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出面管理とは?現場の効率化と正確な管理を
進めるために知っておきたい基礎知識

建設現場で欠かせない「出面管理」。作業員の出退勤を記録するだけでなく、現場の効率化・コスト管理・安全対策など、経営にも直結する重要な業務です。本記事では、出面管理の基本から役割、導入方法の比較、注目のデジタルツールまでをわかりやすく紹介します。現場をもっと働きやすく、トラブルの少ない環境に変えるために、今こそ出面管理を見直してみましょう。

出面管理の基本

建設現場では、多くの作業員や協力会社のスタッフが日々入れ替わりながら作業を行っています。そんな現場を効率よく、安全に運営するには、人の動きをしっかりと管理する必要があります。「誰が・いつ・どこで・どれだけ働いたのか」という情報を正確に記録・管理する業務が「出面管理(でづらかんり)」です。ただの出退勤管理にとどまらず、労務・原価・安全管理にも深く関わる、現場運営の中核といえる仕組みです。

出面管理の定義

出面管理とは、現場に出入りするすべての作業員や協力会社の担当者について、出勤・退勤時間や作業内容を正確に記録・管理する業務です。

ポイントとして押さえておきたいのは、以下の4つの情報です。

  • ・誰が
  • ・いつ
  • ・どの現場で
  • ・どれくらい働いたか

企業や現場によっては、作業内容や担当職種など、さらに詳細な項目も加えて記録することがあります。これらの情報は、勤怠記録にとどまらず、賃金計算や安全対策、経営判断の材料として活用されます。また、作業日報と一体化して出面管理を行っている現場も多く見られます。

出面表・出面帳との違い

「出面管理」と「出面表・出面帳」は混同されがちですが、本質的には別のものです。出面管理は業務そのものを指し、出面表や出面帳はそれを行うための道具です。

出面表・出面帳には以下のような情報が記載されます。

  • ・作業員の氏名
  • ・所属会社
  • ・労働時間
  • ・作業内容  など

手書きかデジタルかを問わず、この記録を基に賃金精算や作業実績の分析が行われます。紙であれば受動的な管理にとどまる一方で、リアルタイム共有が可能なツールであれば、戦略的なマネジメントにもつながります。

出面管理が現場運営で果たす役割

出面管理は、どんな規模の現場でも必要とされる管理業務です。記録を取るだけでなく、法令遵守、コスト管理、安全対策といった経営課題の解決にもつながる重要な役割を担っています。

労務管理と法令遵守に役立つ

労働基準法により、企業には「労働者名簿」「賃金台帳」「出勤簿」「年次有給休暇管理簿」という代表的な4帳簿の作成が義務づけられています。出面管理によって得られる正確な記録は、これらの帳簿作成の基礎データになります。

また、働き方改革関連法で定められた時間外労働の上限(月45時間・年360時間)を守るためには、個別の労働時間を日々正確に把握することが不可欠です。記録が曖昧では、法的リスクも大きくなってしまいます。

参考:厚生労働省 出雲労働基準監督署「労働基準法で規定された代表的な4帳簿」 https://jsite.mhlw.go.jp/shimane-roudoukyoku/content/contents/001308252.pdf 参考:厚生労働省「時間外労働の上限規制 | 働き方改革特設サイト | 厚生労働省」 https://hatarakikatakaikaku.mhlw.go.jp/overtime.html

賃金計算や協力会社との精算にも必須

建設業では、日給・時給・出来高制など複雑な賃金体系が混在しています。これに対応するには、正確な労働時間の記録が欠かせません。

協力会社との取引でも、提出された請求書と出面データを照合することで支払いのトラブルを防げます。信頼性の高いデータをもとに精算が行えるため、取引先との関係性も安定しやすくなります。

出面管理のメリット

出面管理を徹底すれば、現場だけでなく会社全体にさまざまなプラスの効果をもたらします。日々の記録を戦略的に活用することで、無駄やリスクを減らし、より働きやすい環境を整えられます。

原価管理の精度を高められる

建設業における人件費は、プロジェクトの収益に大きく関わる要素です。出面管理によって労務コストを正確に把握できれば、コスト超過を早期に察知して対応できます。

たとえば、特定の工程で人件費が膨らんでいる場合は、出面データをもとに原因を特定し、工程や人員配置を見直すことが可能です。

工程や人員配置の最適化につながる

「どの作業に何人が、何時間働いているのか」といった情報を蓄積することで、勘や経験に頼らず、客観的な人員計画が立てられます。

天候や欠勤などの突発的な変化にも柔軟に対応でき、プロジェクトの進行に支障をきたしにくくなります。

労働トラブルを未然に防げる

賃金未払いや過重労働など、労働に関するトラブルは企業にとって大きなリスクです。出面管理があれば、労働時間に関するトラブルが起きた際にも、客観的なデータで対応できます。

また、特定の作業員に負荷が偏っていることがデータで分かれば、事前に業務を調整することもできます。

安全管理・災害対応に活用できる

安全な現場運営に欠かせないのが、「無災害記録」や「資格者配置」の管理です。これも、出面データがベースになります。

また、災害や火災が発生した場合、誰が現場にいたのかをすぐに把握できる出面表は、安否確認のツールとしても役立ちます。

データをもとに工程改善や働き方改革が進められる

毎日の出面記録を蓄積・分析することで、現場の課題が明らかになります。

たとえば、特定の作業工程で毎回残業が発生していれば、工程の見直しや協力会社への改善提案もできます。出面データは、実効性のある働き方改革を進めるためのヒントを与えてくれます。

出面管理の方法と運用のポイント

出面管理の方法は、大きく分けて「紙」「Excel」「システム(アプリ)」の3つに分類されます。それぞれに特徴があり、現場の規模や目的に応じて選択することが大切です。

紙での管理

最も古くからある方法で、現場の入り口に設置されたバインダーに作業員が手書きで記入します。手軽に始められますが、記入ミスや紛失リスク、集計の手間といったデメリットも多く存在します。

Excelでの管理

紙での管理の手間を軽減するために使われるのがExcelです。関数によって自動計算が可能ですが、情報を都度入力する必要があり、リアルタイム性には欠けます。バージョン管理や属人化のリスクもあります。

アプリやシステムによる管理

現在最も注目されているのが、スマートフォンやタブレットによる出面管理システムの導入です。リアルタイムでの情報共有、自動集計、クラウド保存など、多くの利点があります。

項目 紙による管理 Excelによる管理 アプリ・システムによる管理
リアルタイム性 不可能 遅延あり 可能
データの正確性 低い(ミス多発) 中程度(転記ミスあり) 高い(ミスを自動排除)
集計の手間 非常に多い 多い ほぼ不要
情報共有 困難 限定的 容易
セキュリティ・保管性 低い(紛失リスク) 中程度(管理が煩雑) 高い(クラウドで安全)
データ活用の可能性 ほぼなし 限定的 非常に高い

現場管理を一歩進めるならeYACHOの活用がおすすめ

出面管理のデジタル化を考えるなら、単なる勤怠アプリではなく、現場業務を幅広く支えるツールの導入が効果的です。750社以上で導入されている「eYACHO(イーヤチョウ)」は、現場監督の業務全体を支援するアプリとして注目されています。

eYACHOの特長は以下の通りです。

  • ・出面情報・作業日報・現場写真・図面などを一元管理
  • ・リアルタイムでの情報共有により移動や連絡の手間を削除
  • ・安全パトロールの記録や無災害記録の集計が可能
  • ・AI活用を見据えたデータ基盤としても有効

業務の属人化を避け、将来的な工程自動化や報告書自動生成にもつながるため、今のうちから準備しておくことをおすすめします。

出面管理を見直して、現場をもっと働きやすく!

出面管理は、単なる出退勤の記録ではありません。現場の安全、コスト、効率、すべてに関わる重要な業務です。紙やExcelによる旧来の方法に頼っている場合は、まずは小さな改善から始めてみてください。

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【監修】eYACHO編集部

施工管理アプリ「eYACHO」は、タブレット1つで現場の記録・共有・管理を可能にし、施工管理から安全管理まで幅広い業務をサポートします。
本コラムでは、建設業界の課題解決やDX推進に役立つ情報や最新動向をお伝えします。

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