導入事例(高等学校)
大分県教育庁(通常授業での活用)[大分県]
大分県の全県立高校で日常的な必須ツールとして活用

大分県のすべての県立高校に、1人1台のタブレット、そしてリアルタイム学習支援アプリのMetaMoJi ClassRoom(以下、メタモジ)が導入されています。先生がメタモジを利用している割合は年々上昇し、「日常的な必須ツール」となりつつあります。
2022年度から全県立高校で導入
大分県の県立高校では、2020年度に1人1台のタブレットを整備しました。その後、端末の経年劣化などにより、2025年度には端末を更新しています。
メタモジについては、2021年度を検証期間として一部の高校で導入し、使用した先生から「授業運営に不可欠な便利なツール」と評価され、2022年度から全県立高校にメタモジが導入されました。
「メタモジなしでは授業が成り立たない」と先行導入した先生は実感

大分県立大分南高等学校 指導教諭 菅淳司 氏
2021年度にいち早くメタモジを使い始めたのが、数学・情報の菅淳司先生です。その2年ほど前にメタモジを知り、試験的な運用を経て導入しました。メタモジに注目した理由について菅先生は「数学は手書きが多い教科なので、メタモジは手書きがしやすく、画面の拡大・縮小が自由にできるのがいいですね。また、私は日頃から生徒に対して『ノートに書いたことが間違っていても消すな』と言っています。間違いから学ぶことが大切だからです。メタモジでは間違った部分を選択して別の場所に簡単に移動できるので、生徒が間違いを消さずに残し、あとから見直すということを実現できるようになりました」と語ります。
「メタモジがなかったら授業ができない」と感じた菅先生は、県の研修で講演をしたり自身の研究授業をリモート配信するなど、県立高校全体への導入やその後の利用推進に大きな役割を果たしています。
教材の共有、板書の撮影など、授業全体でメタモジを活用
菅先生が担当する大分南高等学校3年生の数学の授業は「昨日の問題をみんなで確認して」という先生の声かけから始まりました。生徒たちは2、3人でメタモジのノートをお互いに見せて話しあったり、1人でノートを見直したりしながら確認します。このように自分たちのペースで学ぶ時間では、先生は机間巡視をしてフォローします。その後、菅先生が説明しますが、この時点では先生は板書をしません。教材がすでにメタモジで全員に共有されているので、メタモジのレーザーポインター機能で重要な部分を指し示しながら説明していきます。
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大分県立大分南高等学校
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メタモジのカメラ機能で板書を撮影する生徒たち。
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メタモジに板書の写真を貼り付けて、メモを書き込む。
授業が進むと板書をしながらの説明に移ります。そしてきりの良いところで「必要な人は黒板を写真に撮って」と促します。メタモジからの操作でタブレットのカメラを使って撮影すると、写真がメタモジのノートに貼り付けられ、生徒は手書きと写真を組み合わせたノートを自由に作成できます。
授業時間の最後に、生徒はメタモジでリフレクションシートを記入します。先生は回収の手間をかけることなくこのシートをいつでもどこでも確認できます。菅先生は授業中に「この間のリフレクションシートに『ここがわからなかった』と書いていた人がいたけど……」というように、生徒のコメントや理解度について細かく拾い上げていました。
このクラスの生徒に聞いたところ、受けている授業のうちおよそ8割でメタモジが使われているそうです。ノートに貼り付けた写真を生徒同士で共有して話し合いをしたり、ノートのスクリーンショットをAirDropでやりとりするなど、臨機応変にノートを共有して学びを深めています。先生側の共有の設定によりますが、家でほかの人のノートを開いて学ぶ場合もあるとのことでした。
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リフレクションシートに、理解できた点や理解できなかった点などを記入。
生徒がよく「考える」授業を実現
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生徒同士がノートを見せ合ってお互いの思考を共有。生徒がよく考えるようになった。
教材をメタモジで共有することや、黒板を写真に撮るよう促すことについて、菅先生は「メタモジを使うようになってから、私の場合、板書は3分の1程度に減りました。その分、生徒の反応を見ながら授業を進めることができます。また、授業中の生徒の学び方としては『書く・考える・先生の話を聞く』が最も良いのですが、この3つすべてはなかなかできません。『考える』が抜けてしまいがちです。メタモジを使うと黒板の写真を撮ってあとから整理できるため、生徒がよく考えるようになりました。生徒同士がお互いにノートを見せあって、思考を共有することもできます。生徒がよく考えるようになったことから授業中の発言が増え、しかも的を射た発言が頻繁に出てくるようになりました」と語ります。出張の際にも課題をメタモジで配布し、「出張先でも見てるからね」と生徒に伝えているそうです。
菅先生は実践を踏まえ、先生方を対象とする県の研修などで、板書が減ってその分生徒をよく見られることや、紙での課題や連絡事項の作成・配布・回収・返却の手間がかからず、特に担任の負担を減らせることを伝えています。
メタモジの利用率は年々上昇、「なくなったら困る存在」に
大分県教育庁 教育DX推進課 ICT教育指導班 指導主事兼主幹(総括)の佐藤賢治氏は、県の取り組みについて次のように述べています。
「各校のリーダー的な役割の先生を対象としたメタモジの研修を定期的に継続し、事例発表などで活用方法を共有しています。また、職員会議で資料を共有するなど校務でもメタモジを使用して業務の効率化を図りながら、ICT活用に苦手意識がある先生も扱う機会が自然に増えるよう工夫している学校もあります」
教育庁では、メタモジの利用に関して毎年調査を実施しています。これによると「授業において利用している」と回答した先生の割合は、2023年度が64%、2024年度が71%、2025年度が79%と、年々上がっています。メタモジの利用について教科の偏りは見られず、探究の時間やホームルームなどにも活用されています。
生徒に対する調査でも、メタモジが役に立っていると回答した割合は年々上がり、2025年度には96.8%に達しました。生徒からは「課題提出が便利」「日々のノートの整理や見直しがしやすい」「生徒同士で意見の共有ができる」などの声があり、佐藤氏は「生徒が使ってほしいと思っているから先生方の利用率が上がっているという側面もあるかもしれません。学校にとってなくなったら困る存在になっています」と語ります。
大分県の県立高校では、本記事で紹介した通常の授業に加え、メタモジを活用した遠隔授業も実施され、先進的な取り組みが広く注目を集めています。日常的にメタモジを使い慣れているからこそ、遠隔授業になっても生徒たちは戸惑うことなく、スムーズに学習に取り組めています。遠隔授業についても本サイトの事例記事で紹介していますので、あわせてご覧ください。
- 大分県教育庁
- 所在地:大分市府内町3丁目10番1
- URL:https://www.pref.oita.jp/site/kyoiku/list21515.html
- 大分県立大分南高等学校
- 所在地:大分市判田台南1丁目1番1号
- URL:https://kou.oita-ed.jp/oitaminami/
<本取材は2025年11月に行われました。画面キャプチャ、機能、肩書は取材時の情報にもとづきます。>









