導入事例

ABCクッキングスタジオでの、新規入会や受講手続きや各コースごとの申し込みなどに使用する書類は膨大。登録用紙だけでも月間2万枚、年間では何と25万枚以上になるという。さらに登録作業もとても煩雑で、手順としてはお客様が記入した書類を教室の先生が内容をチェックし、ファクシミリでデータセンターへ送信。それからオペレーターが必要事項をシステムに入力して金融機関の審査をおこなった後、お客様に確認のサインをもらうというステップになっていた。

システム本部長を務める中村紀泰さんによると「教室ではお客様お一人に付き書類作成に約30～40分かかり、土日の混み合う時は90分以上かかることもありました。せっかく申し込んでいただいたのにしびれを切らして帰られてしまう方もいらっしゃって、大変申し訳なく思っていました」と、状況を改善する必要を強く感じていた。

そこで、こうした手続きを一挙に簡略化するために2011年8月1日からAppleのタブレット端末「iPad」を500台を導入し、各教室に配布。今まで紙ベースで行っていた作業をオンライン化することに成功した。その結果、登録に必要な時間は大幅に解消され、新規の申し込みはもちろん、既存の会員からも多いに喜ばれることとなった。

今回開発したシステムは、iPadに標準装備されているSafariというブラウザを使って表示された入力フォームの中に、会員情報や選択コースなどの必要事項を記入する仕組みになっている。従来ならば入力はiPadの中に表示されるソフトキーボードを使うのだが、『7notes Pad +WC』を使えば、枠の中に指で書いた文字がキーボードと同じように変換され、入力することができる。

「iPadやキーボードに不慣れな初心者でも簡単に入力作業が進められる手書き入力システムが必須と考えていて、操作が簡単で直感的にすぐ覚えられるというのもありましたが、何よりも採用の決め手は一文字ごとではなく、連続して書いた文字を素早く自動的に変換できることでした。文字認識の精度も高くて、多少の文字の乱れやクセがあってもしっかり文字を判別してくれる。また、キーボード入力なら切り替えが必要な、漢字とひらがな、数字を一緒に書いてもそれぞれちゃんと区別して入力できるのには一番驚かされました」と今回のシステム開発を担当した情報システムグループの田上英治さん。

iPadと手書き入力ができる『7notes Pad + WC』の組み合わせは、教室の先生方からの評価も高い。店舗統括責任者の御手洗愛さんによれば「講師や事務スタッフは全員女性なのですが、みんな、短期間にすっかり使いこなしています」

「今では作成と同時にセンターへデータとして送られますし、入力作業もお客様にしていただけるので、まちがいも少なくなりました。そうした事務作業が減った分だけ、本来の料理講師という業務に専念できるようになり、先生方もみなさん喜んでらっしゃると思います」

新しいアイデアに合わせた次のステップも田上さんの中では始まっている。

「iPad では、7notesPad+WC と同じ技術を使った『7notes』というアプリがあって、それを使えばブログに料理の感想やメッセージを書き込んだり、他にもいろいろなサービスに使うことができるようになります。こうした新しいツールも提案しながら、教室の中がもっと笑顔でいっぱいになるようにしていきたいですね」とのこと。

・iPadはApple inc.の登録商標です。