MetaMoJi ClassRoom 事例紹介

18. 日本消化器病学会関東支部
学会の専門医セミナーでMetaMoJi ClassRoomを活用し、臨場感のある学びの場を全員で共有

 日本消化器病学会関東支部では定期的に支部例会を開催し、講演やセミナーを実施しています。その中で、若手消化器医が問診から診断へのシミュレーションに挑む専門医セミナーにMetaMoJi ClassRoomが活用され、臨場感と緊張感とエンターテインメント性のある学びの場となっています。
若手医師に問診の重要性を知ってほしい、その思いからこのセミナーが生まれた
 「日本の消化器科は、医師も医療機器メーカーも、内視鏡やCTなどの技術は世界のトップクラスです。それはもちろん意義のあることですが、その一方で、問診で患者さんの話に耳を傾けて診断に導いていくことも重要です。若手の消化器医に問診の重要性を知ってもらいたいのです」。こう語る杏林大学医学部医学教育学准教授の矢島知治氏は、問診の情報から診断への過程を学ぶセミナーを2011年ごろに発案し、運営してきました。2016年秋からは日本消化器病学会関東支部の支部例会の場で、年に2回実施しています。

 支部例会でのセミナーには、iPadとMetaMoJi ClassRoomが使用されています。会場の前方には、2人1組の解答者が4チーム、観客と向かい合う形で座っています。各チームの手元には1台ずつのiPad。解答者は、医師になって1~4年の若手です。提示される課題に対し、iPadにインストールされたMetaMoJi ClassRoomで自分たちの考えを書き込んでいきます。解答者は開始前に数分間、MetaMoJi ClassRoomの操作説明を受けるだけで、まったく問題なくセミナーが進行します。
診療のシミュレーションを進めながら、 全チームの思考の過程を共有できる
司会の矢島氏(左)から提示された情報と、各チームの解答が投影される。 司会の矢島氏(左)から提示された情報と、各チームの解答が投影される。
司会の矢島氏(左)から提示された情報と、各チームの解答が投影される。
 実際の診療ではまず、患者の年齢、性別、現病歴(今回の症状に関する情報)、既往歴、喫煙や飲酒の有無などを問診から把握します。医師はこの情報を最初の手がかりとして、考えられる病気をいくつか予測し、必要な情報や検査は何かを考えて、今後の診断や治療へと向かっていきます。セミナーは、このような流れをシミュレーションしながら進められます。

 問診による情報が司会の矢島氏からMetaMoJi ClassRoomで提示された後、解答者はチームごとのページに、この時点で考えられる診断と診断を進めるために追加で得たい情報は何かを書き込みます。書いている様子は、MetaMoJi ClassRoomのモニタリング機能を使って、4チーム分が同時にプロジェクタに投映されます。こうして各チームが何をどう考えているかをリアルタイムで観客と共有できます。プロジェクタ用のスクリーンがあるので会場前方の照明は暗くなっていますが、iPadに書き込むので支障はありません。

 書き終わったら各チームが順番に口頭で発表します。そのときには発表しているチームのページがプロジェクタで大きく表示されます。
  
同一ページに全員で書き込むなど、MetaMoJi ClassRoomの機能を有効に活用
 この後、患者からさらに聞き出した情報、解答者からリクエストのあった検査画像などが順に提示されていきます。血液検査の結果のページには数値がたくさん並んでいて、今度は全チームが同一のページに対して同時に、気になる箇所にマークを書き込んでいきます。その様子もプロジェクタに投映されています。

 考えて書き込む間、解答者はこれまでに提示された情報のページを自分のチームのiPadで自由に振り返ることができます。MetaMoJi ClassRoomには先生や進行役のページめくりに全員の画面が追随するモードもありますが、このセミナーでは解答者が自由にページをめくれるモードを併用することで、考えを深められるようにしています。検査画像などを各チームが手元で自由に拡大して見ることもできます。

 このように、MetaMoJi ClassRoomのさまざまな機能やモードを解答者と観客の双方にとって効果的に使いながら、セミナーが進行していきます。
3年生ではレポートや新聞作りで活用。児童が意欲的に取り組む姿が見られる。
3年生ではレポートや新聞作りで活用。児童が意欲的に取り組む姿が見られる。
※写真にバリエーションがないので仮で
  
  
ドキドキとワクワクを共有できる、臨場感のあるセミナーを実現
4チームが解答を書く様子が、会場にリアルタイムに映し出される。
4チームが解答を書く様子が、会場にリアルタイムに映し出される。
 会場の前方にはプロジェクタ用のスクリーンが2面用意され、一方には司会の矢島氏が操作するMetaMoJi ClassRoom、もう一方には別のパソコンからPowerPointのスライドが映し出されています。たとえば矢島氏のMetaMoJi ClassRoomで4チームの解答をモニタリング表示している間はPowerPoint側で患者の情報を表示しておくなど、観客からもわかりやすく、一緒に考えることができて飽きさせないような配慮が行き届いています。

 このセミナーを初めて見た人からは「解答者が答えを書いている様子をリアルタイムで見られるなんて、テレビのクイズ番組のようなことができるんだね」と驚きの声が上がるといいます。

 観客席には、ふだん解答者の指導をしているベテランの医師も多く座っています。「解答者には、自分たちの思考の過程がリアルタイムで映し出されるというドキドキ感があるでしょう。観客にはそれを見るワクワク感があると思います。ただ指導医にとっては、自分の指導している若手医師がちゃんと答えられるだろうかという、違った意味でのドキドキ感もあるかもしれませんね」と矢島氏は笑う。
  
「MetaMoJi ClassRoomなしには、このセミナーは成立しない」(矢島氏)
 発案当初は、解答者が紙のスケッチブックに考えを書いていました。その間、観客にとっては視覚的な情報がなく、退屈してしまいます。各チームが発表するときには書いた紙をOHPにセットして投映していましたが、チームごとにセットし直す際にも間延びしてしまいます。また、解答者は考えながらそれまでの情報のページを見直すこともできませんでした。

 2016年秋にこの形式のセミナーを学会の支部例会で開催することになったのとほぼ同時にMetaMoJi ClassRoomを使い始め、これらの問題が解決しました。「発案当初に映像系の業者に相談しましたが、100万円もの費用がかかるという見積で断念しました。それが、5台のiPadとMetaMoJi ClassRoomで実現できたのです。多くの解答者と観客に参加し学んでほしいので、セミナーとしての魅力は大切です。そのためにMetaMoJi ClassRoomというツールの果たす役割は大きいと感じています。今は、MetaMoJi ClassRoomなしにはこのセミナーは成立しません」(矢島氏)
ほかの学会や勉強会でも有効な手法と考えられる
 魅力あるセミナーが実現しているとはいえ、矢島氏は「観客として参加する先生方に自分のデバイスを持参してもらい、セミナー中にコメントを書き込めるようにするなど、新たな試みもしてみたいですね」と今後に向けてのアイデアを語ります。

 さらに「日本消化器病学会の関東以外の支部や全国規模の学会でも、この形式のセミナーを開催したいと考えています。また、ほかの学会にもこういうことができると伝われば、実施したいと考えるところはあるのではないでしょうか。ふだんの指導や勉強会にも使えると思います」と、矢島氏はこのような手法が広がる可能性に期待を寄せています。
ほかの学会でもこの形式のセミナーを広げたいと語る矢島知治氏。
ほかの学会でもこの形式のセミナーを広げたいと語る
矢島知治氏。
  
  
お客様プロファイル:
  • 日本消化器病学会関東支部
  • 所在地:東京都三鷹市新川6-20-2 杏林大学消化器・一般外科内
  • URL:http://www.jsge-kanto.jp
<本取材は2017年10月に行われました。画面キャプチャ、機能、肩書は取材時の情報にもとづきます。>