MetaMoJi Note 事例紹介

01. 徳島文理大学・林准教授 小学生がMetaMoJi Noteで新聞作り

四国・徳島県のほぼ中央に位置する上勝町は、人口が約1,800人と四国で最も小さな山の町です。高齢化率(65歳以上が人口に占める割合)は49%と、県内で一番高齢化が進んでいます。一方、料亭などで日本料理に添えられる紅葉、南天など「つまもの」を産業化し、「おばあちゃんの葉っぱビジネス」で全国でも有名な地域。このビジネスでは、高齢者が葉っぱを受注したり出荷額を確認するため早くからパソコンを導入しており、IT利活用の好例として、テレビ、雑誌はもちろんパソコン専門誌でも頻繁に取り上げられています。2012年からは、パソコンの代わりにGalaxy Tabを導入。「タブレットおばあちゃん」としてNTTドコモのCMにも登場しました。
全校児童66名、町内唯一の上勝小学校。iPadが10台ある。
このような実績が既にあり、過疎の町にも関わらずパソコンやタブレットへの抵抗感が比較的少ない地域と言えます。こうした環境の中で、2010年、町の教育委員会は、町内に1校ずつある小学校と中学校にiPadを10台ずつ導入しました。学校でのICT教育に使うため、徳島県が進める「デジタルコンテンツ出前講座実施事業」の講師として派遣されたのが、徳島文理大学の林向達(りん・こうたつ)准教授です。そして、実践のために選択されたのが、モバイル端末用の手書きノートアプリ「MetaMoJi Note」です。
徳島文理大学・林向達准教授、研究室にて。
浮川:林先生のiPadの使用方法から教えていただけますか?
林准教授:メインで使っているのはMacBook Airで、これでプレゼン資料を作成して、クラウドからiPadで利用しています。今は、iPad miniを2台。個人用とプレゼン用で使い分けています。スケジュールや写真アルバムは、Dropboxに保存し、スケジュールは、iPhoneも含めてGoogleカレンダーで同期させています。紙で配布された資料もScanSnapを使ってできるだけデジタル化しています。Dropboxでは、年度ごとにフォルダを分け、その下に、研究、原稿、資料などのフォルダを作っています。
浮川:MacBook Airとは、どう使い分けているのでしょう?
林准教授:会議に出席してキーボードから打ち込むこともあります。あるいは、スライドは、Keynoteで作成していまして、iPadだとプレゼンシートを順送りで選ぶしかなくて大掛かりな編集もできませんが、MacBook Airであればシートの選択や編集を自由にできるので、出張のときも結局iPad miniと、MacBook Airも一緒に持って行っていますね。
浮川:私は、携帯電話はiPhoneではなくAndroidですが、iPad miniも持ち歩くし、メールはWindows版のメールソフトを長年愛用していてノートPCもバッグに入れています。荷物が増えて大変で、先日はバッグの中身について取材を受けたほどです(笑)。MetaMoJi Noteを小学校の授業で使おうと思われた理由というか経緯を教えていただけますか?
「MetaMoJi Noteを見て『求めていたのは、これだ!』と」
林准教授:徳島県の事業で私が上勝小学校でiPadを使った授業をすることになったとき、最初は、Pagesを考えていました。あるいは、iDrawとか。ワープロ的に使えるという点で、Pagesにほぼ決まっていたのです。ところが、授業をする直前に、MetaMoJi Noteが発表されて、早速ダウンロードしてみたら、「求めていたのはこれだ!」と感激しまして。上勝小学校で担当していただいている先生にも相談して、「これがいい」と、急きょ変更したのです。
浮川:私たちがMetaMoJi Noteを発表した日(2012年9月26日)の翌日からご利用いただいていますね。林先生のブログを拝見しました。ところでMetaMoJi Noteの、どこがいいと思われたのですか?
林准教授:
とにかく直感的に操作できる点です。小学生レベルでは、感覚的に何ができるか分かるかどうか、実際にそれを思い通りに実行できるかどうかは大切なことなのです。
浮川:小学生にも分かりやすいと評価いただければ、私たちとしても、とてもうれしいです。小学校の授業で、実際にはどのような授業をされているのですか?
林准教授:4年生から6年生まで、それぞれ、チラシ作り、料理レシピシート作り、新聞作りをやっています。上勝町は、ごみゼロを目指して日本で初めてゼロ・ウェイスト宣言をした町で、無駄をゼロにするため町民が不要品を持ち寄り、誰もが持ち帰るリユースが定着しています。「くるくるショップ」というのですが、そのチラシを作ったりしているのです。
浮川:子どもたちの反応はいかがですか?
「MetaMoJi Noteを見て『求めていたのは、これだ!』と」
林准教授:とてもいいですよ。今ではiPadとMetaMoJi Noteの使い方に慣れてきて、最初は棚田米レシピシートを作っていた5年生は、稲作栽培ノートを作成しています。使い込んできていますから、要望もあるようです。要求水準が上がってきていますよ(笑)。
浮川:MetaMoJi Noteのカリグラフィーペン機能など、子どもたちには、ぜひ使って欲しい機能ですね。とても楽しいと思います。実は、書き味と言いますか、書いた結果がどうなるか、何度も何度も繰り返しシミュレーションして、描画機能を決めています。例えば、グラデーションさせた曲線の一部を消したとします。プログラムの内部では、曲線のデータが2つになるのですが、それでもグラデーションはそのまま維持させるという処理をしています。
林准教授:大変なプログラミングをされているのですね。
浮川:社長(浮川和宣)の思い入れもあって・・・。
林准教授:子どもたちも、このMetaMoJi Noteを作った会社の人に会えることを楽しみにしています。
翌日、林准教授が授業をしている上勝小学校を訪問しました。6年生の児童は10人。MetaMoJi Noteへの要望を聞いたところ、「文字の種類を増やして欲しい」「文字に付けられる色を増やして欲しい」「文字に影やグラデーションが付けられるようにして欲しい」といった声が上がりました。
そこで児童たちが作成しているデータを見せてもらうと、新聞作りをテーマにしているのでテキスト枠を多用しているのです。だから、こうした要望が出たのですね。手書き文字ならカリグラフィーペンで書いたり、色の設定やグラデーションも自由にできるので、テキスト文字はそこまで飾りを入れなくてもいいのではと考えたのですが子どもたちの発想は違ったようです。一方、テキスト文字が多かったこともあり、初代iPadでもとても軽快に動作していました。
上勝小学校6年生の授業。MetaMoJi Noteで新聞作り。
上勝小学校の賀川實校長(右奥)と担当の糸林麻都香教諭(左)
iPadを使った授業を担当している教諭の糸林麻都香(いとばやし・まどか)さんに聞くと、iPadを保護者が所有している児童もいるようですが、自宅ではゲームで使うだけという場合がほとんどとのこと。クリエイティブな用途でアプリを使うのは、こうした授業だけのようです。児童たちがMetaMoJi Noteの機能を理解するのはとても早く、担任の理解を追い越す場合も多々あると糸林さんから伺いました。
小学生にも簡単に使える直感的なアプリという評価をいただき、このアプリの利用を即断した徳島文理大学・林向達准教授と、糸林麻都香さんをはじめ上勝小学校の教職員の皆さん、そして、実際に授業で使って要望を発表してくれた上勝小学校児童の皆さんに感激しました。どうもありがとうございました。

<本取材は2013年3月に行われました。画面キャプチャ、機能、肩書は取材時の情報にもとづきます。>