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配筋検査を効率化する方法|
チェック項目と写真撮影のポイント

【この記事でわかること】

  • ・ 配筋検査とは何か、なぜ重要なのか
  • ・ 配筋検査で確認すべき主なチェック項目
  • ・ 検査写真の撮影における注意点とコツ
  • ・ 配筋検査を効率化するための具体的な方法
  • ・ デジタルツールを活用した検査業務の改善策

鉄筋コンクリート構造物の品質を左右する重要な工程が「配筋検査」です。コンクリートを打設すると内部の鉄筋は見えなくなるため、打設前に確実な検査を行うことが欠かせません。しかし、配筋検査は確認項目が多く、写真撮影や記録作成に多くの時間を要するという課題があります。ここでは、配筋検査の基礎知識から効率化の方法、デジタルツールの活用まで詳しく解説します。

配筋検査

配筋検査とは何か

配筋検査は、鉄筋コンクリート構造物の施工において、コンクリート打設前に鉄筋の配置状況を確認する検査です。建物の構造性能を確保するうえで極めて重要な工程として位置づけられています。

参考:国土交通省「官庁営繕事業の建設現場におけるデジタルデータを活用した配筋検査試行要領」 https://www.mlit.go.jp/gobuild/content/001594736.pdf

配筋検査の定義と目的

配筋検査とは、設計図書に記載された仕様通りに鉄筋が配置されているかどうかを確認する検査のことです。主に次のような項目をチェックします。

  • ・ 鉄筋の種類
  • ・ 太さ
  • ・ 本数
  • ・ 間隔
  • ・ かぶり厚さ

配筋検査の目的は、構造物の強度と耐久性を確保することにあります。鉄筋は引張力に対する抵抗力を担い、コンクリートは圧縮力に対する抵抗力を担うという役割分担があるためです。鉄筋が適切に配置されていなければ、設計上期待される構造性能を発揮できません。

参考:公益社団法人 日本コンクリート工学会「鉄筋コンクリート構造」 https://www.jci-net.or.jp/j/concrete/kiso/RC.html

配筋検査が重要な理由

コンクリートを打設してしまうと、内部の鉄筋を目視で確認することは不可能になります。もし打設後に鉄筋の配置不良が発覚した場合、コンクリートをはつり取って修正するか、最悪の場合は構造物全体をやり直すことになりかねません。このような事態を防ぐため、打設前の段階で徹底した検査を行い、問題があれば修正する必要があります。また、検査記録は構造物の品質を証明する重要な書類となり、完成後も長期にわたって保管されます。

配筋検査の実施者と検査体制

配筋検査は、施工者による自主検査と、監理者による立会検査の二段階で実施されることが一般的です。まず施工者が自主検査を行い、問題がないことを確認したうえで、監理者(設計事務所や第三者検査機関など)に検査の立会いを依頼します。公共工事では発注者の検査を受けることもあります。検査に合格しなければコンクリート打設に進むことができないため、スケジュール管理の観点からも、確実な検査体制を構築することが重要です。

配筋検査で確認する主なチェック項目

配筋検査では、設計図書に基づいて多数の項目をチェックします。項目ごとの確認ポイントを理解しておくことで、漏れのない検査が可能になります。

鉄筋の種類と径の確認

使用されている鉄筋が設計図書で指定された種類(SD295A、SD345など)であるか、また径(D10、D13、D16など)が正しいかを確認します。確認方法は次の通りです。

  • ・ 種類:圧延マークやタグで識別する
  • ・ 径:ノギスやスケールで測定する

異なる種類や径の鉄筋が混入していると、構造計算上の強度が確保できなくなるため、入念な確認が必要です。特に、複数の鉄筋径が混在する部位では、それぞれが正しい位置に配置されているかも確認します。

鉄筋の配置と間隔の確認

鉄筋が設計図書で指定された本数だけ配置され、かつ所定の間隔(ピッチ)で並んでいるかを確認します。
対象は主に次の鉄筋です。

  • ・ 主筋
  • ・ 配力筋
  • ・ せん断補強筋(スターラップ、フープ)

間隔の測定にはスケールやコンベックスを使用し、許容誤差の範囲内に収まっているかを判断します。間隔が狭すぎるとコンクリートの充填不良の原因となり、広すぎると構造性能が低下するため、適正な範囲を維持することが重要です。

かぶり厚さの確認

かぶり厚さとは、鉄筋の表面からコンクリート表面までの最短距離のことです。かぶり厚さが不足していると、外部からの水分や塩分が鉄筋に到達しやすくなり、鉄筋が腐食して構造物の耐久性が損なわれます。
スペーサーやバーサポートが適切に配置され、所定のかぶり厚さが確保されているかを確認します。屋外に面する部位や水に接する部位では、より厚いかぶり厚さが要求されるため、部位ごとの設計値を確認しながら検査を進めます。

鉄筋の継手と定着の確認

鉄筋の継手(重ね継手、圧接継手、機械式継手など)が設計図書で指定された方法で施工され、必要な長さや品質が確保されているかを確認します。

  • ・ 重ね継手:重ね長さを測定する
  • ・ 圧接継手:膨らみの直径や偏心量などを検査する

また、鉄筋の端部が所定の長さだけコンクリート内に埋め込まれる「定着」についても、定着長さが確保されているかをチェックします。継手や定着の不良は構造性能に直結するため、特に慎重な確認が求められます。

鉄筋の結束と固定状況の確認

鉄筋同士が適切に結束され、コンクリート打設時の振動や衝撃で動かないように固定されているかを確認します。主な確認ポイントは次の通りです。

  • ・ 結束線が緩んでいないか
  • ・ スペーサーの数が不足していないか
  • ・ 型枠に接する部分やコーナー部分が動きやすくなっていないか
  • ・ 配筋作業中に踏まれる、資材が載るなどで変形した鉄筋がないか

結束線が緩んでいたり、スペーサーの数が不足していたりすると、打設中に鉄筋が移動してかぶり厚さや間隔が変化してしまう恐れがあります。

開口部補強筋と特殊配筋の確認

設備配管や窓の開口部周辺には、応力集中を防ぐための補強筋が配置されます。斜め補強筋や増し筋が設計図書通りに配置されているか、本数や長さが適正かを確認します。
また、梁貫通部や柱梁接合部など、応力が集中しやすい箇所の配筋も念入りにチェックします。これらの特殊配筋は構造上重要な役割を担うため、検査時には図面と現場を照らし合わせながら、一つひとつ確認することが大切です。

配筋検査における写真撮影のポイント

配筋検査では、検査結果を証明するための写真撮影が欠かせません。適切な写真を残すことで、後から検査内容を検証することが可能になります。

撮影前の準備と黒板の記載事項

写真撮影の前に、撮影対象となる部位の清掃を行い、鉄筋がよく見える状態にしておきます。黒板(小黒板)には、工事名、撮影日、撮影箇所、確認項目、測定値などを記載します。黒板の内容が写真に明確に写るよう、文字の大きさや記載位置にも配慮が必要です。また、スケールやマーキングを使って測定値を示す場合は、数値が読み取れるように配置します。撮影前に黒板の記載内容に間違いがないか、再度確認することも重要です。

参考:国土交通省「営繕工事写真撮影要領 令和5年版(2023年3月1日)」 https://www.mlit.go.jp/gobuild/content/001589800.pdf

撮影角度と構図の工夫

配筋検査の写真は、検査項目の内容が明確に分かる構図で撮影する必要があります。鉄筋の本数や間隔を示す写真では、鉄筋の並びが分かるように正面から撮影します。かぶり厚さを示す写真では、スペーサーと鉄筋、型枠との関係が分かる角度から撮影します。継手部分の写真では、継手の種類と長さが確認できるよう、適切な距離から撮影します。全景写真と詳細写真を組み合わせ、どの部位のどの項目を撮影したのかが後から分かるようにしておくことが大切です。

撮影枚数と管理方法

配筋検査では、確認項目ごと、部位ごとに相当数の写真が必要になります。撮り忘れを防ぐため、事前に撮影計画を立て、必要な写真のリストを作成しておくことをおすすめします。撮影した写真は、その日のうちに整理し、ファイル名やフォルダ分けで管理します。大量の写真を後から整理するのは非常に手間がかかるため、撮影と同時に整理を進める習慣をつけることが効率化のポイントです。

配筋検査を効率化する5つの方法

配筋検査は確認項目が多く時間がかかる作業ですが、工夫次第で効率化を図ることができます。以下に、効果的な効率化の方法を紹介します。

チェックリストを活用して漏れを防げる

検査項目を網羅したチェックリストを事前に作成し、検査時に順番にチェックしていく方法が効果的です。チェックリストがあると、次の点で役立ちます。

  • ・ 確認漏れを防ぎ、検査の抜けを減らせる
  • ・ 部位ごと、工程ごとに用意することで、検査の進捗状況を可視化できる
  • ・ どこまで終わったかが一目で分かる

チェックリストは過去の検査経験を反映して随時更新し、より精度の高い検査ができるよう改善していくことが重要です。

事前の打ち合わせで検査ポイントを共有できる

配筋検査の前に、施工者と監理者の間で検査ポイントを共有しておくことで、検査当日のスムーズな進行が可能になります。特に注意が必要な箇所や、過去にトラブルがあった部位については、重点的に確認する旨を事前に伝えておきます。また、検査の順序や立会いのタイミングについても事前に調整し、待ち時間を最小限に抑える工夫が有効です。打ち合わせ内容は書面で記録し、関係者間で認識を統一しておくことが大切です。

自主検査を徹底して手戻りを減らせる

監理者の立会検査の前に、施工者が自主検査を徹底して行うことで、指摘事項の発生を減らし、検査のやり直しを防ぐことができます。自主検査で問題を発見して修正しておけば、立会検査がスムーズに進み、結果として工程全体の効率化につながります。自主検査用のチェックシートを作成し、複数の目で確認する体制を整えることで、見落としのリスクを軽減できます。

写真撮影と記録作成を同時に進められる

従来は、現場で写真を撮影した後、事務所に戻ってから写真整理や帳票作成を行うという流れが一般的でした。しかし、この方法では作業が二度手間になり、時間がかかります。写真撮影と同時にその場で記録を作成できる仕組みを導入すれば、大幅な時間短縮が可能です。タブレット端末を活用し、撮影した写真にすぐコメントを追加したり、帳票に反映させたりする方法が有効です。

デジタルツールで検査記録を一元管理できる

紙の検査記録や写真データをバラバラに管理していると、後から必要な情報を探すのに時間がかかります。クラウド型の施工管理ツールを活用すれば、検査記録、写真、図面などを一元的に管理でき、必要な情報にすぐにアクセスできるようになります。また、データがクラウド上に保存されるため、紛失のリスクも軽減されます。複数の担当者が同時にデータを確認・編集できる点も、チームでの作業効率を高めるメリットとなります。

配筋検査の効率化とデジタル化を支援する「eYACHO」

配筋検査の効率化と確実な記録管理を実現するなら、施工管理アプリ「eYACHO(イーヤチョウ)」の活用が効果的です。現場の検査業務をデジタル化し、品質管理の高度化を支援します。

電子小黒板で撮影と記録を同時に完了

電子小黒板で撮影と記録を同時に完了

eYACHOは電子小黒板機能を搭載しており、タブレットやスマートフォンで工事写真を撮影する際に、黒板情報を画面上に表示した状態で撮影できます。ポイントは次の通りです。

  • ・ 撮影日時、工事名、撮影箇所などの情報が自動的に写真に埋め込まれる
  • ・ 物理的な黒板を持ち歩く必要がない
  • ・ 黒板のテンプレートを登録しておけば、現場での入力作業も最小限に抑えられる

撮影した写真を自動で整理・分類

eYACHOで撮影した写真は、自動整理機能によって整理できます。部位別、工程別、日付別など、さまざまな切り口で写真を管理でき、後から必要な写真を探す手間が大幅に削減されます。また、図面上の位置と写真を紐付けて管理することも可能で、どの場所で撮影した写真かが一目で分かるようになります。

工事写真台帳を自動で作成

eYACHOには、撮影した写真から工事写真台帳を自動作成する機能があります。

  • ・ 写真と黒板情報、コメントなどを自動的にレイアウトし、台帳形式の書類として出力できる
  • ・ 手作業で写真を貼り付け、コメントを入力する作業が不要になり、書類作成時間を大幅に短縮できる
  • ・ J-COMSIAのデジタル工事写真の小黒板情報電子化対応ソフトウェアに認定されており、工事写真の電子納品にも対応している
参考:J-COMSIA「小黒板情報電子化」 https://www.jcomsia.org/kokuban

配筋検査の効率化と品質記録の確実な管理を進めるなら、eYACHOの導入をご検討ください。

施工管理アプリ「eYACHO」無料トライアルはこちら https://mps.metamoji.com/mmjTrialLicenseWeb/customer/ja/trialentry.html?pid=TRIAL_EYACHO
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【監修】eYACHO編集部

施工管理アプリ「eYACHO」は、タブレット1つで現場の記録・共有・管理を可能にし、施工管理から安全管理まで幅広い業務をサポートします。
本コラムでは、建設業界の課題解決やDX推進に役立つ情報や最新動向をお伝えします。

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