MetaMoJi ClassRoom先生 授業例
【高3 国語】InnoBoard 〜 誰にでも伝わる文章を書く〜
愛知県 名古屋経済大学市邨高等学校 佐藤優馬先生
■ 単元目標
【知】情報を重要度や抽象度などによって階層化して整理する方法について理解を深め使うこと。
→複雑でたくさんの情報を、重要なものや抽象的なものに分けて整理し、分かりやすくまとめる力を身につける。
【思】多面的・多角的な視点から自分の考えを見直したり、根拠や論拠の吟味を重ねたりして、主張を明確にすること。
→いろいろな視点からアイデアを見直し、検証や試行錯誤を繰り返すことで、誰でも同じ結果が得られるルールを作る力を育てる。
【思】 個々の文の表現の仕方や段落の構造を吟味するなど、文章全体の論理の明晰さを確かめ、自分の主張が的確に伝わる文章になるよう工夫すること。
→文や段落を工夫し、複雑な内容やルールをわかりやすく、正確に伝える高度な文章作成のスキルを身につける。
本プロジェクトでは学習効果のあるボードゲームのと再現性のあるボードゲームのルールを制作することを通じて、上記の単元目標の達成を目指す。
■ MetaMoJi ClassRoom を導入した利点と成果
・イメージ画像の挿入や色を用いた記入がしやすい。
・グループワークでの共同編集がしやすい。
・他のグループの活動をお互いに見ることができる。
■ 学習活動
0.オリエンテーション
教員が生成AIを活用して作成したオリジナルのゲームを生徒に体験してもらう。この際、口頭での説明は一切行わず、ルールのみを配布し、その記載通りにゲームに取り組むよう指示しました。
配布したルールには、あえて説明が不十分な箇所や矛盾が含まれるように設計されており、生徒たちはその中でゲームを進行しました。この活動を通じて、生徒たちは「ルール制作の難しさ」を実感しました。
1.導入
本プロジェクトでは、学習効果が期待でき、かつ再現性のあるボードゲームのルールを制作することを通じて、単元目標の達成を目指します。
授業の導入では、プロジェクトのゴールと達成すべき目標を明確に伝え、併せて今後のスケジュールも示します。
こうした「何かを作ることがメイン」の授業では、制作自体が目的化しやすい傾向があるため、「なぜこの活動を行うのか」「どのような目標を目指しているのか」を導入時だけでなく、日々の授業の中でも継続的に伝えることを心がけます。
2.アイデア出し
以下の2点についてグループでアイデア出しを行う。
・どんな学習効果を目指すか
・ボードゲームのテーマ・ジャンル
特に「学習効果」については、一般受験を控えた生徒の動機づけを狙い、国語に限定しません。
その結果、「語彙力」や「古典単語」だけでなく、「英語文法」「歴史の偉人」「生き物」「惑星の誕生」など、幅広い学習内容をテーマにしたゲーム制作を目指すことになりました。
3.制作
実際にゲームとルールの制作を開始しました。販売されているゲームのルールブックを参考にしたり、グループ内でテストプレイを繰り返したりしながら、約4コマで完成させました。一部のグループでは生成AIを活用し、カードに使用するイラストを作成する試みも行われました。
4.テストプレイ
完成したゲームをクラスでテストプレイしました。クラスを半分に分け、一方が「プレイする側」、もう一方が「ゲームをプレイしてもらう側」となります。
プレイする側: ルールを読みながら実際にゲームを進行します。
プレイしてもらう側: ゲーム進行を見守り、ルールのどの部分が意図通りに伝わらないかを確認します。
5.修正と再テストプレイ
上記のテストプレイを経て得られた反省をもとに、各チームで再度ルールや説明の修正を行いました。
「思っていたより伝わらない!」という声が飛び交う中、どのように説明すれば意図が的確に伝わるかを各チームで練り直しました。
修正後のゲームは再度テストプレイを行います。このプロセスを2回繰り返しました。試行錯誤を重ねることで、より完成度の高いゲームを目指しました。