MetaMoJi ClassRoom - 【導入事例】大分県教育庁遠隔教育配信センター[大分県]
 

導入事例(高等学校)

大分県教育庁遠隔教育配信センター[大分県]

遠隔授業でここまでできる!
MetaMoJi ClassRoomをフル活用してきめ細かな授業を実践

大分県では2025年度から配信センターを拠点とする遠隔授業をスタートさせました。充実した映像・音響機材に加え、リアルタイム学習支援アプリのMetaMoJi ClassRoom(以下、メタモジ)を使用することにより、十分にコミュニケーションをとりながら、生徒一人ひとりに目の行き届いた遠隔授業が実践されています。

どの地域でも個に応じた多様できめ細かな高校教育を提供できるよう、配信センターを開設

大分県はすべての県立高校に、2020年度に生徒1人に1台のタブレットを整備、2022年度にメタモジを導入しました。今後も下げ止まらないと予測される少子化を見すえ、県は「どの地域においても、生徒自らの可能性を最大限に伸ばし、個に応じた多様できめ細かな高校教育を提供できる環境を整備する」というミッションのもとで遠隔教育を推進しています。遠隔教育に関する法改正などを背景に、県では2025年4月、大分市内に大分県教育庁遠隔教育配信センター(以下、配信センター)を開所して、県立高校を対象に遠隔授業を始めました。県内のどの地域に住む高校生にも、個に応じた多様できめ細かな高校教育を受けられる環境の整備を目指し、全国のモデルとなるよう取り組んでいます。

4校を対象に、2校ずつ合同で遠隔授業を開始

4つの高校がそれぞれペアになり、2校合同で遠隔授業を受ける。

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4つの高校がそれぞれペアになり、2校合同で遠隔授業を受ける。

配信センターからの遠隔授業初年度である2025年度は、4つの高校を対象に、理系の2年生のうち希望する約40名が参加しています。授業を担当するのは配信センターに所属する英語の三浦宏昭先生と数学の瓜生田浩司先生です。4つの高校は、佐伯鶴城高校と日田高校、臼杵高校と宇佐高校がそれぞれペアとなり、2校合同で授業を受けます。2校合同の意図について配信センターの釘宮隆之次長は「少子化の進行により、子どもたちは小学校入学前から高等学校卒業まで、比較的限られた人間関係の中で学校生活を送る状況が見られます。こうした中、今後生徒数がさらに減少する状況下においても、他校の生徒とともに学ぶことで多様な考え方に触れ、互いに刺激を受けながら学び合える環境を大切にしたいと考え、単独校ではなく合同による遠隔授業を実施しています」と説明します。授業に参加している生徒からも「コミュニケーションがとれて楽しい」「ペア校のスキルの高さに驚かされている。自分たちの学校も負けてられないなと思った」などの声が聞かれます。

2026年度以降は対象の学校数、学年、教科を増やす計画で、配信センターには前述の2名の先生のほかに7名の先生が所属し、準備にあたっています。

配信センターと教室の機材、そしてメタモジが遠隔授業を支える

配信センターには、先生が授業をする配信室が8室あります。先生の前方には大型ディスプレイが2台あり、2校それぞれの教室が映ります。大型ディスプレイの上部には、カメラ・マイク・スピーカーが一体となった遠隔教育専用機器が設置されています。受信側の教室にも2台の大型ディスプレイがあり、基本的には先生とペア校の教室がそれぞれ映っていますが、先生がスライドなどを映すこともあります。カメラ・マイク・スピーカーの一体型遠隔教育専用機器も配信センターと同じです。

配信センター側の機材。

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配信センター側の機材。

受信側の教室にも2台の大型ディスプレイが設置されている。

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受信側の教室にも2台の大型ディスプレイが設置されている。

小型のビデオ通話装置で学校間でのグループディスカッションが可能。

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小型のビデオ通話装置で学校間でのグループディスカッションが可能。

配信センターと教室の両方に高性能の映像・音響機材が整えられているので、先生は生徒の様子を細かく観察し、生徒のちょっとしたつぶやきもリアルタイムで聞き逃さず、きめ細かく対応します。生徒同士もペア校の教室が見え、声も聞こえるので、一緒に授業を受けているという一体感があります。各教室にはペア校同士を結ぶ小型のビデオ通話装置も3台設置され、学校間でのグループディスカッションに使われています。

そして学習内容の共有やコミュニケーションにフル活用されているのがメタモジです。その活用の様子をいくつか紹介します。

生徒の状況を常にリアルタイムで把握する

メタモジには、先生が生徒の画面を見ることのできるモニタリング機能があります。配信センターで授業をする先生の机にある機材のうち、最も大きいディスプレイがモニタリングに使用されています。このディスプレイはタッチパネル式で、先生はタッチ操作でスムーズに画面をスクロールしたりメタモジのツールを使ったりすることができます。

英語の三浦先生は、授業の進行に応じて「メタモジのこのページを開いて」と生徒に指示します。そしてモニタリング画面に生徒のタブレットの画面を並べて表示し、全員が該当ページを開いたことを確認してから先に進みます。いつのまにか授業の流れに取り残されている生徒がいるようなことはありません。

モニタリングでは、生徒がどのページを開いているかだけでなく、書き込んでいる様子がリアルタイムで表示されます。そのため先生は、生徒の進み具合や思考の過程を常に把握できます。

モニタリング機能で、生徒の状況をリアルタイムに把握しながら授業を進める

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モニタリング機能で、生徒の状況をリアルタイムに把握しながら授業を進める

きめ細かくフィードバックする

遠隔授業でも1対1の個別指導ができる

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遠隔授業でも1対1の個別指導ができる

メタモジでのリアルタイムな状況把握をもとに、先生は生徒にタイムリーできめ細やかなフィードバックを行います。「半分ぐらいの人が書けているね」「Aさんはこう書いているけど、ほかの人はどうかな」など、状況を知らせたりヒントを提示したり思考を促したりすることができ、生徒にとっては先生が見てくれているという安心感もあります。

先生が生徒のノートに直接書き込める機能も活用し、全員のノートに先生がヒントを示したり、先生と生徒が1対1の筆談でやりとりをすることもできます。

生徒の考えやクラスの傾向をすばやく知る

生徒がメタモジで青色の「○」と赤色の「?」のどちらかのボタンをタップすると、先生のモニタリング画面には生徒ごとに色分けして表示されます。

主に生徒の理解度を測る目的で使われる機能ですが、数学の瓜生田先生は2つの解法を解説した後、「どちらも正しい解き方だけど、みんなはどちらが好き? メタモジの『○』か『?』を押して教えて」と問いかけていました。このようにさまざまな場面でこの機能を活用することにより、生徒は思考を深めながら参加し、先生はすばやく状況を把握しています。

モニタリング画面の「〇」「?」機能を活用して、生徒の考えを確認

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モニタリング画面の「〇」「?」機能を活用して、生徒の考えを確認

授業中に板書した内容をその場で教材として配布

板書の写真をメタモジで配布して、授業時間を有効に使う

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板書の写真をメタモジで配布して、授業時間を有効に使う

瓜生田先生は、授業の前にホワイトボードに問や解法の多くの部分を書いています。その理由を先生は「授業中の板書に時間をかけるのではなく、説明やコミュニケーションに時間をかけたいから」と説明します。しかし、すべて前もって書いておくわけではなく、説明しながら板書をする部分もあります。それは「生徒の様子やノートの書き込み、発言に応じて授業の進め方を調整するため」(瓜生田先生)です。

ただ、説明しながら板書すると、生徒はノートをとることに忙しくなって先生の説明が頭に入らないおそれがあります。そこで先生は「無理にノートをとらなくていいよ、後で送るから」と生徒に声をかけて安心させます。そして説明が終わった時点のホワイトボードをタブレットのカメラで撮り、即座にメタモジで配布していました。

教材を共有し、タブレットの画面を使って解説する

長い文章が書かれている英語の教材などは、生徒にとっては大型ディスプレイよりも手元のタブレットの画面のほうが読みやすいと考えられます。そこで三浦先生は、教材のページを先生と生徒全員のメタモジで共有して解説を進めていました。「書く」ツールを使ってその場でノートに補足を書き加えたり、レーザーポインター機能を使って注目してもらいたい箇所を指し示したりすることもできます。

タブレットの画面で教材を共有。

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タブレットの画面で教材を共有。

メタモジに書き込んだり、レーザーポインターで指し示して解説。

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メタモジに書き込んだり、レーザーポインターで指し示して解説。

教室でも遠隔でも変わらぬ使用感。授業以外の支援でも活用

遠隔授業での一斉学習の様子。

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遠隔授業での一斉学習の様子。

大分県立臼杵高等学校

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大分県立臼杵高等学校

教室か遠隔かによってメタモジの使い方や使用感が違うわけではありません。ただ、遠隔であるがゆえの難しさがメタモジで補われています。臼杵高校の生徒に「通常の授業と遠隔授業で、メタモジについて違うと感じる点はありますか?」と尋ねましたが、違和感を指摘する感想はありませんでした。

配信センターでは、通年の遠隔授業に加えて「生徒進学支援オプション(SOP)」として、長期休業中の特別授業や、遠隔授業に参加している生徒に対する個別学習指導なども提供しています。このSOPでもメタモジが広く活用されているとのことです。県では、遠隔授業とSOPの二本柱を「大分モデル」として推進しています。

遠隔授業にとってメタモジは「不可欠なツール」、今後も活用を広げたい

授業を実施している三浦先生は「特にモニタリング機能は生徒の様子を知るための重要なツールであり、メタモジは遠隔授業において欠かせない存在です」と言います。瓜生田先生は「全県立高校にメタモジが導入されているので、どこの学校に対して遠隔授業を実施するにしても運用しやすい」と指摘します。冒頭で紹介した通り、2026年度以降に遠隔授業の対象が増えますが、瓜生田先生は「より広く遠隔授業を実施して裾野を広げたい」と意欲を示します。三浦先生は「この整った設備を活かし、将来的には全国の高校生や海外の子どもたちとも交流できる機会をつくりたい」とさらなる可能性にも言及していました。

メタモジは、大分県の遠隔教育における、学習内容の共有と、先生と生徒、生徒同士の「つながり」を可視化する要として機能しています。

大分県では2022年度からすべての県立高校においてメタモジが教室での授業で使用されています。これについても本サイトの事例記事で紹介していますので、あわせてご覧ください。

大分県教育庁遠隔教育配信センター<br />次長 釘宮隆之 氏

大分県教育庁遠隔教育配信センター
次長 釘宮隆之 氏

大分県教育庁遠隔教育配信センター<br />主幹 三浦宏昭 氏

大分県教育庁遠隔教育配信センター
主幹 三浦宏昭 氏

大分県教育庁遠隔教育配信センター<br />副主幹 瓜生田浩司 氏

大分県教育庁遠隔教育配信センター
副主幹 瓜生田浩司 氏

お客様プロファイル:
  • 大分県教育庁遠隔教育配信センター
  • 所在地:大分県大分市上野丘2丁目10−12
  • URL:https://oitatele.com/


<本取材は2025年11月に行われました。画面キャプチャ、機能、肩書は取材時の情報にもとづきます。>

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