安全AIソリューション
AIで施工管理を安全に
近年の建設現場では、高齢労働者や外国人労働者が被る労働災害の増加に加え、若手監督者への安全技能の伝承不足などから、労働安全衛生管理のさらなる高度化が求められています。
「労働災害防止計画」とは、労働災害を減少させるために国が重点的に取り組む事項を定めた中期計画です。2023年4月から「第14次労働災害防止計画」が始まっています。本計画の重点対策のうち、建設業の労働災害防止対策の推進において事業所に取り組みが求められていることの一つに
なお、本計画が目指す社会においては、「労働者等の関係者が、安全衛生対策について自身の責任を認識し、真摯に取り組むことが重要」であり、そこで求められる安全衛生対策は、「DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展も踏まえ、(中略)ウェアラブル 端末、VR(バーチャル・リアリティ)やAI等の活用を図る等、就業形態の変化はもとより、価値観の多様化に対応するものでなければならない。」と明記されています。
それでは、具体的にどのように取り組んでいけばよいのでしょうか?
▼「労働災害防止計画」について詳しくは、厚生労働省のサイトをご覧ください。https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000197308.html
現場の課題
労働災害の安全対策においてこれまで企業が経験した災害知識に基づいて対策が行われ、その知識の蓄積媒体として労働災害報告書が利用されてきました。安全衛生対策でAI等の活用が推奨される一方で、現場ではAI活用以前に、ベテランの大量退職と若手の就労不足により、「現場でのノウハウ伝承の危機」が顕在化しており、労働災害報告書の読み取り能力がリスクアセスメントに影響する事態も発生しています。報告書のままでは知識資産としての再利用性が低く、報告書の検査システムでは問題を解決することが困難な状況になってきています。
個人の経験や勘に頼らない
「リスクの見える化」「安全対策の高度化」を実現
MetaMoJiでは、このような課題解決のために2019年より独立行政法人安全衛生総合研究所、株式会社大林組と共同研究を行ってきました。共同研究から得られた労働災害対策の知識を「リスク予測知識データベース」として提供することで、個人の経験や勘に頼らない「リスクの見える化」「安全対策の高度化」が実現します。
すべての労働安全衛生管理プロセスに対応、
リスクアセスメントをAIが支援
安全AIソリューションは、建設現場の状況に合わせて、安全管理用のチェックリストをAIが動的に作成するシステムです。eYACHO上に作成される安全衛生日報や作業計画書などの帳票上に、作業者や現場の状況に応じて関連度の高い安全管理情報を動的に抽出する独自の「Dynamic Checklist®(ダイナミックチェックリスト)」を作成します。作業者や現場の状況に最適な内容を表示することで、個人の経験や勘に依存しがちな安全管理業務を改善することができます。
ダイナミックチェックリストの一例
利用シーン
1.現場(全体)
2-1.現場(工種毎)
2-2.現場(工種毎)
3.工事事務所
先行試用から見えた利用上の問題点
2022年7月~2023年6月にかけて先行トライアルを行った結果、利用上の問題点がいくつか浮かび上がってきました。
利用データに応じたシステムが選定可能
上記の問題点を踏まえ、MetaMoJiの安全AIソリューションは、厚労省の労働災害事例データを利用する「汎用データ利用型」か「自社データ利用型」かを選定することができます。自社データの整備やデータ量が不十分な場合は、汎用データを利用することでクイックスタートが可能になります。
MetaMoJiの安全AIソリューションは『利用データ作成』『リスク予測データベース構築』『危険予知と安全対策の実施』の3つのフェーズで構成されています。
1.利用データの作成
組織内外に散在している労働災害情報をIMTOC表現でデータベース化します。
* IMTOC表現とは、業種(I)・起因物(M)・事故の型(T)・作業その他の条件(O)および直接原因(C)の5つの要素によって、労働災害の事例を類型化し表現する方法
2.リスク予測データベース構築
労働災害データから「自然言語処理AI」がリスク予測データベースを自動構築し、様々なデータサイエンスに基づく分析からリスクを自動判定します。
3.危険予知と安全対策の実施
現場では「eYACHO」上で労災情報を登録し、職種、使用機械、予測災害などから「Dynamic
Checklist®(ダイナミックチェックリスト)」等の帳票を生成し、徹底した安全対策を効率的に行います。