込めるため、一人に作業が集中することがなくなりました。

    朝礼準備が短縮されると、早朝・夜間の事務作業が減り、結果として持ち帰り残業や時間外労働が圧縮されます。これは育児・介護期の女性技術者だけでなく、すべての社員にとって働き方の改善に直結する変化です。

  • 2. 現場で帳票が完結する設計—事務所往復を消す

    紙の野帳に書いて事務所のPCで打ち直す作業は、「現場の人」が「事務所に戻ってくる人」になる主因です。eYACHOは紙の野帳と同じ感覚でiPad上に手書き入力でき、撮影した写真を貼り付け、図面に書き込み、帳票として一括出力できます。建設・施工管理・設備・住宅・不動産の専門用語約4万語を搭載した「建設mazec」(手書き入力システム)は、ITに不慣れな職員でも違和感なく使えるよう設計されています。

    事務所への往復が消えると、女性技術者・技能者にとって通勤・移動の負荷が大幅に軽減されます。また、現場で完結することで、保育園のお迎え時間に合わせた退勤も現実的になります。

  • 3. Share機能による情報共有—孤立しないチームづくり

    大林組JVが施工する千住関屋ポンプ所建設現場の導入事例では、職員全員がeYACHOを使い、安全当番の打合せ簿作成が午前中いっぱいから10分程度に短縮されたことが公開されています。各職長への電話確認や手入力のExcelまとめが、全員のタブレットからの同時入力に切り替わり、伝言ミスもなくなったといいます。

    物理的に現場を歩き回って情報を集める必要がなくなることは、妊娠期や体調に波がある期間でも、情報の中核から外れずに業務に関与できることを意味します。Share機能で同じノート・図面・帳票に複数人が同時書き込みできる仕組みは、女性が孤立しがちな大規模現場における「見えない情報格差」を解消する有力な手段です。

  • 4. GEMBA Talk(遠隔臨場)—「現場常駐」を前提としない技術者キャリア

    eYACHOに内蔵されたビデオ通話機能「GEMBA Talk」は、現場と事務所をリアルタイムでつなぎ、図面や帳票を共有しながら遠隔で打ち合わせや臨場検査ができる仕組みです。国土交通省の遠隔臨場に関する実施要領に沿った運用が可能で、東日本高速道路株式会社の導入事例では、遠隔立会の活用により移動時間を従来の500時間以上から240時間へと半分以下に削減できたことが公開されています。

    この技術が女性活躍にもたらす意味は大きいと言えます。育児・介護期の女性技術者が、事務所や自宅から現場の状況をリアルタイムに把握し、図面に書き込みながら指示を出せます。「現場常駐」を前提としないキャリアパスが現実的に成立するのです。これまで離職を選ぶしかなかった層に対し、「在籍しながら能力を発揮し続ける」第三の選択肢を提示できます。

  • 5. 安全AI—経験差を補い、女性技術者の早期戦力化を支える

    eYACHOの安全AIソリューションは、過去の労働災害事例や法令・ガイドラインを学習させたデータベースから、作業内容に応じた潜在リスクと対策を提示する機能です。大林組の導入事例では、若手職員がベテラン職長の作成した作業手順書を安全AIで検索し、不足するリスク対策を補って修正するシーンが生まれています。

    新規採用される技術者の女性比率は20%にのぼる一方、技能者では6%にとどまります(※3)。技術者の中でも、女性は経験年数の浅い層が相対的に多い構造です。安全AIは、ベテランの経験差を埋める「もう一人の先輩」として、女性技術者の早期戦力化を支える役割を担います。経験ではなくシステムで安全を担保する仕組みは、性別や年齢を問わず一定水準のKY(危険予知)活動を実施できる土台を提供します。

女性のキャリア継続を支える環境整備—事例から見える具体策

DXツールの導入と並行して、次の環境整備が女性のキャリア継続に直結します。

項目 整備のポイント DXツールとの組み合わせ
ハード面 男女別の更衣室・トイレ(快適トイレ)、シャワー設備 場所の制約を超えた働き方が併用可能に
制度面 育児休業給付金、短時間勤務、フレックスタイム 遠隔臨場により短時間でも現場に関与できる
風土面 ハラスメント対策、ロールモデルの可視化 リアルタイム共有で情報格差を解消
キャリア面 技能者から技術者への転籍、メンター制度 在宅・事務所からの現場サポートが可能
安全面 妊娠中・育児中の作業配慮、KY活動の高度化 安全AIによるリスク提示で経験差を補完

国土交通省は、現場の「快適に利用できるトイレ」に関する事例集や、出産・育児等と仕事の両立支援パンフレットを公開しており、ハード・制度の両面から実装可能な打ち手を整理しています(※1)(※6)。また、日本建設業連合会が公開する「現場環境整備チェックリストWeb版」は、現場の整備状況を簡易に診断できる無料ツールで、自社の現状把握に有効です(※5)。

女性活躍推進法の改正と建設業の対応

2025年6月に公布された女性活躍推進法の改正により、法律の有効期限が2036年3月まで延長されたほか、2026年4月1日からは常時雇用する労働者が101人以上の事業主に、男女間賃金差異と女性管理職比率の情報公表が義務化されます(※7)。

建設業は中小事業所が多い産業構造ですが、元請ゼネコン・準大手・サブコンの多くは公表義務の対象となります。情報公表の準備とあわせて、「公表できる数値」を改善するための実行計画が求められます。具体的には、女性管理職パイプラインの整備、賃金体系の見直し、そして本記事で示してきたとおり、定着率を高めるための業務構造の変革です。

公表義務は単なるコンプライアンス対応ではなく、人材獲得競争における可視化ツールでもあります。求職者は公開された数値を見て応募先を選ぶ時代に入りました。だからこそ、DXツールを活用した働き方の変革は、攻めの人材戦略として位置付けるべきテーマになります。

まとめ

建設小町、すなわち女性技術者・技能者・事務職が活躍できる現場づくりは、トイレ・更衣室といったハード整備にとどまらず、業務構造そのものを変えるDXの推進と一体で進める必要があります。女性建設業の働き方環境整備においては、持ち帰り残業を生む業務フローの解体、現場常駐を前提としない働き方の確立、そして経験差を補う仕組みの導入が、定着率向上の鍵となります。

施工管理アプリeYACHOは、現場で帳票が完結する手書き入力、Share機能によるリアルタイム共有、遠隔臨場を可能にするGEMBA Talk、経験差を埋める安全AIといった機能群によって、これらの構造変革を具体的に支えるツールです。大林組や東日本高速道路をはじめとする導入企業では、朝礼準備や遠隔立会で大幅な時短効果が公開されており、女性のキャリア継続を支える基盤として有効に機能しています。

2026年4月の女性活躍推進法改正による情報公表義務の拡大を控え、女性が活躍できる現場づくりは経営課題そのものです。ハード・制度・風土・キャリア・安全の5側面に、DXによる業務変革を組み合わせることで、けんせつ小町がいきいきと働ける環境は実現できます。


eYACHOは30日間の 無料トライアル で製品版と同等の機能をお試しいただけます。導入相談・ 資料請求 は、株式会社MetaMoJiの問い合わせ窓口よりお問い合わせください。


出典一覧

※1 国土交通省「建設産業における女性の定着促進に向けた取組について」 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/totikensangyo_const_tk1_000088.html
※2 一般社団法人 日本建設業連合会「建設業デジタルハンドブック 4. 建設労働」 https://www.nikkenren.com/publication/handbook/chart6-4/index.html
※3 国土交通省「令和6年度建設産業における女性定着促進に関する実態等調査結果(アンケート調査)」 https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001843500.pdf
※4 厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/gyosyu/topics/01.html
※5 一般社団法人 日本建設業連合会 けんせつ小町「環境整備コンテンツ(現場環境整備マニュアル・チェックリスト)」 https://www.nikkenren.com/komachi/manual.html
※6 国土交通省「建設現場における『快適に利用できるトイレ』に関する事例集」 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001873278.pdf
※7 厚生労働省 Webマガジン「女性活躍の更なる推進に向けて―女性活躍推進法改正で何が変わる?」 https://www.mhlw.go.jp/web_magazine/series/20260220.html
※8 一般社団法人 日本建設業連合会「けんせつ小町とは?」 https://www.nikkenren.com/komachi/overview.html
※9 株式会社MM総研「建設業の施工管理支援アプリの利用動向調査(2025年12月)」 https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=710
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【監修】eYACHO編集部

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