MetaMoJi ClassRoom 事例紹介

鎌倉市教育委員会
アナログの良さを残しながら、デジタルのメリットを授業で活かしたい

 鎌倉市教育委員会は、2016年度からLTEモデルのiPadを導入しました。市内の全小学校16校に対して21台ずつ配備し、翌年には授業支援ツールとしてMetaMoJi ClassRoomも導入。手書きや日本語の大切さなど、これまで同市が培ってきた教育の良さを残しつつ、授業ではデジタルのメリットも活かされています。鎌倉市のICT活用を広げるツールとして、パイロット校を中心に実践・研究の取り組みが行われています。
日本語や手書きの良さを大切にしたツールであることに共感
 鎌倉市教育委員会は、2016年度にタブレットPCのリプレース時期を迎え、新たに導入する端末の一部にLTEモデルのiPadを採用しました。具体的には、児童用iPad20台と教師用iPad Pro1台を市内の全小学校16校に配備し、授業改善に向けて本格的な活用を始めました。

 iPad導入について鎌倉市教育委員会の指導主事 上太一氏は、「鎌倉市では以前から校務のICT化やネットワークなどICT環境整備に取り組んできました。ちょうどWindows端末のリプレース時期を迎えたときに、これからのICT活用は学校だけにとらわれず、さまざまな場所で活用する機会が増えると考え、LTEモデルのiPadを採用しました」と語っています。

 鎌倉市教育委員会では、授業支援ツールとして「MetaMoJi ClassRoom」を2017年度に導入しました。選択理由について上氏は、「デジタルツールでありながら、日本語や手書きの大切さを重視しているのが良いと思いました。鎌倉市は文化と歴史を重んじる風潮があり、デジタルの中にアナログの良さもあるMetaMoJi ClassRoomであれば、共感できる教師も多いのではないかと考えました」と語っています。これまで培ってきた教育の良さを残しつつ、新しい授業スタイルにも挑戦できると考えたようです。

 また同氏は、MetaMoJi ClassRoomを導入する前に、他の自治体で実際に授業での活用を見学したといいます。その際は、4年生の児童たちが新聞やレポートを作る活動だったようですが、その様子に上氏はとても驚いたといいます。「“4年生でもここまで書けるんだ”と驚きました。新聞やレポートづくりを見て、こういう使い方ができるのかと思い、アナログ文化を大切にする鎌倉市がICTの取り組みを進めて行くうえで、ステップアップしやすいのではないかと考え導入を決めました」と上氏は語っています。
授業で使う3つのメリット「焦点化」「共有化」「効率化」
 ICTのパイロット校である鎌倉市立山崎小学校。そこで6年生を受け持つ大村智秋教諭は、社会や国語の授業でMetaMoJi ClassRoomを活用しています。

たとえば社会の授業では、資料を提示するためにMetaMoJi ClassRoomを使用しています。武士の生活や貴族の生活など、カラーの資料を2つ上下に並べて配付し、児童たちは見比べながら、その違いについて考えました。以前は、拡大コピーしたものを使用していましたが、後ろの席の児童は見づらく、また複数の資料を提示させて比較することも容易ではありません。大村教諭は「MetaMoJi ClassRoomを使うことで、カラーの資料を至近距離で見せられるので、焦点化に有効です。そのため資料も細かく読み取ることができますし、集中力も増すように感じます」と手応えを語ってくれました。

 また、MetaMoJi ClassRoomでは情報共有しやすいこともメリットだと同教諭はいいます。今までは机間指導をし、児童がプリントに書き込んだ内容をみながら授業の展開を考えるしか方法がありませんでしたが、MetaMoJi ClassRoomを使うようになってからは全員の答えや途中経過をリアルタイムで把握することが可能になりました。大村教諭は「授業中の見取りがとてもしやすく、全体の意見共有につなげていくことができています」と語っており、個別指導や評価にも役立つと述べています。

 ほかにも大村教諭は「MetaMoJi ClassRoomを使い始めてから、自宅でも隙間時間を利用して簡単に教材を作れるようになりました」と語っています。自宅では個人のiPadを使用する大村教諭ですが、そこからMetaMoJi ClassRoomへアクセスし、PDFファイルを読み込んだ教材などを作成するといいます。昨今は教師の働き方改革などで効率化が求められている学校ですが、働き方の選択肢を広げるツールとしても使用されています。
MetaMoJi ClassRoomでカラーの資料を提示。細かく読み取ることができる。
MetaMoJi ClassRoomでカラーの資料を提示。
細かく読み取ることができる。
MetaMoJi ClassRoomでカラーの資料を提示。細かく読み取ることができる。
  
  
自分の言葉でまとめる活動を通して、インプットを高める!
2人1組でMetaMoJi ClassRoomを使用。男女で協力し合う様子も見られる。 2人1組でMetaMoJi ClassRoomを使用。男女で協力し合う様子も見られる。 2人1組でMetaMoJi ClassRoomを使用。男女で協力し合う様子も見られる。
2人1組でMetaMoJi ClassRoomを使用。男女で協力し合う様子も見られる。
 MetaMoJi ClassRoomを活用するようになってから、児童や授業はどのように変化したのでしょうか。大村教諭は、社会の単元の最後に行うまとめの活動について話してくれました。

  「一方的に教師が話す授業ではなく、児童主体の活動が増えるため、“授業が楽しい”という感想が出るようになってきました。また自分の言葉でまとめる活動も多いので、用語や名前なども頭にインプットされやすいのかテストの点数もよくなったと感じます。もちろんMetaMoJi ClassRoomだけの効果ではないと思いますが、児童の反応は良く“次は、いつ使うの?”と言われますね」と話しています。

 また同教諭は、2人で1台のiPadを活用する同校の使い方についても、良い傾向が見られるといいます。たとえば、「5〜6年生は男女のペアを嫌がる傾向がありますが、2人1組でMetaMoJi ClassRoomを使うときは、一緒に画面を覗きこみながら協力し合う様子も見られます」と大村教諭は話しています。ほかにも、公開授業でMetaMoJi ClassRoomを使った際は、保護者にも評判が良く、ICT活用への理解にもつながったと話してくれました。

 上氏はMetaMoJi ClassRoomのメリットについて、「校務用のWindowsパソコンで作った資料などを共有しやすい点が良いと思います。ちょっとした隙間時間に資料や教材をWindowsパソコンで作って、サーバーにアップしておけば、MetaMoJi ClassRoomを使って日々の授業で活用できます。この機能はこれからもどんどん他の先生に使ってほしいですね」と述べています。教育分野ではUSBでデータを持ち帰り、それを紛失してしまうトラブルが後を絶ちません。上氏は、こうしたトラブルを未然に防ぐためにも、ファイル共有しやすい環境を活かしてほしいというのです。
児童は主体的に。教師はコーディネートする存在に。
 ICTのパイロット校として、さまざまな実践に挑戦してきた大村教諭。今後の取り組みについては、「児童が主体的になれる授業をもっと作っていきたいです。さまざまな実践を見ていて、小学2年生でも十分に使えることが分かったので、教師はコーディネートする存在になりながら、児童主体の活動を増やしていきたいと思います」と述べています。

 また上氏は、「既成概念にとらわれないで、先生方の発想でどんどん使ってほしいと思います。学校の外に学びを広げたり、デジタルとアナログ、両方の良さを活かしたりと、今までの授業をさらに発展させるツールとして活用を広げてほしいです」と語っています。児童たちがもっと楽しく学び、主体的になれる場を作ることはできないか。そうした問いかけを大事にしながら、鎌倉市の教育を前進させたい考えです。
鎌倉市教育委員会
指導主事 上 太一氏
鎌倉市教育委員会 指導主事 上 太一氏
鎌倉市立山崎小学校
大村 智秋 教諭
鎌倉市立山崎小学校 大村 智秋 教諭
  
  
お客様プロファイル:
<本取材は2019年3月に行われました。画面キャプチャ、機能、肩書は取材時の情報にもとづきます。>