7notes Pad+pc

大和ハウス工業様 導入事例

iPadと手書き入力インタフェースが住宅展示場での"接客の情報化"を実現

大手住宅メーカーである大和ハウス工業は、Apple製のiPadを数千台規模で大量導入し活用している。同社のiPadへの取り組みでも特に注目されるのは、住宅展示場という同社にとっての営業の最前線で、顧客と営業担当者の「間合い」を近づけるツールとしてiPadとMetaMoJi製のツール「7notes Pad+WC」を積極的に活用していることだ。

同社のiPadの活用方法は、大きくは次の3通りだ。まず、iPadの優れた表示機能を生かして電子カタログとして活用している。これにより、同社内で蓄積してきた営業の説明ツールにiPadを使うことで即座に、しかも全社展開する形で活用できるようになった。次に、社内メールを始めとする業務システムへのアクセスにも活用している。

3番目に、顧客が自らiPadのタッチスクリーンを使い情報を入力するアンケート機能を営業の現場で活用している。資料の閲覧だけでなく、顧客が記入する紙のアンケート用紙の代替としてもiPadを活用することで、接客の情報化という難題を成し遂げることに成功したのだ。このシステムを成立させる上で重要な役割を果たしたのが、MetaMoJiが開発した手書き文字入力インタフェースを含むブラウザ環境「7notes Pad+WC」なのだ。

営業現場の要望を最大限に取り入れ推進

大和ハウス工業
住宅事業推進部営業統括部
事業戦略グループ主任
佐々木信綱氏

同社は、2011年7月より一部部署にiPadの先行導入を開始。効果を見極めながら2011年秋以降には本格的にiPad導入を開始した。同社のiPad導入の初期段階から関わった佐々木信綱氏(大和ハウス工業住宅事業推進部営業統括部事業戦略グループ主任)は、「開発期間中は苦しかった」と振り返る。「営業担当者の9割はiPadを使ったことがなく、まず、使ってもらう所から始めないと」 (佐々木氏)。

同社は、業務用端末としてのiPadを導入することをトップダウンで決めた。タブレット端末は個人情報などが端末内に残らず万一紛失した時にも情報流出のリスクが低い。またPCに比べ、軽く、操作が直感的で、導入コストも安い。iPad以外のタブレットも候補に挙がったが、操作性や質感が優れていることからiPadを選定した。

とはいえ、iPadを単に社員に与えただけでは実際に現場の業務に活用してもらえるとは限らない。佐々木氏らは、営業の最前線で、iPadをフル活用できるよう、現場の要望をシステムに反映し続けた。事業部門に所属しながら情報化に関わる佐々木氏のような要員がいなければ、ここまで現場で使われるシステムを作ることは難しかっただろう。

同社はここ数年ナレッジマネジメントに取り組んでおり、営業の説明ツールとして活用できるように販売ノウハウなどの知識の集積を進めていた。iPadは、まずこの知識群ヘアクセスするツールとして有効だった。iPadで、営業の説明ツールを閲覧可能としたことにより、全社に行き渡る標準的な説明資料を得ることができた。

前述したアンケートシステムの開発では、iPadの画面サイズや接客の「間合い」まで考慮した細かな改善を繰り返した。顧客にアンケートを記入してもらう関係上、途中で「一休み」するような画面構成上の工夫も取り入れた。
これらの現場に密着した絶え間ないシステム改善の努力の結果として、同社は今ではiPad数千台を導入する大口ユーザーとなった。営業相当の新入社員全員にiPadを配っているという。

顧客との最初の接点として活躍するiPad

同社のiPadの活用方法で、特に注目したいのが、前述したように顧客との接点として使いこなしていることだ。iPadを活用することで、営業の現場での見た目の新しさ、スマートさを得ることができた。紙の説明資料が入ったファイルを小脇に抱えて接客するのに比べ、iPadだけを持った営業担当者はよりスマートに見える。「営業担当者がiPadを持っている。その佇まいがいい」 (佐々木氏)。「同じ『アンケートをお願いします』でも、iPadを持ってお願いすると、一歩リードした感じになります」(佐々木氏)。

同社は、アンケートを単なる「個人情報取得ツール」ではなく、住宅展示場へやってきた訪問客と同社の営業担当者が最初に出会う「ファーストコンタクト」のツールと位置づける。アンケートの最初の数ページで質問するのは、住宅展示場に「なぜ来たのか」「何をするために来たのか」「知りたいことは何か」に相当する情報だ。これらの情報を共有することで「お客様との会話は間違いなく違うものになる」と佐々木氏は話す。「病院に行くと問診票があります。ある程度の質問に答えてくれないことには、必要な情報を提供できないからです。私たちのアンケートも、まずお客様のために必要な情報を提供するためのツールと考えています」 (佐々木氏)。

7notes Pad+WCを利用して、手書き文字入力によりアンケート欄に記入している様子。

アンケートシステムを作り上げるため、佐々木氏らは全国の営業所から何十種類ものアンケート書式を取り寄せた。営業の現場で使われるツールは営業所ごとに細かく違う。それらをうまく網羅した内容とした。アンケートを共通化することにより、全国のデータを横断的に分析してマーケティングに活用する可能性も見えてきた。また、営業の現場では、「これから家を建てる人の言葉を聞く」という顧客との接点としてアンケートシステムを使いこなすようになった。

同社にとってアンケートとは営業相当者と顧客との会話を支援するツールだ。そこで使われるiPadと7notes Pad+WCの役割は重い。

導入して分かった空間的・時間的な「間合い」

導入してみて初めて分かる事も多かった。 例えば、回線速度と接客の「間」の関係だ。導入当初は、3G(第3世代携帯電話)ルーターとiPadを組み合わせて使っていた。だが「接客の間合いを考えると(3Gの)画面遷移のスピードでは困る」 (佐々木氏)ことが分かった。そこで同社は住宅展示場にWiFiスポットを設置する取り組みを始めた。

また、iPadを使うと、接客の際の空間的な「間合い」が近くなることも分かった。iPadの画面サイズは対角9.7インチだ。この画面に表示された電子カタログやアンケート画面を囲んで接客するため、従来よりも顧客との距離が近くなる。営業担当者にとっては好ましい変化だ。

同社が作り上げたiPadによる接客のシステムは、システム技術の観点で見ればWebアプリケーションとiPadによるクライアントの組み合わせで、ー見単純に思えるかもしれない。しかしその内容を掘り下げてみれば、接客の時間的・空間的な「間」を強く意識して調整されたものとなっているのだ。

手書き入力へのとだわりからアンケートシステムが誕生した

アンケートの途中で、「一休み」する画面を出すようにした。現場の判断で、ここでアンケー卜入力を中断できるようにした。

佐々木氏は、最初にiPadを見たときに「電子カタログのような営業ツールとして使える可能性はあると思った。しかしアンケートを作れる自信はなかった」と回想する。営業資料を電子化してiPadで、閲覧する使い方が有効であることはイメージできた。だが、接客で重要な役割を果たすアンケートを紙から代替できるかどうか――。iPadのソフトウェアキーボードで顧客に入力してもらうようなやり方では、とうてい無理だ。その佐々木氏に「アンケートシステムをiPadで作れる」という確信を持たせてくれたのが、MetaMoJiの手書き入力機能を備えたブラウザソフト「7notes Pad+WC」だったのだ。

アンケート入力画面の例

同社はiPadによるアンケートシステムの開発により、難易度が高い「接客の情報化」を実現した。接客の質の向上、紙から情報システムへの再入力の手間やタイムラグのない業務フロー、システムによる接客時間の計測など、数々のメリットを得ることができた。何より、iPadというツールが持つ新鮮さが、接客の現場をスマートにしてくれた。

大和ハウス工業は、iPadという完成度か高いタブレットデバイス、そして企業情報システムのクライアントとしての機能と、手書き文字入力機能を備えたMetaMoJiの「7notes Pad+WC」により、スマートデバイスの時代ならではの情報システムを手に入れた。最新の情報デバイスとツールを使いこなす同社の取り組みは、現場の情報化、接客の情報化という難題に取り組む人々にとっての重要なヒントを含んでいるといえるだろう。

お客様プロファイル 会社名:大和ハウス工業株式会社 本社:大阪市北区梅田3丁目3番5号 企業概要:「人・町・暮らしの価値共創グループ」として、お客様と共に新たな価値を創り、活かし、高め、人が心豊かに生きる社会の実現を目指して、戸建住宅・分譲マンション・賃貸住宅などの住宅事業、商業施設などの建設事業、都市開発事業、海外事業、環境エネルギー事業などを展開しています。 URL:http://www.daiwahouse.co.jp/

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