導入事例

日本金銭機械株式会社様

修理・メンテナンス業務のペーパーレス化・効率化を目的にiPadを導入
手書き認識入力「7notes Pad+WC」で、現場と本社の入力業務削減に成功。

高い文字認識精度が採用のポイントに
お客様のサインと、現場担当者の文字入力の問題を一挙に解決

日本金銭機械株式会社は、世界中の紙幣の真偽識別を得意とする金銭処理機メーカーで、日本と世界130以上の国や地域へさまざまな製品を提供している。 販売製品のアフターサービスとして、日本全国で修理・メンテナンス業務を行っているが、これまでの紙の修理報告書での運用にはさまざまな問題点があった。

そこで、従来のメンテナンス業務のペーパーレス化・作業効率化を目的として、保守管理システムを開発。お客様先から修理担当者がiPadでWebフォームに入力し、その入力データがリアルタイムにシステムに反映されるようになった。

このシステムのiPad用入力ツールとして、手書き文字入力ブラウザ「7notes Pad+WC」が採用されている。7notes Pad+WCの導入経緯について、システム構築を担当した今西幸治様にお話を伺った。

「当初、iPadでの入力にはソフトウェアキーボードか、Bluetoothのキーボードを使おうと考えていました。しかし、修理報告書にはお客様にサインを書いていただくのですが、その入力をiPadでどのように行えばいいかという課題がありました。そこで候補に挙がったのが『7notes Pad+WC』です。

最初はお客様にサインを書いていただく用途で検討を始めたのですが、実際に使ってみると手書き認識の精度が非常に高く、そこが決め手となってiPadの入力ツールとして採用することになりました。」

7notes Pad+WCを採用することで、iPadでの手書きと、テキスト入力の問題を一挙に解決できたという。修理報告書のサイン欄を応用して、店内のどこを修理したか、手書きの図で書けるようにもした。

実際に修理業務を行う現場担当者の声に詳しいJCMシステムズ株式会社 カスタマーサービス部の石川滋様は、7notes Pad+WCの手書き認識精度について次のように評価する。

「雑に書いた文字や、クセのある文字でもしっかり認識されることに驚きました。修理担当者は、店舗の一角の狭い場所で作業することが多いので、丁寧に文字を書ける環境ではありません。しかし、これだけ高い認識精度があれば、現場で問題なく使えると思いました。実際、導入したあとの現場担当者からの評判もとてもいいです。」

日本金銭機械株式会社様 経営企画本部 人事総務部 情報システムグループ リーダー 今西幸治様

お客様のサインをイメージ出力できる。 iPadでの入力の問題を一挙に解決できた。

最初の何文字かを書くだけでOK

入力の手間が圧倒的に少なくなったと好評

実際に導入して、利用者から文字入力の操作に関して、戸惑いはなかったのだろうか。

「システム稼働前に習熟期間を設けていたこともあり、稼働後は入力操作についての問い合わせはほとんどありません。

導入当初は、iPadに慣れていないことへの抵抗が多少あったようですが、今では紙に書くよりも楽になったと、現場担当者からも好評です。

修理報告書に書く言葉はある程度パターン化されていて、最初の何文字かを書けば学習された変換候補が表示されるので、入力の手間が圧倒的に少なくなりました。

以前使っていた複写式の用紙には力を強く入れて書かないといけないのですが、MetaMoJiのスタイラスペン『Su-Pen』を使ってiPadに書くと、力を入れずに書けるところもいいですね。」(石川様)

JCMシステムズ株式会社 カスタマーサービス部
サポートセンター係長 石川滋様

JCMシステムズ株式会社 カスタマーサービス部 サポートセンター係長 石川滋様

最初の数文字を書けば変換候補が出るので紙に書くよりも入力が楽になったと好評。

紙と同じ感覚で使える手書き入力が、利用者のハードルを下げた

情報システムグループ主任の新谷健太様は、現場での利用が成功した理由をこう振り返る。

「現場の修理担当者はパソコンやITが苦手な人も多いので、紙と同じ感覚で使える手書きというところが受け入れられやすかったと思います。もし、当初考えていたBluetoothキーボードを採用していたら、限られたスペースしかない現場でキーボードをどこかに置いて入力しないといけません。

それに、パソコンが苦手な人にキーボードでの入力や、ペアリングの設定が行えるかなど、さまざまな問題が起こっていたと思います。

7notes Pad+WCを採用したことで、結果的に極力持つものを減らせたことも、現場での作業に適していました。」

日本金銭機械株式会社 経営企画本部 人事総務部
情報システムグループ主任 新谷健太様
「手書きということが現場担当者に受け入れられた」

日本金銭機械株式会社 経営企画本部 人事総務部 情報システムグループ主任 新谷健太様 「手書きということが現場担当者に受け入れられた」

本社側の入力業務は従来の1/3に削減
蓄積される情報の精度も向上

以前は手書きの報告書が郵送やFAXで本社に送られて、それを本社側でデータベースに入力し直していた。手書きの報告書には読めない字や誤字も多く、その都度確認を行っていたため作業効率も悪かったという。 また、締め日前に入力業務が集中するといった問題も起こっていた。

「システム構築後は、現場からリアルタイムで報告書が送信されるようになったので、本社での入力業務は従来の1/3程度に削減できました。また締め日前に業務が集中するという問題も解消しました。

以前は入力業務の工数を減らすために、報告書のすべての内容ではなく、重要なポイントに絞って入力を行っていましたが、いまは現場で書いた報告書がそのままシステムに送信されるので、蓄積する情報の精度を高めることもできました。

お客様の控えも同じものがFAXで自動送信されます。以前より報告書がきれいで読みやすくなったと、お客様からも大変好評です。」

「現在、この保守管理システムは日本国内のみで運用していますが、当社はグローバルに展開しているので、海外の保守現場での利用ができればとも思っています。

気軽に持って行けて気軽に使えるiPadと、誰でも簡単に使える手書き入力のメリットを活かして、今後は、倉庫の入出庫業務や、営業部門と他部門の連携などでも活用してみたいですね。」(今西様)

左は以前の手書きの修理報告書。手書きのため判別できないことも多かった。右は7notes Pad+WCを使って入力した現在の修理報告書。
テキスト化されて読みやすくなり、お客様にも喜ばれている。

・iPad は Apple inc.の登録商標です。

お客様プロファイル:
  • 会社名:日本金銭機械株式会社
  • 住所:大阪府大阪市平野区西脇2-3-15
  • 企業概要:会社名の英語表記の頭文字をとった「JCM」というブランドで、世界中の様々な市場(カジノ、ATM、券売機、精算機、自動販売機、各種キオスク端末機など)をターゲットに事業を展開し、最新の鑑識別技術などを駆使して、人々の貨幣に対する信頼の維持と、社会秩序の安定に貢献している。
  • http://www.jcm-hq.co.jp/

<本取材は2015年6月に行われました。画面キャプチャ、機能、肩書は取材時の情報にもとづきます。>

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