【この記事でわかること】
- ・ 建設DXの定義と、なぜ今注目されているのか
- ・ 建設業界が直面している4つの課題
- ・ 建設DXで活用される主なデジタル技術
- ・ DX導入のメリットと成功のポイント
- ・ 現場から始められるDXの具体的な第一歩
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【この記事でわかること】
建設業界では「DX」という言葉をよく耳にするようになりましたが、具体的に何を指すのかよくわからないという方も多いのではないでしょうか。人手不足や働き方改革への対応が求められる中、建設DXは業界の課題を解決する有効な手段として注目を集めています。この記事では、建設DXの基礎知識から導入のポイント、現場で始められる具体的な取り組みまでを解説します。
建設DXとは、AIやIoT、クラウドなどのデジタル技術を使って、建設業の業務の流れや働き方を見直し、生産性や品質を高めていく取り組みです。単にITツールを入れるだけではなく、仕事の進め方そのものを変えていく点がポイントになります。
DX(デジタルトランスフォーメーション)について、経済産業省の「デジタルガバナンス・コード2.0」では、次のような考え方として整理されています。
建設業界でも、現場の効率化だけでなく、経営判断のスピードや品質の安定につなげるために、DXの重要性が高まっています。
建設DXが求められる背景には、業界特有の深刻な課題があります。ここでは代表的な4つの課題を整理します。
建設業界では就業者数の減少が続いており、ピーク時の1997年には685万人いた就業者が、近年では500万人を下回る水準(令和6年平均で477万人)まで減少しています。さらに深刻なのは高齢化で、55歳以上の就業者が全体の36.7%を占める一方、29歳以下は11.7%にとどまっています。
参考:厚生労働省「建設労働をめぐる情勢について(2025年10月15日)」 https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001592320.pdfこの状況は単純な労働力不足だけでなく、ベテラン職人が持つ技術やノウハウを次世代に継承できないという問題も引き起こしています。熟練工が引退していく中で、限られた人材でいかに生産性を維持・向上させるかが喫緊の課題となっているのです。
2024年4月から、建設業界にも時間外労働の上限規制が本格適用されました。押さえるべきポイントは次の通りです。
限られた時間で成果を出すには、紙や移動に頼っていた作業を減らし、情報共有や記録を効率化する必要があります。
参考:厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制 (旧時間外労働の上限規制の適用猶予事業・業務)」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/gyosyu/topics/01.html建設業の労働生産性は、他業種と比較して低い水準にあるとされています。現場ごとに環境や条件が異なるため業務の標準化が難しく、適切な人員配置ができないケースも少なくありません。
また、紙ベースでの情報管理や、現場と事務所間の移動時間など、デジタル化によって改善できる余地が多く残されています。生産性向上のためには、これらの非効率な作業をいかに削減するかが重要なポイントです。
建設業界では、図面や作業指示書の共有、現場確認などで対面でのコミュニケーションが重視されてきました。そのため、他業界で進むテレワークなどの新しい働き方の導入が遅れている傾向があります。
コロナ禍以降は全国平均で「より戻し」が見られる一方、従前よりは高い水準を維持し、定着傾向にあるという調査結果もあります。現場作業が中心の業界ではあるものの、事務作業や打ち合わせなど、デジタル化によって効率化できる業務は多く存在しているのが実情です。
国土交通省「令和6年度テレワーク人口実態調査-調査結果(概要)-」 https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001878996.pdf建設DXではさまざまなデジタル技術が活用されています。ここでは代表的な技術とその活用場面を紹介します。
インターネット経由で図面や写真、書類を共有・管理できるクラウドサービスは、建設DXの基盤となる技術です。現場とオフィス、協力会社との情報共有がリアルタイムで行えるようになり、紙の書類を持ち運ぶ必要がなくなります。
スマートフォンやタブレットから最新の図面を確認したり、現場で撮影した写真をその場で共有したりできるため、移動時間の削減や情報伝達の正確性向上に大きく貢献します。
AI(人工知能)は、現場写真の自動分類や進捗状況の可視化、建築物の安全性判定など、さまざまな場面で活用されています。熟練工の技術をデータ化して分析することで、技術継承の課題解決にも役立てられています。
また、画像解析技術を用いた配筋検査の自動化や、構造物の劣化検知なども実用化が進んでおり、検査業務の効率化と品質向上を両立させることが可能になっています。
ドローンは測量や現場の進捗確認、高所や危険箇所の点検など、幅広い用途で活用されています。従来は人手で何日もかかっていた広範囲の測量も、ドローンを使えば短時間で3次元データを取得できるようになりました。
ICT建機は、位置情報を活用した自動制御機能を搭載した重機です。熟練オペレーターの技術に頼らずとも高精度な施工が可能となり、品質の均一化と省人化を実現しています。
参考:国土地理院「無人航空機(UAV)を用いた公共測量~UAV写真測量~」 https://www.gsi.go.jp/KOUKYOU/sokuryosidou41042.html 参考:国土交通省「建設施工・建設機械:ICTの全面的な活用」 https://www.mlit.go.jp/tec/constplan/sosei_constplan_tk_000031.htmlBIM(Building Information Modeling)とCIM(Construction Information Modeling)は、建築物や土木構造物を3次元モデルで設計・管理する技術です。設計段階から施工、維持管理まで一貫して3Dデータを活用することで、関係者間の認識のずれを防ぎ、手戻りを削減できます。
国土交通省は2023年度から公共工事へのBIM/CIM原則適用を進めており、今後ますます普及が進むと見込まれています。
建設DXの導入には、多くのメリットがあります。主な効果を5つ紹介します。
紙の書類をデジタル化することで、印刷コストや保管スペースを削減できます。また、情報共有がスムーズになることで、現場と事務所間の移動回数を減らすことも可能です。
ベテラン職人の作業をデータ化・可視化することで、これまで属人的だった技術を組織の資産として蓄積できます。動画や写真で記録を残し、若手がいつでも参照できる環境を整えることで、効率的な技術継承が可能になります。
ドローンやロボットを活用することで、高所作業や危険箇所での点検作業を無人化できます。また、ウェアラブルデバイスで作業員の健康状態をモニタリングし、熱中症などの事故を未然に防ぐ取り組みも広がっています。
業務効率化により労働時間を削減し、ワークライフバランスの改善につなげることができます。クラウドサービスを活用すれば、一部の業務はリモートでも対応可能となり、柔軟な働き方を実現できます。
蓄積したデータを分析することで、より精度の高い工程管理や原価管理が可能になります。顧客のニーズを的確に把握し、新しいサービスや付加価値を提供することで、競争力の強化にもつながるでしょう。
建設DXを進めるには、いきなり大規模なシステムを導入するよりも、現場で使いやすいツールから段階的に始めることが効果的です。
多くの企業がDXの第一歩として取り組んでいるのが、施工管理アプリの導入です。紙の野帳や図面をタブレットに置き換え、写真撮影から日報作成、情報共有までを一つのツールで完結させることができます。
現場で慣れ親しんだ紙の帳票をそのままデジタル化できるアプリを選ぶことで、導入時の抵抗感を減らし、スムーズに定着させることが可能です。
MetaMoJiが提供する施工管理アプリ「eYACHO(イーヤチョウ)」は、紙の野帳のように手書きでメモを取りながら、現場の情報をデジタルで整理・共有できることを目指したアプリです。ノート上で音声を録音したり、動画ファイルを追加したりすることもできます。
建設専門用語を約4万語収録した手書き入力アプリ「建設 mazec」との連携により、建設用語を効率的に入力できる点も特徴です。
建設DXに取り組みたいけれど何から始めればいいかわからない、という方は、まずは現場の業務をデジタル化することから検討してみてはいかがでしょうか。
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