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導入事例(小学校)

熊本市教育委員会

2万3500台のiPadを導入した熊本市がつくる、「つながる・協働・共有」を大切にした授業

熊本市は、2018年から市内の小中学校全134校に対して、2万3500台のiPadを導入しています。これからの社会を生きる子供たちには情報活用能力の育成は必須と考え、文科省が示すステージ3を実現したのです。そんな熊本市は、授業支援ツールにMetaMoJi ClassRoomを導入し、授業などで使用しています。どのように活用しているのでしょうか。

 

2万3500台のiPad大規模導入で、全国トップレベルのICT環境へ

子供たちのICTスキル育成は必須だとして、全国トップレベルのICT環境を整備。

子供たちのICTスキル育成は必須だとして、全国トップレベルのICT環境を整備。

熊本市がiPad導入に踏み切ったのは、2016年4月に起きた熊本地震がきっかけでした。震災の後、同市はさまざまな分野の復旧・復興に力を入れ、2017年度からは「復興元年」と位置づけて、未来につながる重要な分野への投資を強化したのです。そのひとつに教育も含まれ、未来を生きる子供たちのためにICTスキルの育成は必須だとして、市長によるトップダウンでICT環境整備が進められました。具体的には、2018年に市内の小中学校全134校に対して、LTEモデルのiPadを計2万3500台導入するプランを決定。全教員の一人1台と、文科省が示すステージ3(3クラスに1クラス程度のタブレット環境)をめざして、段階的な導入が始まりました。

熊本市教育センター 教育情報室 山本英史指導主事

熊本市教育センター 教育情報室 山本英史指導主事

「ちなみに、それ以前の熊本市といえば、ICT環境レベルが政令指定都市20市中19位という非常に低い水準でした」と話すのは、熊本市教育センター 教育情報室の山本英史指導主事。当時の熊本市は、教育用コンピューターの整備率も全国平均5.6人/台に対し、12.3人/台という数字で、ICT環境整備が大きな課題であったといいます。山本指導主事は「変化が激しく、予測不可能な時代を生きていく子供たちにとって、情報活用能力は必須です。これから先に必要な資質・能力であり、生きる力として学校でも育んでいきたい」とICTに懸ける想いを語ってくれました。また実際のiPad導入についても、2020年度の新学習指導要領に向けてスピードを重要視し、通信環境の設備投資が軽減できるLTEモデルを選択。いつでも、どこでもつながる環境でICTのメリットを最大限に活かせる教育をめざしたのです。

コミュニケーション、協働作業、情報共有、大切な3つの場面をつくるMetaMoJi ClassRoom

熊本市はiPad導入とともに、授業支援ツールに「MetaMoJi ClassRoom」を採用しました。その理由について山本指導主事は、「MetaMoJi ClassRoomのメリットは、つながる・協働・共有というICTの良さを授業で活かしやすいと考えたからです」と述べています。

MetaMoJi ClassRoomは、リアルタイム性に優れており、双方向のやり取りがしやすいのが特徴です。これにより、教師と子供たち、また子供たち同士がつながりやすく、授業においても新たなつながりが生まれるというのです。ほかにも、一枚のノートを複数人で共有して協働編集で書き込んだり、書いたものを瞬時に全体に共有したりと、情報化の重要なポイントを抑えることができるといいます。山本指導主事は、「これからの学びのポイントは、コミュニケーション、協働作業、情報共有の3つが重要になってくると考えています。授業の中でも、こうした場面でMetaMoJi ClassRoomを活用し、学びを深めてほしいと考えました」と語っています。教師に求められていることは、子供たちよりもICTやiPadを上手く使えることではありません。子供たちの学びが広がり、そして深まるように、タイミング良く“使っていいよ”といえることが大切だというのです。

MetaMoJi ClassRoomのメリットは、つながる・協働・共有というICTの良さを授業で活かしやすいところ。

MetaMoJi ClassRoomのメリットは、つながる・協働・共有というICTの良さを授業で活かしやすいところ。

熊本市におけるMetaMoJi ClassRoomの活用で注目したいのは、160人近く集まる校長会での会議資料をPDF化し、共有していることです。今までは、すべての会議資料を紙で印刷して配付しており、その量は膨大なものでした。ひどい時には、1回あたりの資料が何百枚にもなり、印刷にかかる時間も負担も大きかったといいます。それがiPad導入後は、すべての管理職がデバイスを持つようになったため、MetaMoJi ClassRoomを使ってPDFによる配付が可能になりました。些細な使い方ではありますが、身近な情報共有からICT化を始めることで、時間削減や負担軽減につなげています。

MetaMoJi ClassRoomで、実際に手を動かして考える場面をつくる

問題を解く前に、「F」をジェスチャーで表して文字の形を確認。

問題を解く前に、「F」をジェスチャーで表して文字の形を確認。

熊本市の小中学校では、どのようにMetaMoJi ClassRoomが使われているのでしょうか。熊本市立楠小学校で行われた5年生算数の授業を見ることができました。

この日の学習は「人文字」の単元。子供が1mおきに並んで「U」「F」「O」とそれぞれの人文字をつくる場合、何人の子供が直線上に並ぶかを考える問題です。授業を担当した山下ゆかり先生は、「何人並ぶかを考え、わかりやすく説明しよう」を本日のめあてに掲げ、子供たちが互いの考えを説明し合う活動に重きを置きました。

デジタルのメリットを活かして、文字の線を動かして問題を解く。

「U」の文字を1本の直線に。デジタルのメリットを活かして、文字の線を動かして問題を解く。

授業は、昨日の復習からスタートです。子供たちはMetaMoJi ClassRoom上に保存された昨日のノートを広げ、「U」の文字を一本の直線になるように動かして、問題の解き方や考え方を再確認します。その後、本日の課題である「F」と「O」についても同様に、文字の線を分解して、一本の直線に並べかえてから考えるのですが、どのように線を動かせば答えが求められるのか、そこが理解のポイントになります。まずは、子供たちが一人で、MetaMoJi ClassRoom上の線を何度も動かしながら解き方を考えました。

分かった人は青、分からない人は赤を押して、電子黒板に表示。

分かった人は青、分からない人は赤を押して、電子黒板に表示。

ひとりで考える時間が終了すると今度は、「答えが分かった人は青いボタンを、分からない人は赤いボタンを押そう」と山下先生は子供たちに投げかけます。子供たちは、誰が何色のボタンを押したかを電子黒板で確認し、分かった人は分からない人のところへ行って、自分の考えた解き方を見せて説明を行います。その結果、分からない人が理解できた場合は、青いボタンを押し、クラスの中で分からない人を減らしていきます。また分かった人同士も、どのように解いたのかを見せ合って、説明し合います。授業中には「〇〇くんの考えがすごい!」など、自分とは異なる考えをもつ友達を褒める場面もありました。

問題を解くときはMetaMoJi ClassRoom、考えをまとめるときは紙のノートというように、デジタルとアナログを使い分け。

問題を解くときはMetaMoJi ClassRoom、考えをまとめるときは紙のノートというように、デジタルとアナログを使い分け。

山下先生は子供たちがひとりで考える時間、説明し合う時間、常にMetaMoJi ClassRoomを使って子供たちの様子をリアルタイムで把握します。誰が、どのような解き方をしているのか、赤が青にどれくらい変わったのか、子供たちの話にも耳を傾けながら次の展開を考えます。

その後、子供たちはそれぞれの解き方を発表し、全員で答えを確認しました。授業の最後に、山下先生は振り返りとして、どのようなことが分かったのか、友達と何を話したのかなどを、今度は紙のノートにまとめるように指示。デジタルとアナログを使い分けながら、授業は進められました。

見逃していた子供の良いところを拾って、輝ける場をつくることができる

山下先生は算数の授業を振り返って、「線を動かして考える部分や、自分の考えを友達にパッと見せて説明する場面でMetaMoJi ClassRoomを活かしました」と話してくれました。今まではマグネットや紙を使って考えていましたが、MetaMoJi ClassRoomでは、子供たちが実際に手を動かして考えられるのが良いといいます。「紙の場合は、切り貼りも必要ですし、切ったものをなくしてしまうこともありました。今ではそうしたプロセスも省けるので、説明活動へもスムーズに入れます」と山下先生は語ってくれました。

MetaMoJi ClassRoomで作成されたアイデアあふれる算数教材。

またMetaMoJi ClassRoomのメリットについては、リアルタイムで子供たちの考えや答えを把握できるのが良いところだと山下先生。算数の苦手な子が説明しやすいように矢印を書き足したり、違う考えを持つ子供を見つけたり、全体の子供たちに目を向けることができるようになったというのです。「MetaMoJi ClassRoomを使うことで、今まで気づかなかった子供たちの良いところを拾って、輝ける場をつくることができるようになりました。算数の苦手な子に対しては、授業が少し楽しくなっているのではないかと思います」(山下先生)。

MetaMoJi ClassRoom で作成されたアイデアあふれる算数教材。

MetaMoJi ClassRoomで作成されたアイデアあふれる算数教材。

ほかにも、山下先生はMetaMoJi ClassRoomを使うことで、教材作りが楽になったと語ってくれました。図形など動きのある教材が作りやすいほか、印刷が不要なので、家に持ち帰って作ることができるのが良いといいます。実際に山下先生は、MetaMoJi ClassRoomで多くの算数教材を作っています。図形の敷き詰めや、同じ種類の三角形を当てる三角おみくじ、イラストを用いた割り算の教材などアイデアあふれる手作り教材が多数ありました。

熊本市立楠小学校 山下 ゆかり 先生

熊本市立楠小学校 山下 ゆかり 先生

驚いたのは、MetaMoJi ClassRoomの機能のひとつであるレイヤーの使い方です。2重になった下のレイヤーに簡単なヒントを用意しておき、子供たちが操作できる上のレイヤーにはそのヒントを隠すボタンを作成。子供たちが分からないときにボタンをずらせばヒントが見られるようにしました。このようにさまざまな工夫でMetaMoJi ClassRoomを活用する山下先生ですが、「考えをたくさん出したいときはMetaMoJi ClassRoom、計算などの技能を高めたいときや、記録に残したいときは紙のノートという具合に使い分けています」と話しています。メリハリのある使い方で、授業が楽しく、テンポよく進められている点が印象的でもありました。

「ヒント」ボタンをスライドさせれば、解き方のヒントがみられる工夫も。

「ヒント」ボタンをスライドさせれば、解き方のヒントがみられる工夫も。

ビジョンを持ってICT活用できる教師を増やしたい

MetaMoJi ClassRoom を使うことで、子供同士の話し合いが活発になった。

MetaMoJi ClassRoom を使うことで、子供同士の話し合いが活発になった。

山本指導主事は、MetaMoJi ClassRoomを活用した授業を振り返り、「子供たちが説明し合う活動において、とても有効なツールだと思います」と語ってくれました。“説明する”という活動は、子供たちにとって、“考える”よりもさらに高度なスキルですが、MetaMoJi ClassRoomを活用することで、子供同士の話し合いが活発になり、説明し合う場面を多くつくることができるというのです。

「“分かった人”、“分からない人”というように、子供たちが意思表示できる環境が良いと思います。そうすることで、分かった人は分からない人に説明しようと子供たちが動いてくれますから」と山本指導主事。また山下先生もこの点について、「ノートに比べて、MetaMoJi ClassRoomでは考えを書こうとする子供たちが多く、説明活動にもつなげやすいです」と語ってくれました。

以上のように、授業におけるICT活用が進んでいる熊本市ですが、その背景には充実した教員研修があります。同市では、iPad導入時に合わせて、全教員が基本的な操作方法を学ぶ「導入研修」、校長や教頭を対象にした「管理職研修」、そして各学校のICT活用を推進する教員リーダー向けに「推進チーム研修」という、3種類の研修を実施してきました。熊本市の全教員がICT活用に取り組むというビジョンを共有できることが大事だと考えているからです。

山本指導主事は、「ICTを使えるようになって、授業を変えていくことも大事ですが、子供たちが将来、どんな人間になってほしいのか、そのビジョンを持って取り組める教師を育てていくことが大切だと考えています」と語っています。さらに、子供たちの情報活用能力の育成に向けて、モデルカリキュラムを作成済みで、学校への公開を進めていくという熊本市。日本のICT教育を先導する自治体として、これからも改革のスピードを緩めることなく、加速していきたい考えです。

お客様プロファイル:
  • 熊本市教育委員会
  • 所在地:熊本県熊本市中央区手取本町1番1号

<本取材は2019年10月に行われました。画面キャプチャ、機能、肩書は取材時の情報にもとづきます。>


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