MetaMoJi ClassRoom - GIGAスクール構想 1人1台に最適なリアルタイム学習支援アプリ
 

導入事例(小学校)

仙台白百合学園小学校[宮城県]

授業支援システムを比較検討し、MetaMoJi ClassRoomを導入
児童自らが学び、考え、表現し、伝え合う授業に活かす

仙台駅から直線距離で10kmあまり、緑豊かな街並みに位置する女子校の仙台白百合学園。広々とした敷地に幼稚園から高等学校までが集まっています。その中の仙台白百合学園小学校では、2021年度に1年生から6年生までの児童全員に一斉にiPadを導入し、全教科の授業で使い始めました。授業支援アプリとしてMetaMoJi ClassRoomを採用した理由を、担当教諭は「いいとこどり」のアプリだったからと語ります。採用の経緯や、導入からおよそ8か月後の授業の様子を紹介します。

コロナ禍、そして時代の要請から全学年への一斉導入を決定

仙台白百合学園小学校  早坂博之校長

仙台白百合学園小学校 早坂博之校長

全学年への一斉導入を決めた経緯を、仙台白百合学園小学校の早坂博之校長に聞きました。 「2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響による休校で、急遽、遠隔授業をすることになりました。そのときはZoomとプリント配付で対応しましたが、今後もし同様のことが起きた場合には、1人1台のデバイスがあれば遠隔でもスムーズに授業ができると考えました。また、世の中の動きを考えてもICTの導入は必須だと思います」。
コロナ禍と遠隔授業を体験したことから、保護者からもiPad導入は必要なことと理解を得られました。

MetaMoJi ClassRoomは「いいとこどり」の授業支援アプリ

iPadの導入が決まり、授業支援アプリの選定にあたったのが同校の4人の教諭で構成されるICT支援部でした。その中心メンバーで、導入後も学校全体のICT環境をサポートしているのが浅沼勉教諭です。
 選定の際にはMetaMoJi ClassRoomを含むいくつかの授業支援システムを試用し、徹底的に比較、検討しました。その結果、「MetaMoJi ClassRoomは、ほかの授業支援システムの長所をすべて備えた『いいとこどり』のアプリだと考えて決定しました」と浅沼教諭は振り返ります。  

具体的には、
・児童が書き込む様子をリアルタイムで教諭が見ることのできるモニタリング機能
・教諭から児童への教材配信のしやすさ
・児童から教諭への提出の手軽さ
・ふせん機能
・写真、動画、PDFなどの利用が簡単
・運用しやすいQRコードログイン
などを、高く評価したポイントとして浅沼教諭は挙げています。
 また、同校の教諭にはすでにSurfaceが導入されていたため、iPadとWindowsが混在していても、機能が限られることなくシームレスに使える点も重要でした。「動作やノートの再読み込みも速く、使い勝手の良さはピカイチですね」と浅沼教諭は語りました。

コミュニケーション能力、知識、学ぶ力の向上を目指す

iPadとMetaMoJi ClassRoomを取り入れるという変化を踏まえた上で、仙台白百合学園小学校がどのような教育を目指すかを、早坂校長は次のように語ります。

「ICTは子供たちにとって必要なスキルのひとつです。とは言え、タブレットを学ぶことが目的ではありません。タブレットを使った学習を通じて、コミュニケーション能力を伸ばし、知識を増やしてほしいと思っています。そして『学び方を学ぶ』ことを授業の中で実践していきたいと考えています」。

コミュニケーション能力、知識、学び方を身につける授業は、どのように実践されているのでしょうか。

「考えるためのツールを選ぶ」ところから児童に考えさせる

浅沼教諭が担当する4年生の国語の授業では「本をみんなにすすめよう」の単元を学んでいました。児童が各自で本を選び、その本をみんなにすすめるチラシを作る単元です。

まず、チラシに書くキャッチコピーを考えます。浅沼教諭は「自分で選んだ本の中から、キャッチコピーになりそうなところを探してみよう。どうやって考えるのがいいと思う? マインドマップもクラゲチャートも、どっちもいいね。どっちがいい?」と児童に問いかけます。児童からいろいろな声が上がりますが、クラゲチャートの方が多いようです。教諭は「じゃあ今回はクラゲチャートにしよう」と、その場で浅沼教諭オリジナルのクラゲチャートのテンプレートが書かれたページを全員に配信します。

これについて浅沼教諭は「考えを言語化して伝えることを重視しているので、授業中に子供たち自身に思考ツールを選択させるところから始めています。MetaMoJi ClassRoomならその場でページを用意してすぐに配信できます」と説明します。

クラゲチャートを使って、おすすめの本のキャッチコピーを考える。

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クラゲチャートを使って、おすすめの本のキャッチコピーを考える。

リアルタイムのモニタリングで児童の思考を支援する

児童の進捗をモニタリング画面で確認しながらアドバイスできる。

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児童の進捗をモニタリング画面で確認しながらアドバイスできる。

ページが配信されると、児童は各自で自分の考えをページに書き込んでいきます。クラゲの足を拡大したり移動したり、各自が好みの方法で文字を入力したりと、自由自在に使っています。テキストを縦書きで入力する児童もいます。操作に戸惑う様子はまったく見られません。

児童が書き込んでいる間、浅沼教諭は手元のデバイスで児童全員の画面をモニタリングしながら机間巡視をしています。全員の進捗をリアルタイムで見て、行き詰まっていたり軌道修正した方がいい児童には早い段階で声かけができます。紙のプリントやノートでは難しい、MetaMoJi ClassRoomの利点のひとつです。

また、モニタリングしながらクラゲの頭の部分が小さいことに気づいた浅沼教諭は、児童が書き込みやすいようにその場でクラゲの頭を大きくしました。MetaMoJi ClassRoomは1枚のページに教諭が操作するレイヤーと児童が操作するレイヤーが重なっている構造なので、児童が書きかけのものに影響を与えることなくこのような調整もできます。こうした配慮で、児童はよりスムーズに書き込めるようになります。

各自が書き込んだページをもとに活発な意見交換

MetaMoJi ClassRoomの画面上で、ほかの児童のページを参照できる。

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MetaMoJi ClassRoomの画面上で、ほかの児童のページを参照できる。

クラゲチャートがある程度埋まったら、次は意見交換です。ある児童のページを教室前方の大型ディスプレイに映して、浅沼教諭が説明を加えます。

その後は、児童同士がお互いにページを見せ合ってさらに考えを深めます。MetaMoJi ClassRoomでは、先生がモードを切り替えると、児童がほかの人のページを自分のタブレットで見ることができるのです。児童たちはほかの人のページを見て、感想を活発に交換していました。

浅沼教諭は「MetaMoJi ClassRoomはコミュニケーションツールだと私は思っています。表現の幅が広がり、それをお互いに見ることで友だちに認められて、さらに意欲が高まります。私としても、全員の表現を見て拾い上げることが以前よりもずっとやりやすくなりました」と言います。

各自のキャッチコピーができ、ほかの人のページも見た段階で、浅沼教諭はチラシを書くためのテンプレートを新たに配信し、さらに考えを整理して表現する授業は続きました。

「きれいなノートが書ける」「ほかの人の意見がヒントになる」など児童が楽しみながら学べる

この授業が終わった直後の4年生に、iPadとMetaMoJi ClassRoomを使った学習をどう思うか聞いたところ、児童たちはまず「楽しい!」と声をそろえました。
 どんなところが楽しいかを聞いてみると、
・好きなように拡大して表示できる
・書いたものを移動したり消したりするのが簡単で、色も自由に使えるのできれいに書ける
・ほかの人のノートを見るとヒントになるし、勉強になる
・写真や動画を入れられるのが楽しい
・わからないことをすぐに調べられる
などの意見が出ました。

このクラスでは体育の授業にもiPadとMetaMoJi ClassRoomを使い、跳び箱を跳べたときなどに動画で記録するといいます。また絵と文字を入れた日記もつけていて、児童自身の記録になるほか、浅沼教諭との情報交換のツールにもなっているそうです。

2年生のクラスでも考え、表現し、伝え合う授業を実践

長田のぞみ教諭が担当する2年生の算数の授業では、MetaMoJi ClassRoomが使ってかけ算の考え方を深めていました。

リンゴの絵がたくさん並んだページに各自が自由に囲みや線などを書き込み、どの行と列をかけ合わせればリンゴの個数を求められるかを考えて、かけ算の式を作ります。ここで活用されていたのがMetaMoJi ClassRoomの「めくり」機能です。ページの空いている部分に式を書き込み、その上にふせんを貼るような感覚でめくりを配置して式を隠します。

かけ算の式を書き込んで、それを隠すようにめくりを貼り付ける。

かけ算の式を書き込んで、それを隠すようにめくりを貼り付ける。

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かけ算の式を書き込んで、それを隠すようにめくりを貼り付ける。

発表者の考え方から、どのような計算式を書いたかを考察する。

発表者の考え方から、どのような計算式を書いたかを考察する。

各自が自分の書いた式の上にめくりを貼った後、1人の児童のページを大型ディスプレイに映し、どのような考えかを絵を見ながら全員で話し合います。その後、めくりをタップしてはがして、書かれている式を確認します。

さらに「ほかの考え方で式を作った人はいますか?」と長田教諭が問いかけて別の児童の考えを発表させたり、席を離れてiPadを持ち寄り2人1組で話し合うなどして、考え方を確かめたり別の考え方を見つけたりしていました。

このようにして、自分で考える、ほかの人の意見を聞いてさらに考える、お互いの考えを話し合うという過程をさまざまな形で反復し、児童は理解を深めている様子でした。

児童同士でiPadを見せ合いながら、それぞれの考え方を共有。

児童同士でiPadを見せ合いながら、それぞれの考え方を共有。

話すのが得意でない子も、伝えたい気持ちになる

長田教諭は「私はもともとICT機器は得意ではなく、最初は教材作りに戸惑いがありました。でも1か月ほどで慣れて楽しくなってきました」と言います。MetaMoJi ClassRoomの使い方に関しては、ふせんやめくり、写真や動画の挿入など、児童の方が先に機能を発見してどんどん使うようになったそうです。

iPadとMetaMoJi ClassRoomを使う利点について長田教諭は「紙を使っていたときよりも課題へのとりかかりが早くなり、長文が書けるようになりました。また、子供たちはふせんやペンの色などで見やすく伝える工夫を自分でしています。話すのがあまり得意でない子も気持ちをノートに表現することができるので、ほかの人に伝えたくなり、じゃあ、伝えてみようかなと思うようです。話し合いがはかどるようになりましたね」と語ります。

今後については「MetaMoJi ClassRoomでプレゼンができるように指導していくつもりです。またベン図などの思考ツールを目的に合わせて使えるようにして、自立して考えられる児童を育てたいと思っています」と長田教諭は展望を語りました。

児童も教諭も使いながらスキルアップ、MetaMoJi ClassRoomなら頭打ちにならない

浅沼教諭も長田教諭と同様に、「子供たちが先に使い方を見つける」と言います。「子供たちが使い方を発見し、失敗もしますが成功の方がずっと大きいですね。発見した機能を子供たち同士で教えあって感動することの繰り返しです。また、もっとこうしたいという欲求も次々に出てくるので、先生方がそれに応える相乗効果が生まれています」(浅沼教諭)。

また、発見した機能を教えあうのは教諭同士でも同様で、浅沼教諭が教諭対象の研修会を実施するだけでなく、職員会議でMetaMoJi ClassRoomを使ったりお互いに情報交換をしたりしながらスキルアップしています。

浅沼教諭は「MetaMoJi ClassRoomは機能が豊富で、正直なところ、私も最初は調べるのが大変でした。しかし機能が豊富だからこそ、子供たちや先生方の欲求が高まってもそれに対応できる、頭打ちにならないと感じています」と語りました。

児童も教諭もスキルアップしながら、全学年・あらゆる教科で活用している。

児童も教諭もスキルアップしながら、全学年・あらゆる教科で活用している。

児童も教諭もスキルアップしながら、全学年・あらゆる教科で活用している。

保護者との情報共有にも活かされている

浅沼教諭のクラスでは、MetaMoJi ClassRoomの使用は保護者をも巻き込んでいます。児童はiPadを自宅に持ち帰ることになっているので、前述した日記に保護者がコメントや質問を書き込み、連絡帳のように使われることもあるといいます。また、跳び箱を跳んだ動画を児童が家で保護者に見せたことがあり、保護者にとっては学校での様子がわかり、児童にとっては達成したことを保護者に伝えてほめてもらってうれしかったというエピソードもあるそうです。

「今後はMetaMoJi ClassRoomを使って遠方の学校とコミュニケーションをとり、考えを深める活動をしたい」と浅沼教諭は言います。早坂校長は「先生方は使い方を工夫していますし、子供たちはすでに使いこなしています。本校の目指す教育は達成できると思います」と手応えを語ります。仙台白百合学園小学校では、今後もますますMetaMoJi ClassRoomが活用されていきそうです。

・iPadはApple inc.の登録商標です。
・Windowsは米国 Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。

浅沼勉教諭

浅沼勉教諭

長田のぞみ教諭

長田のぞみ教諭

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<本取材は2021年12月に行われました。画面キャプチャ、機能、肩書は取材時の情報にもとづきます。>

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