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MetaMoJi ClassRoom先生 授業例

【視覚特別支援学校 高等部普通科 全学年 全教科】墨字で学習をする生徒のための授業ノート作り

大分県 大分県立盲学校 堀奈々絵先生

■ 単元目標

・生徒が思考活動を止めることなく,主体的に学習活動を行うことができる。

■ MetaMoJi ClassRoom を導入した利点と成果

<導入前の問題点>
・各種アプリケーション内の拡大機能や,デバイスのアクセシビリティを利用しても,必ずしも生徒個々の見え方に合うとは限らない。
・弱視の生徒が墨字でプリント学習をする場合,教員が生徒個々の見え方にあったフォントやポイント数でプリントを作成するが,それでも画数の多い字,化学式の添字,図の詳細やグラフの交点等の「丁寧に確認すべき箇所」は見極めが困難なことが多く,より丁寧に確認する必要がある。以上2点から,一度思考をとめ,教員と共に正しく読み取れているかを確認し,また思考を再開するという過程を多く踏まざるを得なかった。
<利点と成果>
・MetaMoJi ClassRoomの拡大機能(最大2500倍)は,生徒自身の手で自分に合った見やすさに操作することが容易であった。
・生徒が「丁寧に確認すべき箇所」に出合ったときは生徒自身でデバイスの画面をピンチアウトして,正しい表記を確認できるようになった。
・ペンの太さや色を自由に選択できたり,音声の挿入ができたりすることは,個別最適なノートテーキングを可能とした。以上3点から,思考活動を途切れさせることなく学習活動を行うことができるようになった。

■ 学習活動

1.授業ノートの作成(見やすさの支援)

教師の事前準備:授業ノートの作成(見やすさの支援)(1)

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教師の事前準備:授業ノートの作成(見やすさの支援)(2)

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教師の事前準備:授業ノートの作成(見やすさの支援)(3)

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プリントの全体像(写真1,2枚目)をつかめ,写真3枚目のように段落のまとまりを画角いっぱいに拡大しながら学習できるようなレイアウトにする。例えば,写真1枚目(A3横,3段落,24ポイント),2枚目(A4縦,2段落,18ポイント)をそれぞれ段落のまとまりを画角いっぱいに拡大すると,写真1枚目は34ポイント相当,2枚目は42ポイント相当になる。
<よりよく使うために>段落のまとまりをスワイプせずに読めると学習活動がスムーズに進む。生徒の見やすさに応じて,用紙サイズ,段落数,ポイント数を選択する。

2.一問一答課題の作成(自主学習の支援)

一問一答課題の作成(自主学習の支援)(1)

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一問一答課題の作成(自主学習の支援)(2)

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授業ノートは個別学習ページで作成し,個人レイヤーにめくりをつける。
<よりよく使うために>問題演習の授業ノートでは,めくりは教師が挿入しがちだが,それは避ける。生徒自身がめくりを挿入することで,自身が一番見えやすい色を選択できるからである。

3.音声ポートフォリオの作成(振り返りの支援)

音声ポートフォリオの作成(振り返りの支援)

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授業ノートに音声ボタンを配置し,録音しながら学習の振り返りを口述する。
<よりよく使うために>音声ボタンのサイズを大きくし,その配置場所は他のノートとも揃える。

4.モニタリング(生徒の思考活動の見える化)

生徒が文字を書いたり消したりする様子をモニタリングすることで,教員は生徒の理解度や支援が必要な箇所を知ることができる。従来のプリント学習や固定されたモニタリングとは異なり,生徒の活動を止めることをせずに,リアルタイムでモニタリングできる。
<よりよく使うために>生徒がモニタリング機能に対して肯定感を持てるよう,モニタリングの目的を伝える。

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