導入事例(中学・高等学校)
岩田学園 岩田中学校・高等学校[大分県]
ICT導入の効果を高めるため、“ペーパーレス化”と“情報共有”を重視した授業支援システムを選択
大分県にある岩田中学校・高等学校は2019年度から本格的にiPadによる一人1台を実施するために、2018年度から試験運用を開始しました。その中で授業支援システムに「MetaMoJi ClassRoom」を採用し、新学習指導要領の実施に向けた授業改善に取り組んでいます。ICTを日常的に活用できる環境を築き、教師も生徒も新しい学習活動にチャレンジしています。
タブレットの効果を高めるために、MetaMoJi ClassRoomを導入
岩田中学校・高等学校(大分県大分市)は、創立100周年以上の伝統を誇る男女共学の私立一貫校です。“社会に有為な人材育成”を学校方針に掲げ、難関大学の合格をめざした中学校からの「IWATAコース」や、グローバルな人材育成をめざした高校からの「APU・立命館コース」など、生徒のめざす進路に合わせたコースを設置しています。またIWATAコースには新たに医進クラスを創設し、医師の育成も担うなど、一人ひとりの自己実現に向けた教育活動に取り組んでいます。
岩田中学校・高等学校では、2018年から新学習指導要領の実施に向けてICT環境の整備に着手しました。これについて同校の技術・情報科教諭 八木真也教諭は「新学習指導要領では高大接続改革により、学習者が何を学んだのか、eポートフォリオが求められるようになります。また授業においても、学んだ知識を活用して学びを深めるアクティブ・ラーニングが重要視され、大学が求める学力も変わってきました。そんな新しい学習を実施していくためには、ICTの利用が欠かせないことから、タブレットの導入に踏み切りました」と語っています。具体的に同校では、2018年度から学校共有のiPadで試験運用を開始し、2019年度からは中学1年生から高校2年生を対象にiPadによる一人1台を本格実施する予定です。
八木教諭はiPad導入と同時に、効率の良い授業をめざして授業支援システムにMetaMoJi ClassRoomを採用しました。同教諭は「ICTを使うのであれば、ペーパーレス化や生徒と教員間でファイルの配信・共有が行えないと効果につながらないと考えていました。その点、MetaMoJi ClassRoomの場合は、双方向のやり取りが可能になるとともに、リアルタイムでデータが保存され、しかも軽いのが良いと思いました。書いたものが消しゴム感覚で消せるなどアナログの感覚も残っており、教師側の管理ツールも使いやすいのが良かったです」と選定理由を語ってくれました。ICTのメリットを授業で発揮できるツールとしてMetaMoJi ClassRoomを活用し、これからは授業改善に取り組んでいきたいというのです。
効率よく、見栄えよく、意見共有できることがメリット
岩田中学校・高等学校でAPUコースを受け持つ英語科の廣松大和教諭は、ロングホームルームでMetaMoJi ClassRoomを使用し、遠隔交流学習の振り返りを行いました。同授業では、前時にラグビーワールドカップに関連した県の事業として、南アフリカのラグビー選手と交流学習を行っており、本時ではその際に発表したグループプレゼンテーションを振り返ろうというのです。
生徒たちは最初、QRコードでMetaMoJi ClassRoomにログインし、振り返りのワークシートにアクセスしました。その後、交流学習の様子を思い出しながら、個人とグループ、それぞれで良かった部分や反省点をワークシートに書き込んでいきます。グループによる振り返りでは、メンバー全員が同時にひとつのシートに書き込みながら、リアルタイムに互いの意見を見て会話を弾ませていました。廣松教諭は、「従来であれば、紙で同じことを行っていたのですが、紙の場合は一旦回収して、生徒の意見を集約しなければならないのがネックでした。しかしMetaMoJi ClassRoomを使えば、生徒の手元に書いたものが残り、他のグループにも見せやすいのが良いと思います。効率よく、見栄えよく、意見共有できることがメリットだと感じています」と語ってくれました。
また、生徒たちがワークシートに書き込んだ内容は、廣松教諭もリアルタイムで見ることが可能なため、一人ひとりの意見を拾うことに役立つといいます。同教諭は「高校生ともなると、自分から挙手して意見を言いにくい生徒も多いですが、MetaMoJi ClassRoomがあると、教師の方から生徒の意見を拾っていくことができます。誰に発表してもらうか、前もって生徒たちの意見を把握できるのがいいですね」と話しています。
互いの意見を見ながら、グループ全員でシートに記入
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各グループのシートを、一度にディスプレイに表示できる
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ホームルームでもMetaMoJi ClassRoomを活用
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英語の授業では、問題シートに各自が答えを記入
ほかにも、岩田中学校・高等学校では朝のホームルームや中学2年の英語でMetaMoJi ClassRoomが活用されていました。連絡事項を伝達したり、英語の授業では配信された問題シートに生徒が直接答えを書き込んだりと、できるところからICTを取り入れている様子が分かりました。また生徒たちが学んだ英語を活用し、好きな画像とオリジナルの英作文を組み合わせた作品もMetaMoJi ClassRoomで作成しました。表現力の育成にも役立てられています。
日常的にICTを活用できる環境で、みんなが参加できる授業を
岩田中学校・高等学校の教師や生徒たちはMetaMoJi ClassRoomの活用を通して、どのような変化があったのでしょうか。
これについて八木教諭は、「今までパソコン教室でしかICTを活用した学びができませんでしたが、普通教室でもできるようになったことが良いと思います」と語ってくれました。たとえば、グループで意見をまとめる活動においても、今までは模造紙やペンを用意するなど準備が必要でしたが、MetaMoJi ClassRoomでは、その必要もありません。同教諭は「面倒なことがなくなると、教師はグループ活動をもっとやらせてみようと思えるようになります。QRコードを渡せば、生徒は使い方を自分でマスターしてくれますし、今まで発表が苦手だった生徒も取り組む姿が見られます」と話しています。
“わざわざICTを使う”のではなく、日常的にICTが使える環境になったことで、教師のできることが広がるというのです。
また廣松教諭は、「生徒の創造性を手軽に発揮できるので、暇を持て余す生徒が減り、授業への参加感が得られやすいと思います」と話してくれました。書いてすぐに消せるデジタルのメリットは生徒の試行錯誤を促し、勉強が苦手な生徒もイラストで参加できるなど達成感を感じる場面を作れるといいます。また同教諭は「これまで調べ学習からのプレゼンテーションは、授業でやりたくてもむずかしいと思っていたのですが、MetaMoJi ClassRoomはスムーズな動線で行えるため、発展的な教科活動が簡単になりました」と述べました。ウェブサイトで情報収集を行い、それをもとに簡単な発表スライドを作ったり、グループで意見集約を行ったりと、協働学習のハードルが下がったというのです。「生徒たちは楽しそうに取り組んでいます。助け合ったり、教え合ったり、些細なことではありますが、生徒たちの成長や人間関係の中で大切な部分であり、学習を通してそうした場を提供できていると思います」と廣松教諭は手応えを述べています。
学習支援サービスと使い分けて活用を広げたい
いよいよ2019年度から本格的にiPadの一人1台環境がスタートする岩田中学校・高等学校ですが、今後はどのような取り組みを行っていくのでしょうか。
八木教諭は「来年度からは学習支援サービスも併用していく予定で、MetaMoJi ClassRoomとどのように使い分けるかが課題です。おそらく、手書きで書き込む宿題やワークシートをMetaMoJi ClassRoomで扱うほか、生徒たちの情報整理にも活かせると考えています」と述べています。マイボックスでファイルを管理するなどMetaMoJi ClassRoomにはファイル、フォルダ整理の概念があるため、生徒たちが必要に応じて書き込みをしながら、効率的に情報を管理することができるからです。
学習の生産性を高めるためには、もはやICTの活用は必須です。生徒たちの学習や学校生活をより充実させるツールとして、MetaMoJi ClassRoomを今後も広く活かしていきたい考えです。
・iPadはApple inc.の登録商標です。
技術・情報科 八木 真也教諭
英語科 廣松 大和 教諭
- 岩田学園 岩田中学校・高等学校
- 所在地:大分県大分市岩田町1丁目1番1号
- URL:http://www.iwata.ed.jp/
<本取材は2018年11月に行われました。画面キャプチャ、機能、肩書は取材時の情報にもとづきます。>