導入事例(大学・塾・企業等)
株式会社こうゆう スクールFC FCオンライン[東京都]
完全オンライン形式の学習塾でMetaMoJi ClassRoomを活用し、一人ひとりにきめ細かく対応
学習塾のスクールFCや花まる学習会などを運営する株式会社こうゆう 花まるグループは、2021年2月に「FCオンライン」を開設しました。FCオンラインでは授業はもちろんのこと、自習室、保護者面談や保護者会、模試などすべての活動を、MetaMoJi ClassRoomとZoomを利用してオンラインで実施しています。
対面と同じ質の指導をオンラインで提供したい
「花まる学習会」を全国展開する株式会社こうゆうは、小・中学生を対象に通塾形式の「スクールFC」を関東地方で運営しています。2020年度にコロナ禍で対面授業ができなくなり、急遽、Zoomを使った遠隔授業を実施しましたが、児童・生徒が質問をするときにノートに書いたものをカメラにかざして見せても講師からはよく見えないなど、対応の難しさがありました。
コロナ禍の収束が見通せないことと、遠隔授業の需要があると判断したことから、対面と同じ質で指導できる完全オンライン校舎の「FCオンライン」を2021年2月に新設しました。FCオンラインを運営する社員で講師の小林実花氏は「対面授業と同じカリキュラムで、対面と同様に児童・生徒一人ひとりにきめ細かく対応できるオンライン校舎を目指しています」と説明します。
遠隔授業のメリットはコロナ禍での通塾や対面を避けられることだけではありません。これまでは通塾時間が長くて負担が大きい、あるいは校舎が遠くてスクールFCに入会できない児童・生徒もいました。保護者が送迎したり、食事や弁当を準備したりすることが難しい場合もあります。このような背景から、FCオンラインの児童・生徒は国内各地にわたっています。さらに、現在は海外在住で受験時に帰国する予定の児童も入会していて、小林氏は「国内各地からの入会は予想していましたが海外からは想定外で、そのようなニーズを新たに認識しました」と言います。
紙のように書けてリアルタイムで見やすく共有できるMetaMoJi ClassRoomを選定
オンラインで使用するノートアプリの選定にあたって重視したポイントを、FCオンライン副校舎長で講師の畑中一孝氏に聞きました。
「子供たちが書いたものを講師がきちんと見られることと、書いたものがリアルタイムで反映されることが必要でした。また、子供たちが紙に近い感覚で書けることも重視しています。iPad、Apple Pencilまたは同等のペン、そしてMetaMoJi ClassRoomの組み合わせが、この条件に合っていたのです。MetaMoJi ClassRoomは動作の遅れやひっかかるような感覚がなく、本当に紙のように書けますね。しかも書いたものの共有もリアルタイムでスムーズです」(畑中氏)。
MetaMoJi ClassRoomはiOS/iPadOS版のほかにChromebook版/Android版とWindows版がありますが、手書きの感覚が優れていることからFCオンラインではiPadを使うように各家庭に求めています。また、操作サポートなどの際にデバイスとOSが統一されていると混乱が生じないというメリットもあります。ただし実際には、入会前の体験授業や練習会の実施と操作説明動画の提供により、児童・生徒はすぐ使えるようになるそうです。
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紙のように書けて、リアルタイム共有できることが選定理由だった。
MetaMoJi ClassRoom、顔を映すカメラ、手元を映すカメラできめ細かく対応
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ZoomとMetaMoJi ClassRoom を使ったオンライン授業での確認テストの様子。(イメージ)
今回の取材では、畑中氏が担当する小学理科の授業をオンラインで見学しました。児童は自宅から授業に参加し、講師は自宅またはスクールFCの校舎で授業を実施しています。
児童はMetaMoJi ClassRoom用のiPadとZoom用のパソコンを使います。パソコン内蔵のカメラで顔を映してZoomに参加しますが、さらに外付けのWebカメラも各自で用意し、コンピュータに接続しています。Webカメラは児童の手元が映るようにセットし、テスト中などにはZoomの映像入力を切り替えることで、講師が児童の手元を確認します。
授業は確認テストから始まります。講師がMetaMoJi ClassRoomを使ってその場でテスト用紙を配信すると、児童はすぐにそれを自分のMetaMoJi ClassRoomに同期します。Webカメラで手元を映してテスト開始です。講師はZoomで児童の手元を確認すると同時に、MetaMoJi ClassRoomのモニタリング機能を使って児童がテストに書き込む様子もリアルタイムで観察しています。
テストが終わったら講義です。児童はZoomのカメラを顔が映る状態に戻し、講師はZoomのギャラリービューで全員の顔を見て、一人ひとりの名前を呼んで声をかけながら進めていきます。児童のマイクは通常はオフですが、手の動きで意思表示をしたり、発言があるときだけマイクをオンにするなどして、リアルタイムでやりとりします。
リアルタイムの双方向書き込みを場面に応じて使い分け
講義中は、講師のiPadでMetaMoJi ClassRoomを開き、その画面をZoomで共有して教材を児童に見せます。そして実際の教室の板書と同様に、この教材に図などを書きながら説明します。MetaMoJi ClassRoomには講師が書き込むと児童の教材にもリアルタイムで書き込まれる使い方もありますが、この授業では講師の教材にだけ書き込まれ、児童の教材には反映していません。
授業終了後に畑中氏に尋ねたところ、この授業では児童自身が手を動かして手元の教材に書き込んで理解を深めてほしいのでこの方法にしているが、場面に応じて使い分けているということです。FCオンラインだけでなく一部の通塾形式の系列校でもMetaMoJi ClassRoomを使い、お互いの書き込みが反映する機能を対面での個人指導に役立てているそうです。
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MetaMoJi ClassRoom で開いた教材を画面共有し、児童とリアルタイムでやりとりしながら授業を進める。(イメージ)
MetaMoJi ClassRoomならではの数々の利点が活かされている
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紙の教材やノートの問題を解いた場合は、写真をMetaMoJiClassRoom に貼り付けて提出。
教材はスクールFCのオリジナルテキストのPDFをMetaMoJi ClassRoomに読み込んで使っていますが、畑中氏の教材にはところどころに動画が貼り付けられています。事前に畑中氏がiPadに書き込みをしながら声で説明し、それを画面収録した動画です。畑中氏は「MetaMoJi ClassRoomで教材のページに動画を入れられるのは本当に助かります。授業以外の時間に動画を見て学習している子供は、確認テストで満点がとれるなどよく理解しています」と語りました。
児童・生徒が紙の教材やノートで問題を解いた場合は、その紙をiPadで撮影し、MetaMoJi ClassRoomの教材にその写真を貼り付けて提出してもらいます。講師が見る際に、そのページをかなり大きく拡大しても表示が不鮮明になることはありません。
また、MetaMoJi ClassRoomには特定の児童・生徒のノートを全員に見せる機能があります。畑中氏も小林氏も、この機能を使ってクラス全員で考えることで理解が深まると実感しているそうです。小林氏はこの機能を使って児童のプレゼン大会を数回実施したことがあり、「プレゼンの質の高さに感動し、子供たちの可能性を見た思いでした」と語りました。
ほかにも、教室での机間巡視よりもMetaMoJi ClassRoomのモニタリング機能の方がきめ細かく理解度を観察できる、課題が提出されたらすぐ採点できる、紙に印刷する必要がなく紛失や忘れ物のおそれもない、自分以外の講師の教材も見られるので保護者からの問い合わせに対応できるなど、MetaMoJi ClassRoomならではの利点が十分に活かされています。
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オンライン授業では、モニタリング機能など MetaMoJi ClassRoomの数々の利点が活かされている。
さらにきめ細かい指導、質の高い授業を目指す
MetaMoJi ClassRoomとZoomで一人ひとりの状況を把握しコミュニケーションをとれることから、小林氏は「対面の教室よりもFCオンラインの方が子供たちとの距離が近い感じがします」と言います。今後はこれまで以上にきめ細かい個別指導をしたいとのことで、「各自に合わせた練習問題を渡したいので、MetaMoJi ClassRoom上で教材をどう整理するか、これから研究したいと思います」と課題を述べました。畑中氏も「MetaMoJi ClassRoomの使い方をさらにいろいろ模索していきたい」と、授業のさらなる向上への意欲を語りました。
副校舎長 畑中一孝氏
小林実花氏
- 株式会社こうゆう スクールFC FCオンライン
- 所在地:東京都千代田区神田小川町2-2-8 天下堂ビル9F
- URL:https://www.schoolfc.jp/
<本取材は2022年2月に行われました。画面キャプチャ、機能、肩書は取材時の情報にもとづきます。>